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【ITニュース解説】プロキシ環境下におけるAzure DevOps ReposへのGit接続エラー「fatal: unable to access」の原因と対処法

2025年09月12日に「Qiita」が公開したITニュース「プロキシ環境下におけるAzure DevOps ReposへのGit接続エラー「fatal: unable to access」の原因と対処法」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

会社のネットワーク(プロキシ環境)で、プログラム管理ツールAzure DevOps ReposへGitで接続すると、「fatal: unable to access」エラーが出ることがある。この記事では、この接続できない原因と具体的な解決策を解説する。

ITニュース解説

プロキシ環境下におけるAzure DevOps ReposへのGit接続エラー「fatal: unable to access」は、システムエンジニアを目指す初心者が開発現場で直面する可能性のある、一般的なネットワーク接続の問題の一つだ。まず、この問題の背景にある要素を順に見ていこう。

日々の業務でインターネットを利用する際、企業ネットワークでは「プロキシサーバー」と呼ばれる仕組みを介して外部に接続することが多い。プロキシサーバーは、社内ネットワークとインターネットの間に立ち、セキュリティの向上、通信の監視、アクセス制限、ネットワーク負荷の軽減といった役割を果たす。Webブラウザは通常、このプロキシ設定を自動的に認識してインターネットにアクセスできるが、開発ツールの中にはそうでないものもあり、それが問題の根源となる場合がある。

今回の問題で中心となるのは、「Azure DevOps Repos」と「Git」だ。Azure DevOps Reposは、マイクロソフトが提供するクラウドベースの開発プラットフォーム「Azure DevOps」の一部で、ソフトウェアのソースコードを保存・管理するためのリポジトリサービスである。開発者はここでコードを共有し、変更履歴を追跡できる。そして、そのコードのバージョン管理を行うためのツールが「Git」である。Gitは、ローカルPC上でコードの変更を記録し、それをリモートのAzure DevOps Reposと同期させる役割を担う。つまり、開発者はGitを使って自分のPCとクラウド上のリポジトリ間でコードをやり取りするわけだ。

WebブラウザからはAzure DevOpsのWebポータルに問題なくアクセスできるのに、Gitを使ったコードのプッシュやプル、クローンといった操作で「fatal: unable to access」というエラーが発生することがある。このエラーは、Gitが指定されたリモートリポジトリ(Azure DevOps Repos)に接続できない、または認証に失敗したことを意味する。

この問題の主な原因はいくつか考えられる。一つ目は、GitがOSやWebブラウザのプロxy設定を自動で引き継がないことだ。Gitはデフォルトでは直接インターネットに接続しようとするため、プロキシサーバーの存在を知らないと外部へアクセスできない。二つ目は、プロキシサーバーが認証を必要とする場合、Gitがその認証情報を適切に処理できないケースがある。特に、Windowsの資格情報マネージャー(Credential Manager)が、プロキシサーバーが利用する特定の認証方式(例えばNTLM認証)にうまく対応できないことがある。これにより、Gitからの接続要求がプロキシサーバーによってブロックされてしまう。三つ目は、Git for Windowsのバージョンが古い場合に、既知のバグや互換性の問題で接続がうまくいかないことがある。四つ目は、HTTPS通信で使用されるSSL証明書に関する問題だ。プロキシサーバーがSSL通信を仲介する際に、その証明書が信頼されていないとGitが接続を拒否することがある。

これらの原因に対する対処法は、大きく分けて以下の通りだ。

まず、Gitにプロキシサーバーの設定を明示的に教えてあげる必要がある。これはGitの設定コマンドgit configを使って行う。具体的には、http.proxyhttps.proxyという設定項目に、プロキシサーバーのアドレスとポート番号を設定する。これにより、Gitはプロキシを経由して通信を行うようになる。

次に、プロキシ認証の問題に対処するため、「Git Credential Manager Core(GCM Core)」の導入が非常に有効だ。GCM Coreは、Gitと資格情報マネージャーの間に入り、複雑な認証プロセスを肩代わりしてくれるツールである。これを使うことで、Gitがプロキシサーバーへの認証をスムーズに行えるようになる。GCM Coreは、Git for Windowsのインストーラーに同梱されていることが多いので、最新版のGit for Windowsをインストールする際に選択して導入すると良いだろう。

Git for Windowsのバージョンが古い場合は、最新版にアップデートすることも重要だ。新しいバージョンでは、バグ修正や機能改善が施されており、特にネットワーク接続や認証に関する問題が解決されている場合がある。

SSL証明書の問題に対しては、GitのSSLバックエンド設定を変更するか、信頼できるCA(認証局)の証明書をGitに認識させる必要がある。http.sslBackendをOpenSSLからWindowsの証明書ストアを利用する設定(schannelなど)に変更したり、信頼する証明書ファイルをhttp.sslCAInfoで指定したりする。

場合によっては、プロキシサーバーの認証方式自体を見直す必要があるかもしれない。プロキシサーバーが使用するNTLM認証などの方式が問題を引き起こしている場合、情報システム部門と相談し、よりシンプルで互換性の高い認証方式(例えばBasic認証)に変更してもらうことも一つの解決策となる。しかし、これはネットワーク全体のセキュリティポリシーに関わるため、慎重な検討が必要だ。

さらに、環境変数としてプロキシ設定を行う方法もある。HTTP_PROXYHTTPS_PROXYといった環境変数にプロキシサーバーのアドレスを設定することで、一部のアプリケーションがこれを利用してプロキシ経由で通信できるようになる。ただし、Gitは通常git configの設定を優先するため、この方法は補助的な位置づけとなる。

これらの対処法を一つずつ試していくことで、プロキシ環境下という制約がある中でも、GitとAzure DevOps Reposの間でスムーズにコードを同期できるようになるだろう。システムエンジニアにとって、このようなネットワークの接続問題は日常的に発生する課題であり、その原因を特定し、適切な解決策を見つける能力は非常に重要となる。

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