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UUID(ユーユーアイディー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

UUID(ユーユーアイディー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ユーユーアイディー (ユーユーアイディー)

英語表記

UUID (ユーユーアイディー)

用語解説

UUIDは、Universally Unique Identifierの略であり、日本語では「汎用一意識別子」と訳される。これは、地球上のあらゆる場所で、未来永劫にわたって、他のどのIDとも重複しないことが数学的・統計的に保証された識別子である。システム開発において、データやオブジェクトを一意に識別するための番号や文字列が必要になる場面は数多く存在するが、UUIDはその「一意性」を極めて高い確率で保証するために設計された。

一般的なシステムでは、データベースの主キーとして「1, 2, 3...」といった自動採番される連番IDがよく利用される。しかし、複数のサーバーやデータベースが連携する大規模な分散システムでは、それぞれのサーバーが独立して連番を生成すると、同じIDが重複してしまう「衝突」が発生する可能性がある。例えば、サーバーAが生成した「ID: 100」と、サーバーBが生成した「ID: 100」が別々のデータを示す場合、データ統合時や連携時に問題が生じる。UUIDは、このような衝突を回避し、分散環境においても安全かつ確実にデータを識別するために考案された。データベースの主キーだけでなく、ファイルの識別子、セッションID、APIリクエストのトラッキングIDなど、多岐にわたる用途で活用されている。

UUIDは、128ビットの長さを持つ数値であり、これは16バイトに相当する。人間が読みやすいように、通常は32桁の16進数とハイフンを組み合わせた特定のフォーマットで表現される。例えば、「xxxxxxxx-xxxx-Mxxx-Nxxx-xxxxxxxxxxxx」のような形式が一般的である。ここで「x」は16進数(0〜9, A〜F)を表し、MとNはUUIDの「バージョン」と「バリアント」を示す重要な情報である。この128ビットという膨大な桁数により、2の128乗、つまり約3.4 × 10の38乗という、天文学的な数の組み合わせが可能となる。この途方もない数のうち、ランダムに2つのUUIDを選んだときに衝突する確率は、事実上ゼロと見なせるほど低い。地球上にある砂粒の数よりもはるかに多い組み合わせが存在するため、意図的に悪用されない限り、衝突を心配する必要はほとんどない。

UUIDにはいくつかの「バージョン」が存在し、それぞれ異なるアルゴリズムで生成される。代表的なものとして、バージョン1とバージョン4が挙げられる。

バージョン1のUUIDは、生成された日時を示すタイムスタンプと、UUIDを生成したコンピューターのMACアドレス(ネットワークカードに割り当てられた物理アドレス)に基づいて生成される。この方式の利点は、生成されたUUIDから、いつ、どのコンピューターで生成されたかという情報がある程度推測できる点である。そのため、ログの分析や問題発生時のトレースに役立つことがある。しかし、欠点としては、MACアドレスが含まれるため、UUIDから特定のデバイスが特定されうるというプライバシー上の懸念がある。また、タイムスタンプに基づいて生成されるため、時間的に新しいUUIDは数値として大きくなる傾向があり、ある程度の順序性を持つ。これはデータベースのインデックス効率を向上させる場合もある。

一方、バージョン4のUUIDは、完全にランダムな数値に基づいて生成される。生成されたUUIDからは、生成された日時や生成元の情報などを一切推測できない。この「ランダム性」こそがバージョン4の最大の特徴であり、プライバシーに関する懸念が少ないという利点を持つ。しかし、欠点としては、生成されたUUIDから生成日時を読み取ることができないため、データの時間的な順序を追うことが難しくなる。また、完全なランダムであるため、データベースに格納する際のインデックスが効率的に機能しない場合がある。例えば、データベースがB-treeインデックスを使用している場合、挿入されるUUIDが常にランダムな位置になるため、ディスクI/Oが増加し、パフォーマンスが低下する可能性がある。しかし、近年のデータベースシステムでは、UUIDの効率的なインデックスをサポートする機能が改善されており、この問題は以前ほど深刻ではない場合もある。

UUIDは、現代の分散システムやマイクロサービスアーキテクチャにおいて特にその真価を発揮する。中央集権的なID管理システムを持たずに、各サービスが独立して一意な識別子を生成できるため、システム全体の結合度を低減し、スケーラビリティを向上させることが可能になる。インターネット上に公開されるURLの一部として使用したり、ファイル名に組み込んだりすることで、推測されにくいURLや衝突しないファイル名を生成し、セキュリティやデータ管理の堅牢性を高めることができる。例えば、ユーザーがアップロードしたファイルを保存する際に、元のファイル名をそのまま使用すると重複したり、悪意のあるファイル名が使われたりするリスクがあるが、UUIDをファイル名にすることで、そのリスクを回避しつつ一意性を確保できる。

ただし、UUIDにも考慮すべき欠点がある。まず、その長さである。128ビットという長さは、一般的な整数型のID(例えば64ビットのBIGINT型)と比較してストレージを多く消費する。データベースの主キーとして使用する場合、インデックスのサイズが大きくなり、検索や挿入のパフォーマンスに影響を与える可能性がある。特に、前述のバージョン4のように順序性を持たないUUIDは、ディスク上のデータ配置がランダムになりやすく、キャッシュ効率の低下を招くことがある。また、人間にとっては「xxxxxxxx-xxxx-Mxxx-Nxxx-xxxxxxxxxxxx」のような文字列は長く、記憶しにくく、手作業での入力や確認には不向きである。デバッグ時やログ解析時に、直感的に関連性を把握しにくいという側面もある。

これらの利点と欠点を理解し、システムの要件や特性に合わせて適切なUUIDのバージョンを選択したり、あるいはUUIDと連番IDを併用したりすることが、システム設計者には求められる。例えば、外部に公開するIDにはUUIDを使用し、内部処理やデータベースの参照には効率的な連番IDを使用するといった設計パターンもある。UUIDは、その名の通り「汎用的に一意な」識別子として、現代の複雑なITシステムを支える重要な技術要素の一つである。

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