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【ITニュース解説】生成AIアップデートまとめ(2025/9/1週)

2025年09月12日に「Qiita」が公開したITニュース「生成AIアップデートまとめ(2025/9/1週)」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

AWSは、オンプレミスからクラウドへの移行を評価する「Transform Assessment」を更新した。これにより、オンプレミス環境にある分離ストレージも評価対象に含められる。この機能強化で、AWSへの移行計画をより正確に立てることが可能になり、システムエンジニアがクラウド移行を検討する上で役立つ更新だ。

ITニュース解説

企業がITシステムを運用する上で、近年ますます重要になっているのが「クラウドコンピューティング」という考え方だ。これは、自社で物理的なサーバーやストレージといったIT設備を持つ代わりに、インターネット経由でそれらの資源をサービスとして利用する仕組みを指す。このクラウドの代表的なサービス提供者の一つが、アマゾンウェブサービス、略してAWSである。AWSは世界中の企業に、データ保存、データ処理、ネットワーク構築など、非常に多岐にわたるITサービスを提供している。

多くの企業は、これまで自社で管理してきたITシステムをAWSのようなクラウド環境へと移行する「クラウド移行」を進めている。しかし、長年運用してきたシステムを丸ごとクラウドに動かすのは簡単なことではない。現在のシステムの構成を正確に把握し、移行にかかるコストや期間、技術的な課題などを事前に洗い出す必要がある。このような移行計画の立案を支援するために、AWSが提供しているのが「Transform Assessment」というツールだ。

Transform Assessmentは、企業が現在使っているオンプレミス環境(自社で管理する環境)のITインフラを分析し、AWSへの移行における適合性やメリット、課題を評価してくれる。具体的には、サーバーの性能や利用状況、アプリケーションの種類などを調査し、AWS上のどのサービスに置き換えるのが最適か、移行によってどのくらいのコスト削減が見込めるか、といった情報を提供してくれるものだ。これにより、企業はクラウド移行の戦略をより具体的かつ現実的に立てることができ、無計画な移行による失敗のリスクを減らすことができる。

今回、このTransform Assessmentの機能に「分離ストレージ」が評価対象として含まれるようになったという重要なアップデートがあった。ここで言う「ストレージ」とは、データを保存する場所のことで、パソコンのハードディスクやスマートフォンのメモリのようなものだと考えればよい。企業で使われるストレージは非常に大規模で、顧客情報や製品データなど、ビジネスの根幹をなす大量のデータがそこに保存されている。

一般的なITシステムでは、アプリケーションを動かすサーバーと、そのサーバーが利用するデータが保存されたストレージが一体となっていることが多い。しかし、多くの企業環境、特に大規模なシステムでは、サーバーとは切り離された形で独立して存在するストレージが存在する。これを「分離ストレージ(Detached Storage)」と呼ぶ。例えば、複数のサーバーで共有されるネットワーク接続型のストレージ(NASやSANと呼ばれるもの)などがこれに該当する。これらの分離ストレージは、大容量のデータを効率的に管理したり、複数のサーバーから共通のデータにアクセスしたりするために利用される。

これまでTransform Assessmentでは、主にサーバー本体やその内部に組み込まれたストレージの評価が中心だった。しかし、企業のIT環境においては、ビジネスに不可欠な膨大な量のデータがこの分離ストレージに保存されているケースが非常に多い。これらの分離ストレージは、データの量、アクセス頻度、セキュリティ要件、データの種類など、それぞれに異なる特性を持っている。そのため、クラウドへ移行する際には、サーバー本体の移行とは異なる独自の課題が伴う。例えば、大量のデータを安全かつ効率的にクラウドへ移動させる方法、移行先のAWSのストレージサービス(Amazon S3、EBS、EFSなど)の中からどれを選ぶか、移行後のデータアクセス性能はどうなるか、といったことを詳細に検討する必要がある。

今回のアップデートによって、Transform Assessmentがこの分離ストレージも評価の対象に含めるようになったことは、クラウド移行を検討している企業にとって非常に大きな意味を持つ。これにより、企業はオンプレミス環境にあるITインフラ全体、つまりサーバーだけでなく、独立して存在する重要なデータ基盤である分離ストレージについても、AWSへの移行における影響や最適な移行戦略をより正確に把握できるようになる。

具体的には、分離ストレージに含まれるデータの量や種類、アクセスパターン、現在のコストなどが詳細に分析され、それに基づいて最適なAWSのストレージサービスが提案されたり、移行にかかる総コストや期間の見積もり精度が向上したりする。また、移行時のリスク要因(データ損失のリスク、移行中のシステム停止時間など)も早期に洗い出すことが可能となり、より安全でスムーズなクラウド移行計画を立てられるようになるだろう。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このアップデートは、クラウド移行プロジェクトにおいて、ストレージに関する深い知識がますます重要になることを示唆している。将来、クラウドエンジニアやインフラエンジニアとして活躍したいのであれば、オンプレミスのストレージの種類や特性、そしてAWSが提供する多様なストレージサービス(オブジェクトストレージ、ブロックストレージ、ファイルストレージなど)それぞれの特徴と適切な利用シナリオについて学ぶことが不可欠となる。また、データ移行の技術や、アセスメントツールを使って現状を分析し、最適なクラウド環境を設計するスキルも非常に価値があるものとなるだろう。

このように、AWSのTransform Assessmentの機能拡張は、企業のクラウド移行をより現実的かつ効果的に支援し、システムエンジニアがより高度な専門知識を求められるきっかけとなる、重要な一歩だと言える。

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