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【ITニュース解説】プロトコーポレーション、データを「Oracle Exadata」に移行--コストも約30%減に

2025年09月16日に「ZDNet Japan」が公開したITニュース「プロトコーポレーション、データを「Oracle Exadata」に移行--コストも約30%減に」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

プロトコーポレーションは、5年間で約3倍に増えた大量のデータを、クラウド型データベース「Oracle Exadata」へ移行した。これにより、ITシステムの運用コストを約30%削減した。データ増加への対応とコスト削減を両立した。

ITニュース解説

プロトコーポレーションは、中古車情報誌「Goo」やWebサイト「Goo-net」などで知られる、カーライフ関連の情報サービスを提供している企業だ。同社は長年にわたり、多種多様な自動車関連情報を収集・蓄積してきた。しかし、Webサイトやスマートフォンアプリの普及、そして情報のデジタル化が進むにつれて、同社が扱うデータの量は急速に膨れ上がった。わずか5年間でデータ量は約3倍にも増加し、システムの運用に大きな課題を突きつけることになった。

データ量が爆発的に増加することは、企業にとって二つの側面を持つ。一つは、より多くの情報を活用できる可能性が広がるポジティブな側面だ。しかし同時に、それを支える情報システムには大きな負荷がかかるというネガティブな側面もある。データが膨大になると、まず既存のデータベースシステムでの処理速度が低下する。例えば、特定の情報を検索しようとしても、以前より時間がかかるようになる。これは、情報が少ない状態であれば迅速に目的のデータにアクセスできるが、情報が膨大になると検索や処理にかかる時間が増大するのと同様だ。さらに、データの保管に必要なストレージ容量も増え、それに伴うコストも上昇する。システムの安定稼働を維持するためのメンテナンス作業も複雑化し、運用にかかる手間と費用も増大する。万が一、システムに障害が発生した場合の影響も大きくなるため、企業はこのようなデータ量の増加にどのように対応するかが重要な経営課題となる。プロトコーポレーションも例外ではなく、こうした課題に直面していた。

そこでプロトコーポレーションが目を付けたのが、「Oracle Exadata」へのデータ移行だった。これは、単にデータを別の場所に移動するのではなく、システム全体の性能とコスト効率を改善するための戦略的な選択だった。Oracle Exadataとは、具体的にどのようなシステムなのだろうか。

まず、データベースについて簡単に説明する。データベースとは、情報を整理して効率的に保管・管理するためのシステムだ。例えば、顧客情報、商品情報、販売履歴など、ビジネスに必要なあらゆるデータをデータベースに格納し、必要なときに素早く取り出したり、分析したりできる。Oracle Databaseは、このデータベースソフトウェアの分野で世界的に広く利用されている製品の一つで、企業の基幹システム(ビジネスの中心となる重要なシステム)で使われることが多い。その特徴は、高い信頼性、堅牢性、そして膨大なデータを高速に処理できる能力にある。

Oracle Exadataは、このOracle Databaseの性能を最大限に引き出すために、ハードウェア(物理的なサーバーやストレージ)とソフトウェア(データベースソフトウェアや専用の管理ツール)が一体となって設計された統合システムだ。これは、Oracle Databaseという高性能なソフトウェアを、その性能を最大限に引き出すために専用に設計されたハードウェアと組み合わせることで、個別の要素を単体で使うよりもはるかに高い処理能力を発揮する仕組みだ。通常のサーバーにOracle Databaseを導入するよりも、Exadataではデータ処理が格段に速くなる。これは、データを処理する部分(CPU)とデータを保存する部分(ストレージ)の間で、不要なデータ転送を減らし、処理を効率化する仕組みが組み込まれているからだ。結果として、複雑なデータの検索や分析、大量データの書き込みといった処理が驚異的なスピードで行えるようになる。

さらに、プロトコーポレーションは、このOracle Exadataを「クラウド」上で利用する形態を選んだ。これまでの企業の情報システムは、自社でサーバー機器を購入し、自社のデータセンター内で運用する「オンプレミス」と呼ばれる方式が主流だった。しかし、オンプレミスでは、機器の購入費用や設置費用、電力費用、そして機器の故障対応やメンテナンスなどの運用費用が全て自社の負担となる。また、急なデータ量の増加に対応するために、あらかじめ余分な機器を用意しておく必要があり、無駄が生じることもあった。

一方、クラウドサービスは、インターネットを通じて情報システムの機能を提供するサービスだ。自社でサーバーを持つのではなく、クラウドサービスを提供する事業者(この場合はOracle)のデータセンターにあるシステムを、必要な分だけ利用する形になる。Oracle Exadata Cloud Serviceを利用することで、プロトコーポレーションは、Exadataの高い性能を享受しつつ、自社でハードウェアの購入や保守、運用に手間をかける必要がなくなる。これは、自社でサーバー機器を購入・保有するのではなく、必要な時に必要な分だけ高性能な情報システムをサービスとして利用する形態に似ている。これにより、システムの運用管理にかかる負担を大幅に軽減できる。また、データ量が増加した場合でも、クラウドの柔軟性を利用して必要なリソースを迅速に増やすことが可能になるため、将来的な成長にも対応しやすいというメリットがある。

プロトコーポレーションがOracle Exadata Cloud Serviceに移行した結果、システム運用にかかるコストを約30%削減することに成功したという。このコスト削減は、いくつかの要因によって実現されたと考えられる。まず、前述したように、自社で高価なサーバー機器を購入・保守する必要がなくなったこと、そして運用管理作業が大幅に軽減されたことが大きい。クラウドサービスでは、ハードウェアの故障対応やソフトウェアの更新といった手間は、サービス提供側が担うため、企業はその分の人件費や管理費用を削減できる。

次に、Exadataの高性能によってシステム全体の効率が向上したことも見逃せない。データ処理が高速化されることで、これまで長時間かかっていたバッチ処理(大量のデータをまとめて処理する作業)の時間が短縮され、システムリソース(CPUやメモリなど)の利用効率が高まる。同じ量のデータを処理するのに必要な時間が短くなれば、それだけシステム稼働時間が短くなり、結果として電気代などの運用コストも抑えられる。また、Exadataにはデータの圧縮機能なども備わっており、同じ容量のストレージにより多くのデータを効率的に格納できるようになるため、ストレージコストの削減にも貢献する。さらに、データ処理が高速になることで、システム開発やデータ分析のサイクルも短縮され、ビジネス全体のスピードアップにも繋がる。

このように、プロトコーポレーションの事例は、データ量の増加という現代的な課題に対し、最新のテクノロジーであるOracle Exadataとクラウドサービスを組み合わせることで、システムの性能向上と大幅なコスト削減を両立できることを示している。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、これは、データ管理、データベース技術、クラウドコンピューティングといった分野が、現代の企業経営においていかに重要であるかを示す具体的な事例と言えるだろう。データは企業の重要な資産であり、そのデータをいかに効率的に、そしてコストを抑えて管理・活用するかが、これからのビジネスを左右する鍵となる。

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