【ITニュース解説】The shortest AI agent you can build
2025年09月19日に「Dev.to」が公開したITニュース「The shortest AI agent you can build」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Langbaseを使えば、GPT-5のような大規模言語モデルを活用したAIエージェントを、わずか数行のコードで簡単に構築できる。APIキーを設定し、モデルと指示を指定するだけで、初心者でも手軽にAI開発を始められる。
ITニュース解説
AIエージェントとは、特定の目的のために自律的に動作するAIのことだ。近年、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)の進化により、このようなAIエージェントを開発することが以前にも増して身近になっている。特に、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、AIの仕組みを理解し、実際に動くものを作る経験は非常に価値がある。今回紹介する記事は、このAIエージェントを驚くほど短いコードで構築する方法を示している。
この開発で中心となるツールは「Langbase」だ。Langbaseは、OpenAIのGPTシリーズ、オープンソースのKimi K2やDeepSeek R1など、600種類以上の多様な大規模言語モデル(LLM)を統一的な方法で利用できるようにするプラットフォームである。通常、異なるLLMを使うにはそれぞれのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の仕様に合わせてコードを書く必要があるが、Langbaseはその違いを吸収し、開発者が一つの共通インターフェースで様々なLLMと対話できるようにする。これにより、特定のLLMの仕様を深く学ぶことなく、効率的にAI開発を進めることが可能になる。
AIエージェントの構築は、いくつかのステップで進められる。まず、開発を始める最初のステップとして、LangbaseのSDK(ソフトウェア開発キット)を自分の開発環境に導入する。SDKとは、特定のソフトウェアを開発する際に必要なツールやライブラリ一式をまとめたもので、記事ではnpm install langbaseというコマンドを実行してLangbaseのSDKをインストールしている。
次に、Langbaseサービスを利用するための認証情報、つまりAPIキーの取得と設定が必要になる。APIキーは、あなたがサービスを利用する正当なユーザーであることを証明するための「鍵」のようなものだ。記事では、Langbase.comでアカウントを作成し、サイドバーからAPIキーを生成する手順が説明されている。このキーはLANGBASE_API_KEYとして、.envファイルという特殊なファイルに保存することが推奨されている。.envファイルは、プログラムが実行される環境設定を記述するためのもので、機密情報であるAPIキーをソースコードに直接書き込むのを避け、安全に管理するために使われる。さらに、今回はOpenAIのGPT-5モデルを利用するため、OpenAIのAPIキーも同様にLLM_API_KEYとして.envファイルに設定する必要がある。つまり、Langbaseを使うためのキーと、実際にGPT-5モデルを呼び出すためのキーの二種類が必要になるということだ。
APIキーの準備ができたら、実際にプログラムを記述するindex.tsファイルを作成する。import { Langbase } from 'langbase';という行は、インストールしたLangbase SDKの中から『Langbase』という機能を使えるように読み込む指示だ。また、import 'dotenv/config';は、先ほど.envファイルに設定したAPIキーなどの環境変数をプログラムで利用できるようにするための設定である。const langbase = new Langbase({ apiKey: process.env.LANGBASE_API_KEY! });というコードは、Langbaseの機能をプログラムで使えるように初期設定を行う部分だ。ここで、LangbaseのAPIキーを渡して、Langbaseサービスとの接続準備を完了させる。
そして、今回の記事のハイライトとなるAIエージェントのコードが記述される。わずか数行のこのコードが、実際にGPT-5と連携して動作するAIエージェントの核心部分だ。langbase.agent.run()メソッドがその役割を担っている。このメソッドに渡されるいくつかのパラメータが、AIエージェントの動作を具体的に指示する。model: 'openai:gpt-5-mini-2025-08-07'は使用するAIモデルを指定する。ここではOpenAIのGPT-5の特定のバージョンを使っていることがわかる。instructions: 'You are a helpful AI Agent.'は「システムプロンプト」とも呼ばれ、AIエージェントにどのような役割を担わせるかを指示する重要な部分だ。ここでは、『あなたは役に立つAIエージェントである』と指示している。これにより、AIはこの指示に基づいて回答を生成するようになる。input: 'Who is an AI Engineer?'はAIエージェントに対する具体的な「質問」や「指示」だ。AIはこれに基づいて応答を生成する。apiKey: process.env.LLM_API_KEY!は上で設定したOpenAIのAPIキーをここで指定し、GPT-5モデルへのアクセスを認証する。stream: falseは応答をストリーミング形式(リアルタイムで少しずつ受け取る形式)にするかどうかを指定する。falseなので、全応答が一度に返される。これらのパラメータを渡してrun()メソッドを実行すると、AIエージェントがGPT-5と連携し、指定された質問に対する答えを生成する。その答えはoutput変数に格納され、console.log(output)でコンソールに出力されることになる。
最後に、npx tsx index.tsというコマンドを実行することで、作成したプログラムが実際に動く。npxはNode.jsのパッケージに含まれるコマンドで、一時的にパッケージを実行するために使われる。tsxはTypeScriptファイルを直接実行するためのツールであり、コンパイルなしで手軽にコードを試すことができる。
この手法の最大の利点は、驚くほど少ないコード行数で本格的なAIエージェントを構築できる点だ。さらに、model、instructions、inputといったパラメータは実行時に自由に、動的に変更できる。これにより、同じコード基盤を使いながら、異なる質問をしたり、AIの役割を変えたり、あるいはOpenAIのモデルからLangbaseがサポートする他の600以上のAIモデルに簡単に切り替えたりすることも可能だ。柔軟性と拡張性を備えたこの開発手法は、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、今後のAI関連プロジェクトにおいて大きな強みとなるだろう。AI開発へのハードルは低くなり、多様なAIエージェントを構築する道が開かれている。