【ITニュース解説】Docker Series — Episode 14: Docker Networking Deep Dive (Bridge, Host, Overlay)
2025年09月05日に「Dev.to」が公開したITニュース「Docker Series — Episode 14: Docker Networking Deep Dive (Bridge, Host, Overlay)」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Dockerのネットワーク機能について解説。コンテナ間通信の基本として、Bridge、Host、Noneの各ネットワークを紹介。Bridgeはデフォルトでコンテナに内部IPを付与し、名前で通信可能にする。Hostはホストのネットワークを共有し、高性能だが分離性はない。Noneはネットワークを完全に無効化。Overlayは複数ホスト間での通信を可能にする。
ITニュース解説
Dockerにおけるネットワークは、コンテナ同士やコンテナと外部の世界との通信を可能にする重要な要素だ。この記事では、Dockerの基本的なネットワークの概念から、具体的なネットワークの種類、そしてそれらの使用例までを解説する。
Dockerネットワークの基本として、Docker内の各コンテナはネットワークを通じて互いに通信できる。Dockerはデフォルトで、コンテナを特定のネットワークドライバに割り当てる。docker network lsコマンドを実行すると、利用可能なネットワークの一覧が表示される。通常、bridge、host、noneという3つのネットワークがデフォルトで存在する。
bridgeネットワークは、特にネットワークを指定せずにコンテナを起動した場合にデフォルトで使用される。このネットワークに接続されたコンテナは、内部IPアドレスを取得し、コンテナ名を使って相互に通信できる。例えば、docker run -dit --name container1 busybox shとdocker run -dit --name container2 busybox shという2つのコンテナを作成し、docker network connect bridge container2を実行すると、container1からcontainer2へ、コンテナ名を使ってpingを実行できるようになる。これは、同一ホスト上で複数のコンテナを連携させる開発環境などで非常に便利だ。
hostネットワークは、コンテナとホストOSのネットワーク環境を共有する。つまり、コンテナはホストのIPアドレスとポートを直接使用する。docker run -d --network host nginxというコマンドを実行すると、NginxコンテナはホストOSのIPアドレスで直接動作する。このネットワークの利点は、ネットワークのオーバーヘッドが少なく、高いパフォーマンスが期待できることだ。ただし、コンテナ間のネットワーク隔離はなくなるため、セキュリティには注意が必要となる。例えば、ホストOSの80番ポートをNginxコンテナが使用すると、他のコンテナは同じポートを使用できなくなる。
noneネットワークは、コンテナのネットワーク機能を完全に無効化する。docker run -dit --network none busybox shというコマンドで起動したコンテナは、インターネットにアクセスできず、他のコンテナとも通信できない。このネットワークは、セキュリティが非常に重要なワークロードや、完全に隔離された環境が必要な場合に適している。例えば、機密性の高いデータを処理するコンテナを、外部からのアクセスを完全に遮断して実行する場合などに利用できる。
overlayネットワークは、複数のDockerホストにまたがるコンテナ間の通信を可能にする。これは、Docker SwarmやKubernetesなどのオーケストレーションツールで使用される。docker swarm initでSwarmモードを初期化し、docker network create -d overlay my_overlayというコマンドを実行すると、overlayネットワークが作成される。このネットワークを使用することで、異なるホスト上で動作するコンテナが、あたかも同じネットワーク上にいるかのように通信できる。これは、大規模な分散アプリケーションを構築する上で非常に重要な機能だ。
コンテナを複数のネットワークに接続することも可能だ。docker network create my_networkで新しいネットワークを作成し、docker run -dit --name app1 --network my_network busybox shでコンテナを起動すると、そのコンテナは作成したmy_networkに接続される。このようにして、特定のコンテナグループ間でのみセキュアな通信を確立することができる。
実際の使用例として、bridgeネットワークは複数のコンテナを使用するローカル開発環境に適している。例えば、Webアプリケーション、データベース、キャッシュサーバーなどをそれぞれコンテナで起動し、bridgeネットワークで連携させることができる。hostネットワークは、監視エージェントなど、高いネットワークパフォーマンスが求められるアプリケーションに適している。noneネットワークは、完全に隔離された環境が必要な場合に利用される。overlayネットワークは、本番環境で複数のホストに分散されたアプリケーションを構築する場合に不可欠だ。
Dockerのネットワーク機能を理解し、適切に活用することで、より効率的かつ安全なコンテナ環境を構築できる。それぞれのネットワークの特性を理解し、用途に合わせて最適なネットワークを選択することが重要だ。