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【ITニュース解説】Microsoft: WMIC will be removed after Windows 11 25H2 upgrade

2025年09月17日に「BleepingComputer」が公開したITニュース「Microsoft: WMIC will be removed after Windows 11 25H2 upgrade」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

マイクロソフトは、Windows 11の25H2アップグレード以降、システム管理コマンドラインツール「WMIC」を削除すると発表した。今後はWMICに依存する既存のスクリプトやツールは動作しなくなるため、代替手段への移行準備が必要となる。

ITニュース解説

Microsoftは、Windowsのシステム管理に長年使われてきたコマンドラインツール「WMIC(Windows Management Instrumentation Command-line)」を、Windows 11 25H2以降のバージョンから削除すると発表した。この変更は、Windowsの運用や自動化に携わるシステムエンジニアや開発者にとって重要な意味を持つ。

WMICとは、「Windows Management Instrumentation」という、Windowsのシステム情報を一元的に管理する基盤に、コマンドライン(文字を入力して操作する画面)からアクセスするためのツールだ。Windows Management Instrumentation(WMI)は、パソコンに搭載されているハードウェア情報(CPUの種類、メモリ容量、ディスクドライブなど)、ソフトウェア情報(インストールされているプログラム、サービスの状態など)、ネットワーク設定、実行中のプロセスといった、Windowsの内部に存在するあらゆる情報を扱うための標準的な仕組みである。

通常、これらの情報はWindowsの「設定」アプリや「タスクマネージャー」「デバイスマネージャー」などのグラフィカルな画面(GUI)を通じて確認できる。しかし、GUIでの操作は、個々の情報を確認するのには便利だが、多数のパソコンから同じ情報をまとめて取得したり、特定の条件に基づいて情報をフィルタリングしたり、定期的に情報を取得して自動的にレポートを作成したりといった、システム管理者が行うような複雑な作業には向いていない。

WMICは、そのような状況で大きな力を発揮してきた。例えば、「wmic cpu get Name,NumberOfCores」とコマンドを入力すれば、CPUの名前とコア数をすぐに確認できる。「wmic process get Name,ProcessID」と入力すれば、現在実行中のすべてのプロセス名とそのIDを一覧表示できる。また、「wmic product get Name,Version」と入力すれば、インストールされているソフトウェアの名前とバージョンの一覧を取得することも可能だ。これらのコマンドは、バッチファイル(複数のコマンドを連続して実行するためのファイル)やスクリプト(プログラムのように一連の処理を自動化するためのテキストファイル)に組み込むことで、システムの状態監視、トラブルシューティング、インベントリ収集(資産管理のための情報収集)といった多様な自動化を実現してきた。そのため、多くのシステムエンジニアが日々の業務でWMICを利用してきた経緯がある。

では、なぜMicrosoftはこのWMICを削除するのだろうか。主な理由は、WMICが比較的古い技術に基づいていることと、Microsoftがより新しく、強力で、多機能なシステム管理ツールとして「PowerShell」を推奨・推進しているためである。

PowerShellは、Windowsのシステム管理と自動化のためにMicrosoftが開発したコマンドラインシェルとスクリプト言語だ。PowerShellは、WMICが提供するWMIへのアクセス機能だけでなく、レジストリ、ファイルシステム、サービス、イベントログ、Active Directoryといった、Windowsのあらゆる要素をコマンドラインから操作できる能力を持つ。つまり、PowerShellはWindows管理の「万能ツール」とも言える存在なのだ。

PowerShellには、WMICと同じようにWMIの情報を操作するための「WMIコマンドレット」や、より新しい管理技術であるCIM(Common Information Model)に対応した「CIMコマンドレット」が用意されている。コマンドレットとは、PowerShellで特定の機能を提供する小さなコマンドの単位を指す。例えば、WMICでCPU情報を取得していた処理は、PowerShellでは「Get-WmiObject -Class Win32_Processor」や「Get-CimInstance -ClassName Win32_Processor」といったコマンドレットに置き換えられる。

Microsoftは、このようにPowerShellをWindowsシステム管理の中心に据えることで、複数の異なるツールや技術が混在する状況を整理し、より統一されたモダンな管理環境を提供しようとしている。古いWMICツールを削除し、機能が重複するPowerShellへの一本化を進めることで、管理の一貫性が向上し、将来的な機能拡張やセキュリティ強化もより効率的に行えるようになることが期待される。これは、技術の進化に伴い、古いものから新しいものへと置き換わっていくIT業界の自然な流れとも言える。

このWMICの削除がもたらす影響は決して小さくない。最も直接的な影響は、WMICコマンドを利用して作成された既存のスクリプトやバッチファイルが、Windows 11 25H2以降のバージョンでは動作しなくなることだ。もしあなたが管理しているシステムや開発しているアプリケーションの中でWMICを利用している箇所があるなら、それらを特定し、PowerShellのWMIコマンドレットやCIMコマンドレットを用いた新しいコードに書き換える必要がある。これは、システム管理者や開発者にとって、システムの移行計画やアップグレード作業において、重要な検討事項となる。

また、古いバージョンのWindows OSでは引き続きWMICが利用可能だが、今後を見据えると、PowerShellベースの管理方法に段階的に移行していくのが賢明な選択となるだろう。この変更は、単に一つのツールが使えなくなるというだけでなく、Windowsシステムの自動化と管理のあり方そのものを見直す良い機会となる。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、このニュースはPowerShellの重要性を改めて認識するきっかけとなるだろう。PowerShellは、現代のWindowsサーバーやクライアントOSの管理において、不可欠なスキルの一つとなっている。WMICの廃止は、PowerShellの学習と習得がこれまで以上に重要であることを示している。このような技術の変化に柔軟に対応し、常に新しい知識とスキルを身につけていく姿勢こそが、これからのITプロフェッショナルには求められる。Microsoftの今回の発表は、Windows管理の未来がPowerShellにあることを強く示唆していると言える。

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