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Thumbs.db(サムズドットディービー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

Thumbs.db(サムズドットディービー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

サムズドットエイユーエルエーエス (サムズドットエーユーエルエーエス)

英語表記

Thumbs.db (サムズドットディービー)

用語解説

Thumbs.dbとは、Microsoft Windowsオペレーティングシステムが特定のフォルダ内に自動的に生成する隠しファイルの一つである。その主な目的は、画像ファイルや動画ファイルなど、視覚的なコンテンツを含むフォルダを開いた際に、エクスプローラー上でのサムネイル(縮小表示)の表示速度を向上させることにある。このファイルは、フォルダ内の各視覚コンテンツファイルの縮小イメージデータをキャッシュとして保存しており、次回以降同じフォルダにアクセスした際に、個々のファイルを再解析することなく、保存されたサムネイルデータを即座に読み込んで表示できるようになる。これにより、ユーザーは多数の画像ファイルを扱う際でも、スムーズかつ迅速にコンテンツの概要を把握できるという利点があった。かつてはWindows 2000やWindows XPなどのバージョンで広く使われていたが、Windows Vista以降ではこのフォルダごとのThumbs.dbの仕組みは基本的に廃止され、システム全体で一元的にサムネイルキャッシュを管理する方式に移行している。しかし、特定の条件下、特にネットワーク共有フォルダなどでは、現在でもこのThumbs.dbファイルが生成されるケースが見られることがあるため、その存在と特性を理解しておくことは重要である。

詳細について見ていこう。Thumbs.dbファイルは、エクスプローラーが「サムネイル表示」または「フィルムストリップ表示」などの視覚的表示モードでフォルダを開いた際に、そのフォルダ内に含まれる画像ファイル(JPEG, PNG, BMPなど)や一部の動画ファイル、PDFファイルなどのコンテンツの縮小画像を自動的に生成し、データベース形式で保存する。このデータベースは通常、SQLiteライクな構造を持つとされている。例えば、初めて100枚の画像があるフォルダを開くと、エクスプローラーは各画像を読み込んでサムネイルを生成し、その生成に時間がかかる。しかし、一度Thumbs.dbが作成されれば、二度目以降のアクセスでは、エクスプローラーはThumbs.dbから既に保存されているサムネイルデータを読み込むだけでよいため、表示にかかる時間が劇的に短縮されるのだ。これは特に、ネットワークドライブ上のフォルダやUSBメモリなどの外部記憶装置上のフォルダに多数の画像が保存されている場合に顕著な効果を発揮した。

しかし、このThumbs.dbにはいくつかの問題点も存在した。一つは「ファイルロック」の問題である。Thumbs.dbファイルがエクスプローラーによって使用されている間は、そのフォルダやThumbs.dbファイル自体がロックされ、ユーザーがフォルダを削除したり、移動したりする操作が一時的にできなくなることがあった。これは、エクスプローラーを終了させるか、タスクマネージャーからexplorer.exeプロセスを再起動するなどの対処が必要となる場合があり、ユーザーにとっては不便な点であった。

さらに深刻な問題として、「プライバシーとセキュリティ」に関する懸念があった。Thumbs.dbは一度生成されたサムネイルデータを保持するため、元の画像ファイルが削除された後でも、そのサムネイルデータがThumbs.db内に残り続ける可能性があった。これは、ユーザーが意図せず削除したプライベートな画像や、機密情報を含む文書のサムネイルが、外部の人間によってThumbs.dbファイルから復元され、閲覧されるリスクを意味した。フォレンジック調査の分野では、このThumbs.dbファイルが過去のシステム利用状況や削除されたファイルの痕跡を辿る重要な証拠となることもあった。

また、Thumbs.dbファイル自体のサイズも問題となることがあった。多数の画像を含むフォルダでは、Thumbs.dbのサイズが数メガバイト、時にはそれ以上に肥大化することがあり、特に容量の限られたリムーバブルメディアや、ファイル数が非常に多い環境では、ディスクスペースを圧迫する要因の一つとなることもあった。さらに、USBメモリなどで画像を他のPCに移動させる際に、Thumbs.dbファイルも一緒に移動してしまい、移動先のPCで不要なファイルとして残る、といったポータビリティの問題も生じた。

これらの問題を解決するため、Windows Vista以降のバージョンでは、Thumbs.dbの動作が大きく変更された。Windows Vista、7、8、10、11といった現代のWindowsシステムでは、基本的に各フォルダに個別のThumbs.dbファイルを作成するのではなく、すべてのサムネイルキャッシュをユーザープロファイル内の特定の場所、具体的には%LocalAppData%\Microsoft\Windows\Explorer以下にthumbcache_*.dbという名前のファイル群として一元的に管理するようになった。この変更により、フォルダごとのファイルロックの問題や、削除されたファイルのサムネイルが特定のフォルダに残存するプライバシーの問題が大幅に軽減された。システム全体でキャッシュを管理するため、より効率的なディスクスペースの利用も可能となっている。

しかし、前述の通り、ネットワークドライブや一部の共有フォルダ環境では、クライアントPCがローカルの集中管理キャッシュを利用できないため、互換性の問題やパフォーマンスの観点から、未だにThumbs.dbが生成されるケースが存在する。この場合、そのThumbs.dbは、古いWindowsバージョンで使用されていたものと同様の特性を持つことになる。

Thumbs.dbの管理方法としては、通常、このファイルは「隠しシステムファイル」として扱われるため、エクスプローラーのデフォルト設定では表示されない。表示するには、エクスプローラーの「フォルダーオプション」または「エクスプローラーのオプション」で「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」オプションを有効にする必要がある。削除しても、そのフォルダを再度開けば自動的に再生成されるため、一時的な解決にしかならない。生成を停止するには、Windows XPなどでは「縮小版をキャッシュしない」といったオプションや、グループポリシーで「すべてのファイルのサムネイルを非表示にする」設定を適用するなどの方法があった。現代のWindowsでは、ローカルドライブでのThumbs.dbの生成はほとんど見られないため、意識して管理する必要は少なくなっているが、古いシステムやネットワーク共有環境で遭遇した場合には、その存在意義と潜在的な問題を理解した上で適切に対処することが求められる。

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