【ITニュース解説】Sei "Withdrawal address is invalid" on Kraken
2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「Sei "Withdrawal address is invalid" on Kraken」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
KrakenでSeiを送金する際、「アドレス無効」エラーが出る場合がある。これはKrakenがSeiのネイティブアドレスを使うため、一般的なEVMアドレスと異なるのが原因だ。Sei公式アプリでEVMウォレットを連携し、表示されるネイティブアドレスをKrakenで利用すると解決する。まず少額でテスト送金を推奨する。
ITニュース解説
現在、ブロックチェーン技術は目覚ましい進化を遂げており、次々と新しい種類のブロックチェーンが登場している。その中の一つに「Sei」というブロックチェーンがある。Seiは、特定の用途に特化して設計された「レイヤー1ブロックチェーン」と呼ばれるもので、特に取引の高速化や効率化を目指している点が特徴だ。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような新しいブロックチェーンの特性を理解することは、将来のシステム設計や開発において非常に重要になる。
今回のニュース記事は、このSeiブロックチェーンの利用、特に「仮想通貨取引所KrakenからSeiのトークンを引き出す際」に発生しがちな、ある特定のエラーとその解決策について解説している。具体的には、「withdrawal address is invalid(引き出しアドレスが無効です)」というエラーメッセージが表示される問題だ。この問題は、ブロックチェーンのアドレスに関する基礎的な理解と、Seiブロックチェーン特有の設計思想が関係しているため、初心者にも丁寧に解説していこう。
まず、ブロックチェーンにおける「アドレス」とは何かを理解する必要がある。一般的な銀行口座の口座番号のようなもので、そのアドレスに紐づく形で仮想通貨(トークン)が保管される。このアドレスは、そのブロックチェーンの種類によって様々な形式を持つ場合がある。最もよく知られているのは、イーサリアム(Ethereum)を始めとする多くのブロックチェーンで使われる「EVMアドレス」と呼ばれるものだ。「0x」から始まる英数字の羅列が特徴で、皆さんもメタマスク(MetaMask)やRabbyウォレットといった仮想通貨ウォレットでよく目にするアドレス形式だろう。これらのウォレットは、EVM互換のブロックチェーンであれば、ほぼ共通して利用できる。
しかし、Seiブロックチェーンには、このEVMアドレスとは別に「ネイティブSeiアドレス」という独自のアドレス形式が存在する。ネイティブアドレスとは、そのブロックチェーンが独自に定義している、そのブロックチェーン専用のアドレス形式のことだ。Seiは、EVM互換性を持ちながらも、パフォーマンス向上などのために独自の設計を採用しており、その結果としてネイティブアドレスも存在するという少し複雑な構造になっている。つまり、Seiは「EVMアドレスでも利用できるけれど、本当は自分たちのネイティブアドレスも持っている」という状態なのだ。多くのユーザーはEVMウォレットを使っているため、SeiをEVMアドレスで利用することが一般的だが、Krakenのような一部の取引所では、Seiをネイティブアドレスで扱うことを要求することがある。
これが、「withdrawal address is invalid」エラーの根本原因である。Krakenは、Seiのトークンを引き出す際に、Seiのネイティブアドレスを期待しているのに、ユーザーが慣れている0xから始まるEVMアドレスを入力してしまうと、Kraken側から見れば「無効なアドレスだ」と判断されてしまうのだ。これは、日本の銀行口座に海外の銀行の口座番号を入力しても受け付けてもらえないのと同じような状況だと考えればわかりやすいかもしれない。
では、この問題をどのように解決すれば良いのか。Seiブロックチェーンは、ユーザーの利便性を考慮し、このEVMアドレスとネイティブSeiアドレスを「連携」させる仕組みを提供している。つまり、ユーザーのEVMアドレスと、それに紐づくネイティブSeiアドレスが、Seiのシステム上で紐付けられているのだ。
この連携されたネイティブSeiアドレスを確認するには、Seiの公式アプリケーション(app.sei.io)にアクセスする必要がある。ここに、普段使っているEVMウォレット(Metamask、Rabby、Phantomなど)を接続してログインすると、自分のEVMアドレスに紐づいたネイティブSeiアカウントアドレスが表示される仕組みになっている。システムエンジニアの視点で見れば、これは、あるユーザーID(EVMアドレス)に対して、複数のサービスID(ネイティブSeiアドレス)をマッピングしているようなものだ。この情報を利用すれば、Krakenが要求するネイティブSeiアドレスを正しく入力できるようになる。
解決策は以下の手順になる。まず、ウェブサイト「app.sei.io」にアクセスし、自身が普段Seiを利用しているEVMウォレットを接続してログインする。ログインすると、画面上に自分のEVMアドレスと、それに対応するネイティブSeiアドレスが表示されるので、このネイティブSeiアドレスをコピーする。そして、KrakenでSeiの引き出しを行う際に、このコピーしたネイティブSeiアドレスを宛先として指定すれば、エラーは解消されるはずだ。
ただし、ブロックチェーンの世界では、一度送金を実行してしまうと取り消しが非常に困難であるため、常に慎重な対応が求められる。特に、このようなアドレス形式に関する問題で初めての送金を行う際には、細心の注意を払うべきだ。そのため、ニュース記事でも推奨されている通り、まずは「少額のSeiをテスト送金」することをおすすめする。少額を送金してみて、それが自分のEVMウォレット(例えばRabbyウォレットなど)で正しく受け取れていることを確認できれば、安心して残りの金額を送金できるだろう。このテスト送金は、システム開発における「結合テスト」や「受け入れテスト」のようなもので、システムが意図した通りに機能するかを実際に試す重要なプロセスだ。
Seiブロックチェーンはまだ新しい技術であり、今後も発展していくことが予想される。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような新しい技術動向を常に追いかけることは非常に重要だ。ニュース記事の最後に紹介されている「https://welcome.symph.ag/」のような初心者向けのウェルカムページも、新しいブロックチェーンエコシステムに触れる良い機会となる。このページでは、他のブロックチェーンの通貨からSeiへの「スワップ」(異なる種類の仮想通貨を交換すること)機能や、Seiエコシステム内のトークンを扱うためのDEX(分散型取引所)との統合が提供されており、Seiの世界に足を踏み入れるための有用なツールが揃っている。
今回の「withdrawal address is invalid」エラーの問題は、一見すると単純なアドレス入力ミスのように見えるが、その背景には、ブロックチェーンのEVM互換性とネイティブアドレスの併存という、Seiの複雑な設計思想が隠されている。システムエンジニアとして、このような「なぜそのような仕組みになっているのか」という本質的な部分を理解しようと努める姿勢が、問題解決能力や新しい技術への適応力を高める上で非常に役立つだろう。新しい技術がもたらす利便性の裏には、時にこのような学習や理解を必要とする複雑さが存在することを覚えておこう。