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【ITニュース解説】Feltを使った自動更新される座標付きデータの共有

2025年09月10日に「Qiita」が公開したITニュース「Feltを使った自動更新される座標付きデータの共有」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Feltは、現場で撮影された写真のような座標付きデータを自動更新しながら地理空間的に管理・共有するサービスだ。大量の現場写真データを効率的に整理し、関係者間で共有する課題をFeltが解決する仕組みを紹介する。

ITニュース解説

現場で多くの写真を撮る際、それらが「いつ」「どこで」撮影されたものなのかを後から正確に管理し、関係者間で共有するのは非常に手間のかかる作業だ。特に、建設現場の進捗管理や、広範囲にわたる調査業務など、地理的な情報が不可欠な場面では、どの写真がどの地点と関連しているのかを一目で把握できる必要がある。このような課題に対し、Feltという地図ベースのコラボレーションツールと、最新のクラウドコンピューティングサービスを組み合わせることで、座標情報を持つデータ(写真など)を自動的に管理し、共有できるシステムが構築できる。

Feltは、Googleマップのような地図を基盤として、その上に写真、メモ、線、多角形といった多様な情報を重ねて表示し、関係者と共同で編集できるウェブサービスだ。このツールの大きな魅力は、直感的な操作性で、専門的なプログラミング知識がなくても、地図に情報を追加したり、共有したりできる点にある。現場で撮影される写真には、GPS機能によって撮影場所の座標(緯度経度)が自動的に記録されていることが多い。Feltは、これらの座標情報を読み取り、写真を地図上の正確な位置に表示する機能を持っている。これにより、現場の状況が地図上で視覚的に把握できるようになる。

しかし、写真の枚数が膨大になると、Feltに手動で一つずつアップロードして管理するのは現実的ではない。そこで、クラウドサービスを活用し、データのアップロードからFeltへの反映までの一連の流れを自動化する仕組みが導入される。このシステムでは、主にAmazon Web Services(AWS)の様々なサービスが利用される。

AWS S3は、インターネット上で利用できる大容量のデータ保存サービスだ。写真ファイルや、後に説明する地理空間データ(GeoJSON形式)など、様々なデータを安全に、そしてコスト効率良く保管できる。このシステムでは、Feltにアップロードされたデータや、それに関連する地理空間データをS3に保存する役割を担う。GeoJSONは、地図上の特定の点や線、面といった地理的な特徴をテキスト形式で記述するための標準的なフォーマットで、Feltのような地図サービスがデータを扱う際に広く利用される。

AWS Lambdaは、特定のイベント(出来事)が発生したときにだけプログラムを実行する「サーバーレス」なコンピューティングサービスだ。例えば、「S3に新しいファイルがアップロードされたら、このプログラムを実行する」といった設定が可能だ。これにより、常にサーバーを稼働させておく必要がなく、必要な時だけ処理を実行するため、運用コストを大幅に削減できる。このシステムでは、Feltからの通知(Webhook)を受け取ったり、S3に保存された地理空間データを処理したりする、システムの中核となる自動処理を担う。

AWS API Gatewayは、外部からのリクエスト(FeltからのWebhook通知など)を安全に受け取り、それをLambdaのようなバックエンドのサービスに橋渡しする役割を果たす。Feltで何らかのデータが更新された際、FeltはこのAPI Gatewayを通じてLambdaに通知を送る。Lambdaはその通知を受け取り、次に必要な処理を実行するという流れだ。

AWS CloudFrontは、S3に保存されたデータ(写真やGeoJSONファイルなど)を、世界中のどこからでも高速にユーザーに配信するためのサービスだ。これにより、ユーザーは場所に関わらず、地図データや写真に迅速にアクセスできるようになる。

具体的なデータ連携の流れは、いくつかのパターンが考えられるが、ここではFeltが提供するWebhookとAWSサービス連携による自動更新の仕組みを中心に説明する。ユーザーがFeltの地図に写真などのデータをアップロードしたり、既存のデータを編集したりすると、Feltは内部でそのデータに関連するGeoJSON情報を生成・更新する。同時に、Feltは設定されたWebhookを通じて、AWS API Gatewayを経由してAWS Lambdaに関数実行を通知する。Lambdaは、この通知を受け取ると、GeoJSONデータの内容を解析し、それをS3に保存する。

さらに重要な点として、Feltは外部のデータソースとしてS3に保存されたGeoJSONファイルを直接読み込むことができる機能を持つ。つまり、LambdaがGeoJSONファイルをS3に保存すると、Feltは自動的にそのS3上のGeoJSONファイルを読み込み、地図上に最新の情報を反映させる。この連携により、Feltでのデータ更新、あるいはS3に直接ファイルが配置されるといったアクションが発生するたびに、LambdaがGeoJSONを更新し、S3に保存することで、Feltの地図が常に自動で最新の状態に保たれる仕組みが完成するのだ。

この自動化されたシステムは、現場作業の効率を大幅に向上させる。大量の写真を一つずつ手動で管理・共有する手間がなくなり、関係者は常に最新かつ正確な地理空間情報を確認できる。また、写真データと地図情報が紐づけられることで、現場の状況判断がより迅速かつ正確に行えるようになる。例えば、工事の進捗状況や、災害時の被災状況などを地図上でリアルタイムに把握し、適切な意思決定に役立てることが可能になる。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、このシステムは、複数のクラウドサービスがどのように連携し、データの流れと処理が自動化され、実世界の課題を解決しているのかを理解する良い事例となるだろう。フロントエンドのツール(Felt)とバックエンドのクラウドサービス(AWS S3, Lambda, API Gateway, CloudFrontなど)が一体となって動作する全体像を掴むことで、現代のITシステム開発に不可欠な知識とスキルの一端を垣間見ることができる。イベント駆動型プログラミング、API連携、地理空間データの扱いといった要素は、今後のIT業界で非常に重要な技術となるため、この事例を通じて学ぶことは多い。

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