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【ITニュース解説】Why I'm Building Yet Another Change-Data-Capture Platform: Because Why Not Scratch That Itch?

2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Why I'm Building Yet Another Change-Data-Capture Platform: Because Why Not Scratch That Itch?」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

既存のChange Data Capture (CDC) ツールに課題があるため、筆者はOracleデータベース向けにオープンソースのCDCプラットフォームを自作する。レガシーシステムのデータ変更追跡の難しさを解決し、知的好奇心を満たす挑戦だ。開発過程を公開し、学びを提供する。

ITニュース解説

このニュース記事は、筆者が既存のツールが多数存在するにもかかわらず、なぜ新たにOracleデータベース向けのChange Data Capture (CDC) プラットフォームを自ら構築しようとしているのかについて解説している。このプロジェクトは公開開発として進められ、その過程での挑戦や学びが共有される予定だ。

まず、Change Data Capture (CDC) とは何かを理解する必要がある。CDCは、データベース内で発生したデータの変更(データの追加、更新、削除など)を検知し、その変更情報をリアルタイムに近い形で他のシステムに伝達する技術や仕組みを指す。例えば、オンラインストアで商品の在庫数が変更された際に、その情報を他のサービス(顧客への通知システムや、在庫管理システムなど)に自動的に伝え、対応する処理を起動させるといった用途が考えられる。

なぜ、このようなCDCの仕組みが必要とされるのか。理想的なシステム設計では、データベースに対する全ての変更が一つのサービス(書き込みサービス)を通じて行われ、そのサービスが変更内容を「イベントバス」と呼ばれる共通の伝達経路を通じて他のサービスに通知することが望ましい。これにより、システム全体の整合性を保ちながら、各サービスが必要な変更情報を効率的に受け取ることができる。

しかし、現実のシステムは常に理想通りではない。特に長期間運用されてきた「レガシーシステム」では、複数のサービスが直接データベースに書き込みを行ったり、あるいは外部のベンダーが提供するシステムがデータベースを操作したりすることが一般的だ。これらのシステムでは、データベースへの変更が発生した際に、その変更をイベントとして他のシステムに通知するような機能を、それぞれのサービスに後から追加することは非常に困難となる。それぞれのコードベースに手を加え、連携部分を実装するのは非効率的で、膨大な時間と労力を要する。さらに、サードパーティ製のシステムの場合、コードの改修が不可能であることも多い。

このような状況において、最も確実な解決策が、変更の「発生源」であるデータベース自体を監視することだ。データベースに何らかの変更が加えられた瞬間に、その変更を直接データベースから検知し、イベントとして取り出す。これがCDCの基本的な考え方であり、多数の書き込みサービスが存在する複雑なシステムにおいて、変更情報の伝達を効率的かつ確実に実現する手段となる。

筆者が今回ターゲットとしているのはOracleデータベースだ。多くの企業、特に大規模なシステムを運用する企業では、その堅牢性や信頼性からOracleデータベースが長年利用されてきた。そのため、既存のレガシーシステムの中核にOracleが据えられているケースは非常に多い。しかし、OracleでのCDC実装は一筋縄ではいかない側面がある。Oracle自体もGoldenGateやXStreamといったCDCのための強力な有償ソリューションを提供しているが、これらのライセンス費用は非常に高額であり、予算の限られたスタートアップ企業や個人開発者にとっては現実的な選択肢とはならない。

そこで筆者は、この課題を解決するために、自身の手でオープンソースのCDCプラットフォームを構築するという道を選んだ。このプラットフォームは、Oracleデータベースに特化しつつ、エンタープライズグレードの機能と高い拡張性を持つことを目指している。既存のツールが持つ限界や、特定の高価なソリューションに依存しない、よりアクセスしやすい選択肢を提供することが目的だ。これは、開発者ならではの純粋な「知的好奇心」が原動力となっている。

このブログシリーズでは、筆者がこのCDCプラットフォームをゼロから構築していく過程が詳細に解説される。システム設計における重要な意思決定、例えばなぜ特定のアーキテクチャを選び、他の選択肢を退けたのか、といった論理的な背景が説明される。また、使用するフレームワークやライブラリの選定基準、それぞれの利点と欠点についても深く掘り下げられる。特定のデザインパターンがどのように適用されるか、そして機能的な要求(データの変更を正確に捉える)と非機能的な要求(システムの拡張性、信頼性、パフォーマンスなど)の間で発生するトレードオフに、筆者がどのように向き合っていくのかが示される。

開発の過程では、予期せぬ問題や困難に直面することも避けられない。特にOracleデータベース特有の振る舞いや制約が、開発の障壁となることも想定される。筆者は、そうした「壁にぶつかった瞬間」や、当初の想定が外れた失敗談も含めて、正直に共有すると述べている。具体的なコードスニペットや設計図、そして率直な開発の現状が提供されることで、読者は机上の空論ではない、実際のシステム開発のリアルな側面を学ぶことができるだろう。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、このような実践的なプロジェクトの公開は、教科書やチュートリアルだけでは得られない貴重な学びの機会となる。既存のツールをただ使うだけでなく、なぜそのツールが作られたのか、どのような課題を解決しようとしているのか、そしてもし既存ツールで解決できない場合にどうすればよいのか、といった本質的な思考プロセスを学ぶことができる。また、大規模なシステム開発で避けて通れない設計の選択、技術的な判断、そしてそれらの背後にあるトレードオフの考え方を実践的に理解するのに役立つだろう。このシリーズは、単なるツールの使い方ではなく、システムを構築する上での深い洞察と、問題解決へのアプローチを学ぶためのロードマップとなる。

この開発プロジェクトはまだ始まったばかりであり、最初のステップとして基本的な要件定義や範囲の特定が行われる。読者は、この知的好奇心から生まれた開発の全貌と、その過程で得られるであろう多くの知見を、このブログシリーズを通じて体験することになるだろう。

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