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【ITニュース解説】lessmsi

2025年09月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「lessmsi」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Windowsのインストーラーファイル(.msi)の中身を確認するツール「lessmsi」。MSIファイルに含まれるプログラムの構成要素やファイル一覧を簡単に表示し、インストーラーの内部構造を理解するのに役立つ。システム開発やトラブル解決で活用できる。

出典: lessmsi | Dev.to公開日:

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、Windows環境でのソフトウェアのインストールや管理は避けて通れないテーマだ。通常、ソフトウェアのインストールはインストーラーを実行するだけで完了するが、その裏側で何が起きているのか、具体的にどのようなファイルがどこに配置されるのかを知ることは、システムを深く理解し、将来的にトラブルシューティングやシステム構築を行う上で非常に役立つ。

Windowsでは、ソフトウェアのインストーラーの多くが「MSIファイル」という形式で提供されている。MSIは「Microsoft Windows Installer」の略で、単なる実行ファイルではなく、ソフトウェアのインストール、変更、削除に必要なすべての情報が構造化された形で含まれているパッケージだ。しかし、このMSIファイルの中身を直接確認する方法は、一般的なユーザーにはあまり知られていない。

そこで登場するのが「lessmsi」というツールだ。この記事で紹介されているlessmsiは、WindowsのMSIファイルの中身を詳細に分析し、その内容を表示するためのコマンドラインツールである。例えるなら、MSIファイルという箱の中に何が入っているのかを、箱を開けずに確認できる虫眼鏡のようなものだ。macOS環境では、同様の目的でpkgutilというコマンドが使われることがあるが、lessmsiはそのWindows版と考えると理解しやすいだろう。

lessmsiの使い方は非常にシンプルだ。提示されたコマンド例を見てみよう。 lessmsi.exe l -t Component Mozc64.msi\Mozc64.msi これは、lessmsi.exeという実行ファイルに対して、いくつかの指示を与えている。 まず、「l」は「list」の略で、MSIファイルに含まれる情報を一覧表示するよう指示している。 次に、「-t Component」は、表示する情報の種類を「Component(コンポーネント)」に限定するオプションだ。MSIファイルには様々な種類の情報が格納されているが、ソフトウェアを構成する個々の要素を表す「コンポーネント」は、システムエンジニアにとって特に重要な情報の一つとなる。 そして、「Mozc64.msi\Mozc64.msi」は、解析対象のMSIファイルの名前とパスを指定している。この例では、日本語入力システム「Mozc」の64ビット版インストーラーを対象としていることがわかる。

このコマンドを実行すると、Mozc64.msiに含まれるコンポーネントの一覧が、表形式で出力される。出力結果の各列は、コンポーネントに関する詳細な情報を示している。

  • Component: これは、そのコンポーネントの識別名だ。具体的なファイル名や機能名が付けられていることが多い。
  • ComponentId: 各コンポーネントに割り当てられる、システム全体で一意なGUID(Globally Unique Identifier)である。Windowsインストーラーがコンポーネントを一意に識別し、適切に管理するために使用する。
  • Directory_: このコンポーネントがインストールされるターゲットディレクトリを示している。例えば「MozcDir」はMozcの主要なファイルが配置されるディレクトリ、「DocumentsDir」はドキュメントファイルが配置されるディレクトリ、といった意味合いだ。
  • Attributes: コンポーネントの振る舞いを制御する属性値で、インストールの際にどのように処理されるかを示す。
  • Condition: コンポーネントがインストールされるための条件式だ。特定のOSバージョンや、別のソフトウェアの存在など、様々な条件が記述されることがある。
  • KeyPath: そのコンポーネントの「キー」となるファイルやレジストリのエントリを示す。Windowsインストーラーは、このKeyPathで指定された要素の存在を確認することで、コンポーネントが正しくインストールされているかどうかを判断する。

出力結果に示されている具体的なコンポーネントを見てみよう。 例えば、「MozcConverter」や「MozcCacheService」は、それぞれmozc_server.exemozc_cache_service.exeといった実行ファイルをKeyPathとして持ち、Mozcの中核となる機能を提供していることがわかる。 また、「msvcp140」や「vcruntime140」は、それぞれmsvcp140.dllvcruntime140.dllというDLLファイルをKeyPathとして持つ。これらはMicrosoft Visual C++のランタイムライブラリで、多くのWindowsアプリケーションがC++で開発されており、その実行に必要となる共通の部品だ。 さらに、「Qt5CoreDll」「Qt5GuiDll」「Qt5WidgetsDll」は、それぞれQt5Core.dllQt5Gui.dllQt5Widgets.dllをKeyPathとする。これらは、グラフィカルなユーザーインターフェース(GUI)を持つアプリケーションを開発するためのフレームワークであるQtの一部だ。MozcがQtを使ってGUI部分が構築されていることが伺える。 SysProcsPrelaunchProcessesのようなコンポーネントは、インストール中に実行されるカスタムアクションやスクリプトに関連している可能性があり、より高度なインストールの制御を行っていることが示唆される。

このようにlessmsiを使うことで、MSIインストーラーが単にファイルをコピーするだけでなく、どのようなファイルが、どこに、どのような条件でインストールされ、どのような依存関係を持っているのかを詳細に把握できる。システムエンジニアにとって、これは非常に重要なスキルだ。例えば、特定のソフトウェアがなぜ正常に動作しないのかを調査する際、MSIファイルの中身を確認することで、必要なファイルが不足していないか、予期せぬ場所にインストールされていないかといった原因を特定する手助けとなる。また、独自のインストーラーを作成する際や、既存のソフトウェアの展開計画を立てる際にも、MSIの内部構造を理解していることは大きな強みとなるだろう。lessmsiは、Windowsの奥深くに隠されたインストーラーの秘密を解き明かすための強力なツールであり、システムエンジニアとしての視野を広げる一助となるに違いない。

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