【ITニュース解説】Apple Watch Series 11 vs. Apple Watch Series 10: Should you upgrade?
2025年09月12日に「Engadget」が公開したITニュース「Apple Watch Series 11 vs. Apple Watch Series 10: Should you upgrade?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Apple Watch Series 11はSeries 10と見た目は同じだが、バッテリーが24時間持続し、セルラーモデルは5Gに対応、画面ガラスも強化された。新機能の高血圧通知はSeries 10など旧モデルにも提供されるため、アップグレードはバッテリー持ちや5Gが必要かによる。
ITニュース解説
Apple Watchの最新モデル「Series 11」が登場した。スマートフォンの新モデル発表の影に隠れがちだったが、日常生活の質を向上させるような重要な変更点がいくつか加えられている。今回の解説では、この新しいSeries 11が、昨年のモデルである「Series 10」と比べて具体的に何が新しく、何が変わっていないのかを詳しく見ていく。特に、すでにSeries 10を持っている人がアップグレードすべきかどうかという点に焦点を当てて解説する。
Series 11の最も注目すべき進化点は、バッテリー駆動時間の延長だ。これまでのApple Watchは18時間というバッテリー寿命が示されてきたが、Series 11では最大24時間へと大幅に延びた。これは、充電なしで丸一日と一晩を余裕で過ごせることを意味し、日常生活での利便性が大きく向上する点だ。次に、セルラーモデルにおける通信性能の強化がある。Series 11のセルラーモデルは「5G」に対応した。これまでの「LTE」よりも高速で安定した通信が可能になるため、iPhoneを持たずに外出する際でも、より快適にインターネットに接続したり、電話をかけたりできる。さらに、アルミニウム製のモデルでは、ディスプレイを覆うガラスの耐久性が向上している。「Ion-Xガラス」という素材が採用され、AppleによればSeries 10に比べて2倍傷つきにくくなった。これは、日常使いでの不意の衝撃や擦り傷から時計を守る上で、安心感をもたらすだろう。健康機能の面では「高血圧通知」という新しい機能が導入される。これは、日々の血圧データから高血圧の兆候を検知し、ユーザーに通知する機能だ。しかし、この高血圧通知はSeries 11だけの独占機能ではなく、最新のソフトウェアアップデート「watchOS 26」を通じて、Series 10、Series 9、さらには上位モデルのApple Watch Ultra 2といった既存のモデルにも提供されることがAppleから発表されている。これは、新しい健康機能のためだけにすぐにアップグレードする必要はないことを意味し、既存ユーザーにとっては嬉しいニュースと言える。
Series 11とSeries 10は、外観上はほとんど見分けがつかない。デザインやケースの形状、サイズ(42mmと46mm)、そしてディスプレイの品質も同じだ。両モデルとも、常に時刻や情報が表示される「常時表示Retina LTPO OLEDディスプレイ」を搭載しており、明るさも最大2,000ニトと非常に明るく、屋外でも見やすい。心臓部となる処理性能も変わっていない。両モデルには、2024年に導入された「S10チップ」が搭載されており、アプリの起動速度や全体的な操作感は非常にスムーズで快適だ。既存の多くの健康・フィットネス機能も共通している。心電図(ECG)測定、血中酸素レベルの測定、体温センサー、睡眠時無呼吸症候群のアラート、睡眠スコアリングといった機能は、Series 10とSeries 11のどちらでも利用できる。ソフトウェア面でも、両モデルは最新の「watchOS 26」で動作する。Series 10のユーザーもソフトウェアアップデートによってこの最新OSに更新できるため、新しい文字盤やワークアウトモード、刷新された健康ダッシュボードなど、ほとんどのソフトウェア体験はSeries 11と変わらない。ハードウェアの強化(例えばガラスの耐久性や5G通信)に依存する機能以外は、ユーザーインターフェースや操作感はどちらのモデルでも同じように感じられるだろう。価格もSeries 11は399ドルからと、Series 10が発売された時と同じ価格設定だ。また、ケースサイズやバンドの互換性も変わらないため、これまでに購入したバンドなどのアクセサリーは、新しいSeries 11でもそのまま使い続けられる。
デザインとディスプレイに関して、Series 11とSeries 10は物理的にはほぼ同一だ。見た目だけでどちらのモデルかを見分けるのは非常に困難で、スペックシートを確認しなければならないほどである。しかし、内部的な変化として、Series 11のアルミニウムモデルでは、ディスプレイガラスに特別なセラミックコーティングが施されたIon-Xガラスが採用され、Series 10よりも約2倍の傷耐性を持つ。これは、時計を日常的に着用する中で起こりうる軽い接触や擦り傷に対する耐久性が向上したことを意味する。
