【ITニュース解説】Apple、iOS 18.7とiPadOS 18.7を公開 アプリによるDoS攻撃やキーロガー問題などに対処
2025年09月17日に「@IT」が公開したITニュース「Apple、iOS 18.7とiPadOS 18.7を公開 アプリによるDoS攻撃やキーロガー問題などに対処」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AppleはiOS 18.7とiPadOS 18.7を公開した。これはアプリによるDoS攻撃やキーロガーといったセキュリティ上の問題を修正するものだ。WebKitやカーネル、ショートカット機能で見つかった脆弱性に対処し、iPhoneやiPadをより安全に使えるようにする重要なアップデートだ。
ITニュース解説
Appleが最新のOSアップデートであるiOS 18.7とiPadOS 18.7を公開した。このアップデートは、様々なセキュリティ上の「脆弱性」を修正することを目的としている。脆弱性とは、ソフトウェアやシステムに存在するセキュリティ上の弱点や欠陥のことであり、悪意のある攻撃者がそれを利用することで、システムに不正に侵入したり、データを盗んだり、機能を停止させたりする危険性がある。今回のアップデートで対処された脆弱性は多岐にわたり、ユーザーがiPhoneやiPadを安全に利用し続ける上で非常に重要な意味を持つ。
まず、今回のアップデートで修正された主要な問題の一つに、「アプリによるDoS攻撃」への対処がある。DoSとは「Denial of Service(サービス拒否)」の略で、特定のサービスやシステムに対し、大量のデータや処理要求を送りつけることで、そのサービスを正常に利用できなくさせる攻撃手法を指す。今回のケースでは、悪意のあるアプリがこの脆弱性を利用し、システムに過度な負荷をかけることで、iPhoneやiPadの動作を著しく遅らせたり、フリーズさせたりする可能性があった。このような攻撃は、ユーザーが日常的にデバイスを使う上で大きな支障となり、重要な作業を妨害する恐れがある。この脆弱性が修正されたことで、アプリがシステムを不当に占有し、サービスの提供を妨害するリスクが軽減された。
次に「キーロガー問題」についても対処された。キーロガーとは、ユーザーがキーボードで入力した内容を密かに記録し、外部に送信するソフトウェアや機能のことである。この脆弱性が悪用された場合、ユーザーがパスワードやクレジットカード情報、個人情報などを入力した際に、それらの機密情報が攻撃者によって不正に取得されてしまう危険性があった。キーロガーは情報漏洩の深刻な原因となるため、この問題の修正はユーザーのプライバシー保護とセキュリティ維持において極めて重要である。
さらに、今回のアップデートでは、いくつかの特定のコンポーネントにおける脆弱性も修正されている。その一つが「WebKit」に関する脆弱性である。WebKitは、Safariブラウザをはじめとする多くのWebブラウザのレンダリングエンジンとして広く利用されているソフトウェア部品だ。レンダリングエンジンとは、Webページに記述されたHTMLやCSSなどの情報を解釈し、実際に画面に表示される形に変換する役割を担うプログラムのことである。WebKitに脆弱性があると、悪意のあるWebサイトを閲覧しただけで、ユーザーのデバイス上で不正なコードが実行されたり、情報が盗み出されたりする可能性がある。Webブラウジングはスマートフォン利用の核となる機能の一つであり、WebKitのセキュリティ強化は、インターネット利用時の安全性を高める上で不可欠である。
また、「カーネル」における脆弱性も修正された。カーネルとは、オペレーティングシステム(OS)の最も基本的な部分であり、ハードウェアとソフトウェアの橋渡し役を担う「OSの心臓部」とも言える存在である。メモリ管理、プロセス管理、デバイス管理といったOSの根幹をなす機能を制御している。カーネルに脆弱性がある場合、攻撃者はシステムの奥深くに侵入し、OS全体を乗っ取ったり、システムに格納されているあらゆるデータにアクセスしたり、さらにはデバイスの挙動を完全に制御したりすることが可能になる。これは非常に深刻な脅威であり、システム全体のセキュリティを根本から揺るがす事態につながるため、カーネルの脆弱性修正は最も優先度の高いセキュリティ対策の一つである。
最後に、「ショートカット」機能に関する脆弱性も対処された。Appleのショートカット機能は、ユーザーが日常的に行う一連の作業を自動化するための強力なツールである。例えば、特定の時間になったらアラームを鳴らし、天気予報を表示し、メッセージを送信するといった複数のアクションを組み合わせた自動処理を作成できる。しかし、このショートカット機能に脆弱性があると、悪意を持って作成されたショートカットが、ユーザーの意図しない動作を実行したり、機密情報に不正にアクセスしたりする可能性があった。例えば、許可なく連絡先データを外部に送信したり、システム設定を勝手に変更したりするなどのリスクが考えられる。この修正により、ショートカット機能がより安全に利用できるようになり、自動化の利便性を損なうことなくセキュリティが確保される。
これらの多岐にわたる脆弱性への対処は、Appleがユーザーのセキュリティとプライバシー保護に真剣に取り組んでいることを示している。システムエンジニアを目指す上で、このようなセキュリティアップデートの重要性を理解することは非常に重要である。なぜなら、ソフトウェアやシステムを開発・運用する上で、常に潜在的な脆弱性を意識し、それらを事前に防ぎ、あるいは迅速に修正する能力が求められるからである。今回のアップデートは、日々の開発業務においてセキュリティ対策がいかに不可欠であるかを改めて教えてくれる事例だと言える。ユーザーは、これらの脆弱性から自身を守るために、提供されたiOS 18.7およびiPadOS 18.7への速やかなアップデートが強く推奨される。