【ITニュース解説】Beyond Pretty Print: 8 JSON Workflows Using OnTheGoTools’ 20+ Utilities

2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「Beyond Pretty Print: 8 JSON Workflows Using OnTheGoTools’ 20+ Utilities」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

開発で多用するJSONを効率的に扱う無料Webツール群が公開された。データの整形や検証、XMLやExcelへの変換、Javaクラスの自動生成など20以上の機能をブラウザ上で利用できる。インストール不要でデータも外部に送信されず安全だ。

ITニュース解説

システム開発の現場では、プログラム間でデータをやり取りするための標準的な形式としてJSON(JavaScript Object Notation)が広く利用されている。これは、キーと値のペアで構成されるシンプルなテキスト形式であり、プログラムにとっては非常に扱いやすい。しかし、人間が直接その内容を確認したり編集したりする場合、特にデータが複雑で長大になると、その構造を把握するのは困難になることがある。括弧の対応がずれたり、カンマが抜けたりといった些細な記述ミスが、システム全体の不具合につながることも少なくない。こうしたJSONの扱いにくさを解消し、開発者の作業を効率化するために設計されたのが、ブラウザ上で利用できる無料のツール群「OnTheGoTools JSON Suite」である。このツール群は、整形や検証といった基本的な機能から、データ変換、可視化、コード生成まで、JSONに関わる二十種類以上の多岐にわたる機能を提供している。特筆すべきは、すべての処理がユーザーのブラウザ内で完結するクライアントサイドで実行される点だ。これにより、機密情報や個人情報を含むデータを扱う際にも、情報が外部のサーバーに送信される心配がなく、セキュリティを確保しながら安全に利用できる。

具体的な活用方法として、まず挙げられるのがAPIレスポンスのデバッグである。APIは他のシステムから機能やデータを呼び出すための窓口であり、その応答はJSON形式で返されることが多い。しかし、返ってきた生のJSONデータは改行やインデントがなく、一行に連なっているため非常に読みにくい。これを整形ツールにかけることで、階層構造が明確になり、データの内容を瞬時に把握できる。さらに、そのデータをエンジニアでない企画担当者や営業担当者と共有する必要がある場合、JSONをExcel形式に変換する機能が役立つ。これにより、専門知識がないメンバーでも表計算ソフトでデータを確認・分析できるようになる。

次に、設定ファイルの品質を担保するワークフローがある。多くのシステムでは、動作を制御するための設定をJSONファイルで管理している。この設定ファイルに文法的な誤りがあると、システムが起動しなかったり、予期せぬ動作を引き起こしたりする。JSONバリデーター(検証ツール)を使えば、ファイルの記述が正しいルールに従っているかを自動でチェックできる。これをCI(継続的インテグレーション)と呼ばれる開発プロセスの自動化の仕組みに組み込むことで、誤った設定ファイルがシステムに反映されるのを未然に防ぐことが可能だ。

古いシステムとの連携も重要な課題である。過去に構築されたシステムでは、XMLという別のデータ形式が使われていることがある。新しいシステムでこのデータを活用するには、まずXMLをJSONに変換する必要がある。変換ツールを使えば、この作業を簡単に行える。変換後のJSONには、不要な階層や冗長なキー名が含まれていることがあるが、クリーナーツールでこれらを整理し、より洗練されたデータ構造に整えることができる。

品質保証(QA)の段階では、テスト用のサンプルデータ作成が不可欠だ。JSONビューアーツールを用いると、巨大なJSONデータの中からテストに必要な一部分だけを効率的に探し出し、その構造を理解することができる。そして、特定の部分を抜き出してExcel形式に変換すれば、テストケースの入力データとしてそのまま利用したり、テスト結果の証跡としてJiraなどの課題管理ツールに添付したりするのが容易になる。

システムのバージョンアップに伴うAPIの仕様変更を管理する場面でも、このツール群は力を発揮する。差分比較ツールを使えば、変更前と変更後の二つのJSONを並べて、どこが追加・削除・変更されたのかを視覚的にハイライト表示してくれる。これにより、変更点の確認漏れを防ぎ、ドキュメントの更新や修正箇所の特定を正確に行える。さらに、JSONスキーマ生成ツールを使えば、JSONデータの構造、つまり「どのようなキーが存在し、それぞれの値はどのようなデータ型(文字列、数値など)でなければならないか」という設計図を自動で作成できる。このスキーマを定義することで、APIの仕様を厳密に管理し、意図しないデータの混入を防ぐことが可能になる。

バックエンド開発の効率化も期待できる。特にJavaのような静的型付け言語で開発を行う場合、受け取ったJSONデータをプログラム内で扱うためのモデルクラス(データの設計図)を事前に定義しておく必要がある。このクラス定義を手作業で記述するのは非常に手間がかかる作業だが、JSONからJavaクラスを生成するツールを使えば、JSONの構造を解析し、対応するクラスのコードを自動で生成してくれる。開発者は生成されたコードをプロジェクトにコピー&ペーストするだけで済み、開発時間を大幅に短縮できる。

また、複雑なJSONデータに含まれる要素間の関連性を理解するのに役立つのが、グラフ可視化ツールだ。このツールは、JSONの階層構造をノード(点)とエッジ(線)で構成されるグラフとして描画する。これにより、データの全体像や依存関係を一目で直感的に把握することができ、チーム内での認識合わせやドキュメンテーションの際に非常に有効な資料となる。

最後に、デモンストレーションやパフォーマンスが重視される場面での活用法として、ペイロードの圧縮がある。JSONデータには、人間が読みやすくするための改行や空白が含まれているが、これらはプログラムの動作には不要であり、通信データ量を増加させる要因となる。Minifier(圧縮ツール)は、これらの不要な文字をすべて削除し、データサイズを最小化する。ドキュメントには読みやすい整形済みのJSONを記載し、実際の通信では圧縮されたJSONを使用するといった使い分けにより、可読性とパフォーマンスの両立を図ることができる。このように、JSONを扱う様々な開発シーンにおいて、適切なツールを選択し活用することで、作業の正確性と速度を飛躍的に向上させることが可能になる。

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