性能と接続性については、両モデルともに同じS10チップを搭載しているため、基本的な処理速度やアプリの動作に違いはない。しかし、通信機能には明確な違いがある。Series 11のセルラーモデルは最新の5Gネットワークに対応しており、これはSeries 10のLTEよりも高速で、より安定したデータ通信が可能であることを示している。もしiPhoneを常に持ち歩いている場合は、この5G対応の恩恵は少ないかもしれない。しかし、ランニングやちょっとした外出時にiPhoneを家に置いていくような使い方をする人にとっては、5G対応によって、よりスムーズなストリーミング再生や、より素早い情報アクセスが可能になるため、通信環境における自由度が増すことになる。
健康とフィットネス機能は、前述の通りほとんどが共通している。心臓の健康をチェックするECG機能、血液中の酸素レベルを測定する機能、体温センサー、睡眠の質を分析する機能などは、Series 10でもSeries 11でも問題なく利用できる。唯一、Series 11で先行して導入される高血圧通知機能も、ソフトウェアアップデートによってSeries 10を含む既存モデルに提供されるため、健康機能が主な目的であれば、急いで新しいモデルに買い替える必要はない。
バッテリーと充電は、Series 11の最も実用的な改善点の一つだ。従来の18時間から24時間へとバッテリー駆動時間が延びたことで、夜間に充電を忘れても翌日を乗り切れる可能性が高まり、より柔軟な使い方が可能になる。これは、Apple Watchを睡眠トラッカーとして利用したいユーザーにとっては特に大きなメリットだ。両モデルともに急速充電には対応しているため、短時間でバッテリーを回復させることは可能だが、Series 11は充電頻度を減らし、日中のバッテリー残量を気にすることなく使える安心感を提供する。
ソフトウェア体験に関しては、最新のwatchOS 26が提供する新しいSmart Stack(情報表示機能)、新しいワークアウトモード、更新された健康ダッシュボードなどは、ハードウェア固有の機能を除けば、Series 10でもSeries 11でも全く同じように体験できる。Appleは、特定の主要なソフトウェア機能をSeries 11に限定することなく、可能な限り既存モデルにも提供する方針を取っているため、ソフトウェアの観点から見ると両モデル間に大きな差はないと言える。
最終的に、Apple Watch Series 11へのアップグレードを検討する際に最も重要な判断基準となるのは、バッテリーの持続時間と5G通信への価値をどれだけ重視するか、という点だ。もし、充電を気にせずに丸一日と一晩Apple Watchを使い続けたい、あるいはiPhoneを持たずに外出する際に高速で信頼性の高い通信を必要とするならば、Series 11は明確な選択肢となるだろう。さらに、ガラスの傷つきにくさも、日常的な安心感を求めるユーザーにとっては魅力的なポイントだ。
一方、すでにApple Watch Series 10を持っている場合、Series 11にアップグレードすることで得られるメリットは、バッテリーの延長と5G通信、そして強化されたガラスの耐久性に限られる。健康機能、処理性能、ソフトウェア体験はSeries 10とほとんど変わらないため、これらの要素が現在の使用状況で特に不足を感じていないのであれば、必ずしもアップグレードする必要はないと言える。特に高血圧通知機能がソフトウェアアップデートでSeries 10にも提供されることで、両モデル間の機能的な差はさらに縮まる。
もし現在、Series 8よりも古いApple Watchを使っているのであれば、Series 11へのアップグレードは、バッテリー寿命の向上、より高速なチップによる全体的なパフォーマンスの改善、新しい健康機能など、より多くの点で大きな恩恵を感じられるはずだ。
現在Series 10を持っていて、バッテリーと5Gにそこまでこだわらないのであれば、無理にSeries 11に買い替える必要はない。むしろ、新しいモデルの発売に伴い、Series 10が割引価格で販売される可能性もあるため、お得に購入できるチャンスを狙うのも賢い選択だ。
Apple Watch Series 11は、革新的な新機能を多数搭載したというよりは、バッテリー寿命の延長、通信速度の向上、耐久性の強化といった、地味ながらも日々の使用体験を確実に向上させる実用的なアップグレードが中心となっている。これらの改善点は、スマートウォッチを一日中身につけ、様々な用途で活用したいと考えるユーザーにとって、大きな意味を持つ。充電の煩わしさから解放され、iPhoneから独立してより自由に活動したいと考えるならば、Series 11は非常に魅力的な選択肢となるだろう。しかし、現在のSeries 10の機能で十分に満足しており、バッテリーや通信性能に大きな不満がない場合は、あえて買い替える必要はない。どちらのモデルを選ぶかは、個々のユーザーがどのようなスマートウォッチ体験を求めているかによって決まるだろう。