【ITニュース解説】Next.jsでのURL状態管理を楽にするnuqsの使い方
2025年09月07日に「Zenn」が公開したITニュース「Next.jsでのURL状態管理を楽にするnuqsの使い方」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Next.jsでURLと状態を連携させる際、標準機能では実装が複雑になる。nuqsライブラリを使うと、useStateのように簡単にURLの状態管理が可能。検索フォームやタブ、モーダルなど、多様なUIの状態をURLと同期させ、型安全かつ柔軟な履歴管理を実現する。状態管理を効率化し、UXを向上させたい場合に有効。
ITニュース解説
Next.jsにおけるURL状態管理を効率化するライブラリ、nuqsについて解説する。Next.jsでWebアプリケーションを開発する際、アプリケーションの状態(例えば、検索条件、フィルタ設定、選択されたタブなど)をURLに反映させたいというニーズは頻繁に発生する。これは、特定のURLにアクセスした際に、常に同じ状態を再現できるようにするため、あるいは、現在の状態を他のユーザーと共有できるようにするため、さらには、ブラウザの「戻る」「進む」ボタンで状態を遷移できるようにするために重要となる。
しかし、Next.js標準の機能であるuseSearchParamsやrouter.replaceを使って、これらの要件を直接実装しようとすると、コードが複雑になり、型安全性が損なわれるリスクが高まる。例えば、複数の検索条件をURLに反映させようとする場合、それぞれの条件をURLSearchParamsオブジェクトに追加し、URLを更新する必要がある。この処理を手動で行うと、パラメータの追加、削除、更新のたびに煩雑なコードを書くことになり、エラーが発生しやすくなる。
そこで、nuqsというライブラリが役立つ。nuqsは、ReactのuseStateのようなAPIを提供し、アプリケーションの状態とURLを簡単に同期させることができる。つまり、useStateを使うのと同じように、状態を定義し、その状態が変更されると、自動的にURLが更新される。これにより、開発者はURLの操作に関する煩雑なコードを書く必要がなくなり、アプリケーションのロジックに集中できる。
nuqsの主な利点は以下の通り。
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useStateライクなAPI: React開発者にとって馴染み深い
useStateと似たAPIを提供するため、学習コストが低い。状態を定義し、更新するための関数を受け取るというシンプルな構造で、直感的に使用できる。 -
型安全: TypeScriptとの連携が考慮されており、URLに反映させる状態の型を厳密に定義できる。これにより、URLパラメータの型が期待される型と一致しないといったエラーをコンパイル時に検出できるため、実行時のエラーを減らすことができる。
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履歴管理: ブラウザの履歴(「戻る」「進む」)を適切に管理できる。これにより、ユーザーがブラウザの履歴を操作した際に、アプリケーションの状態が正しく復元される。
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柔軟性: 様々なユースケースに対応できる柔軟性を持つ。例えば、検索フォーム、フィルタリング、タブ切り替え、モーダルウィンドウなど、Webアプリケーションでよく見られるUI要素の状態をURLに反映させることができる。
具体的な使用例として、検索フォームを考えてみる。検索キーワード、カテゴリー、価格帯といった複数の検索条件をURLに反映させたい場合、nuqsを使用すると、それぞれの条件に対してuseSearchParamsライクなフックを定義するだけで済む。例えば、キーワードの状態を管理するためにuseKeywordというフックを作成し、そのフックが返す状態変数を検索フォームの入力フィールドにバインドする。ユーザーがキーワードを入力すると、自動的にURLが更新され、そのURLを他のユーザーと共有したり、ブックマークしたりすることができる。
また、タブ切り替えの状態をURLに反映させる場合、現在選択されているタブのIDを状態として管理し、そのIDをURLに反映させることで、特定のタブを選択した状態のURLを共有できるようになる。
nuqsは、URLの状態管理を簡素化し、開発者の負担を軽減する強力なツールである。特に、Next.jsで複雑なWebアプリケーションを開発する場合、nuqsを導入することで、コードの可読性と保守性を向上させることができる。システムエンジニアを目指す初心者にとって、nuqsは、Webアプリケーション開発における重要な概念である状態管理を理解し、実践するための良い出発点となるだろう。URLを状態管理の手段として活用することで、よりユーザーフレンドリーで、共有可能なWebアプリケーションを構築できるようになる。