Safari(サファリ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
Safari(サファリ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
サファリ (サファリ)
英語表記
Safari (サファリ)
用語解説
Safariは、Appleが開発し、macOS、iOS、iPadOSといったApple製のオペレーティングシステムに標準搭載されているWebブラウザである。高速性、省電力性、そして高度なプライバシー保護機能を特徴とし、Appleのエコシステムと深く統合されている点が大きな強みとなっている。Webページの閲覧、検索、Webアプリケーションの利用など、インターネット利用における主要なインターフェースとして、Apple製品ユーザーに広く利用されている。
Safariは2003年にMac OS X(現在のmacOS)専用のWebブラウザとして登場した。それまでMac OS XではMicrosoft Internet Explorer for Macが標準ブラウザであったが、Appleは自社開発のブラウザの必要性を感じ、レンダリングエンジンとしてWebKitを開発し、それを基盤とするSafariを発表した。WebKitは、当初KDEプロジェクトのKHTMLエンジンをフォークして開発され、後にオープンソース化された。このWebKitエンジンは、Webページの表示(レンダリング)やJavaScriptの実行を担う重要なコンポーネントであり、Web標準への高い準拠性とパフォーマンスを追求している。一時期はWindows版も提供されたが、2012年に提供が終了し、現在はAppleのプラットフォームに特化している。特に2007年のiPhone登場以降は、iOS(旧iPhone OS)の標準ブラウザとしてその存在感を確立し、モバイル環境におけるWebブラウジング体験を大きく進化させてきた。現在では、デスクトップ環境とモバイル環境の両方で一貫したユーザーエクスペリエンスを提供している。
Safariの最大の特徴の一つは、その基盤となっているWebKitエンジンである。WebKitはHTML、CSS、JavaScriptを解釈し、Webページを画面に描画する役割を担う。オープンソースプロジェクトであり、世界中の開発者によって改善が続けられており、Google Chromeの初期バージョンや、現在も多くのWebブラウザ(例えばBraveなど)がWebKitやその派生エンジン(Blink)を利用している。SafariはWebKitをAppleのプラットフォームに最適化することで、他社ブラウザと比較して高いパフォーマンスと省電力性を実現している。特に、JavaScriptエンジン(Nitro JavaScriptエンジン)の高速化や、グラフィック処理の最適化により、複雑なWebアプリケーションやリッチコンテンツもスムーズに動作させる。また、Apple製デバイスのハードウェア特性を最大限に活かす設計がされており、バッテリー消費を抑えながら快適なブラウジングを可能にする。これは、特にノート型コンピュータやモバイルデバイスでの長時間利用において、大きな利点となる。
プライバシー保護はSafariが特に注力している領域である。Safariは「Intelligent Tracking Prevention (ITP)」という技術を搭載しており、Webサイトを横断してユーザーの行動を追跡しようとする広告トラッカーなどを自動的に識別し、その機能を制限する。これにより、ユーザーが意図しない追跡を防ぎ、オンラインプライバシーを強化する。また、既知の不正Webサイトやフィッシング詐欺サイトへのアクセスを警告する機能も備わっており、セキュリティリスクからユーザーを保護する。最近では、IPアドレスを秘匿してWebサイト運営者からユーザーの正確な位置情報が特定されるのを防ぐ「プライベートリレー」機能(iCloud+加入者向け)や、パスワードなしで安全にWebサイトにログインできる「パスキー(Passkeys)」への対応も進められている。ユーザーは「プライバシーレポート」を通じて、過去30日間にSafariがブロックしたトラッカーの数や、どのWebサイトがトラッキングを試みたかを確認できるため、自身のオンラインプライバシー状況を可視化できる。
Appleエコシステムとのシームレスな連携もSafariの重要な強みである。Handoff機能を利用すれば、iPhoneで閲覧していたWebページをMacのSafariで即座に引き継いで開くことができるなど、Apple製デバイス間での作業連続性を高める。iCloudキーチェーンは、WebサイトのIDとパスワード、クレジットカード情報などを暗号化してiCloudに安全に保存し、Safariが動作するすべてのApple製デバイス間で自動同期する。これにより、複数のデバイスでパスワードを再入力する手間を省き、かつ安全に管理できる。リーディングリスト機能を使えば、Webページを後で読むために保存し、インターネット接続がないオフライン環境でも閲覧可能である。さらに、Web上の動画コンテンツをApple TVや対応するスマートテレビにワイヤレスでストリーミングできるAirPlay機能や、異なるデバイス間でテキストや画像をコピー&ペーストできるユニバーサルクリップボードとも連携し、Apple製品ユーザーにとっては非常に使い勝手の良いWebブラウザとなっている。
ユーザーインターフェースはシンプルで直感的であり、余計な装飾を排したデザインが特徴である。タブの管理、スマート検索フィールド(URL入力と検索を統合したフィールド)、ブックマーク機能、履歴管理など、一般的なWebブラウザが持つ機能に加え、タブグループ機能で関連するタブをまとめて管理したり、拡張機能を追加して機能をカスタマイズしたりすることも可能である。Web開発者向けには、Webインスペクタと呼ばれる開発者ツールが提供されており、HTML、CSS、JavaScriptのデバッグやパフォーマンス分析を行うことができる。これにより、WebサイトやWebアプリケーションの開発効率を向上させる。
システムエンジニアを目指す初心者がSafariを理解する上で重要な点は、Web技術の標準化と互換性についてである。SafariがWebKitエンジンを採用し、Web標準に準拠していることは、Web開発者が開発したコンテンツが異なるブラウザでも正しく表示されるための基盤となる。しかし、ブラウザベンダーごとに実装の差異や、新しいWeb標準機能への対応状況に違いが生じる場合がある。そのため、Web開発においては、SafariだけでなくGoogle Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeといった主要なブラウザでの表示や動作を確認する「クロスブラウザテスト」が不可欠となる。特に、Safariは他のブラウザ(主にChromium系)と比較して、特定のWeb標準機能の実装時期が遅れることや、Safari(WebKit)独自のCSSプロパティ(ベンダープレフィックス)が存在する場合があるため、これらの特性を理解した上でWebコンテンツを開発する必要がある。このように、SafariはAppleエコシステムの重要な一角を担うだけでなく、Web技術の進化と標準化の一翼を担う存在として、その特性を理解することはWeb関連のシステム開発に携わる上で非常に有益である。