【ITニュース解説】I Tried Recreating a Mobile App in React Native in Just One Week
2025年09月13日に「Medium」が公開したITニュース「I Tried Recreating a Mobile App in React Native in Just One Week」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
React Nativeでモバイルアプリを1週間で再現する挑戦。限られた時間で大きな目標に挑む開発の難しさや、その結果が具体的に報告されている。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す皆さんにとって、モバイルアプリ開発は魅力的な分野の一つだろう。今回取り上げる記事は、そんなモバイルアプリ開発の世界で、ある開発者がわずか1週間という短期間で既存のモバイルアプリのユーザーインターフェース(UI)をReact Nativeという技術を使って再現しようと奮闘した記録だ。この挑戦は、目標設定の重要性、技術的な課題、そして短期間での開発の現実について多くの学びを与えてくれる。
まず、React Nativeとは何かを理解しよう。React Nativeは、Facebookが開発したオープンソースのフレームワークだ。これを使うと、JavaScriptというウェブ開発で広く使われているプログラミング言語を使って、iOS(iPhoneなどで使われるAppleのOS)とAndroid(多くのスマートフォンで使われるGoogleのOS)の両方に対応するモバイルアプリを開発できる。通常、iOSアプリを作るにはSwiftやObjective-C、Androidアプリを作るにはJavaやKotlinといった異なる言語と環境が必要になる。しかし、React Nativeを使えば、一度書いたコードを両方のプラットフォームで動かすことが可能になり、開発コストや時間を大幅に削減できるという大きなメリットがある。
記事の筆者は、人気のあるフードデリバリーアプリのUIをターゲットに選んだ。これを1週間でReact Nativeを使って再現するという目標は、非常に野心的だ。開発を始めるにあたり、筆者はまず開発環境のセットアップを行った。React Nativeには「Expo CLI」というツールチェーンがあり、これを使うと、ネイティブコード(OS固有のコード)を直接書くことなく、手軽に開発を始められる。これは特に初心者にとって大きな助けとなる。プロジェクトを作成し、エミュレーターや実際のスマートフォンにアプリを表示させるところまでがスムーズに進むため、すぐにUIの構築に取り掛かれるのだ。
UIの再現は、記事の核となる部分だ。React Nativeでは、アプリの画面を「コンポーネント」という小さな部品の組み合わせとして考える。例えば、ボタン、テキスト、画像、画面全体など、それぞれが独立したコンポーネントとして機能する。筆者は、ターゲットアプリのスクリーンショットをじっくりと分析し、その画面がどのような部品で構成されているのかを特定していった。そして、それらの部品をReact Nativeの基本的なコンポーネント(View、Text、Imageなど)を使ってコードで表現し、レイアウトを構築していく。
レイアウトの構築には「Flexbox」という考え方が非常に重要になる。Flexboxは、ウェブ開発のCSSでも使われる概念で、コンポーネントをどのように配置し、サイズを調整するかを柔軟に指定できる。縦方向に並べる、横方向に並べる、中央に配置する、均等にスペースを配分するなど、複雑な画面デザインもFlexboxを使いこなすことで実現できるのだ。筆者は、このFlexboxを駆使して、ヘッダー、商品リスト、フッターなどの要素を配置し、ターゲットアプリの外観を再現しようと試みた。
しかし、1週間という期間の中で、筆者はいくつかの大きな課題に直面した。特に難しかったのは、複雑なUI要素の再現だ。例えば、アコーディオンメニュー(クリックすると内容が開閉するメニュー)や、複数の項目を横にスワイプできるカルーセル表示、さらには滑らかなアニメーションといった要素は、簡単なコンポーネントの組み合わせだけでは実現が難しい。これらの要素を忠実に再現するには、既存のライブラリを探して利用するか、あるいは自分で一から複雑なロジックとアニメーションコードを書く必要があり、いずれも多くの時間を要する。筆者は、シンプルなものであれば再現できたものの、既存のアプリが持つ洗練された操作感や細かなアニメーションの全てを再現するには、明らかに時間が足りなかったと述べている。
また、アプリは見た目だけでなく、内部でデータを管理し、ユーザーの操作に応じて画面を更新する「状態管理」も重要だ。記事ではUIの再現が主な目的だったため、バックエンドとの連携や複雑なデータ処理は行われなかったが、React Nativeには「useState」のようなフック機能があり、コンポーネント内で一時的なデータを保持し、そのデータが変更されたときに自動的にUIを更新する仕組みが用意されている。これは、アプリが「生きている」ように見せるために不可欠な要素だ。
開発中の効率性も、筆者が言及している点だ。React Nativeには「ホットリロード」や「Fast Refresh」といった機能がある。これは、コードを変更すると、アプリ全体を再起動することなく、変更された部分だけがすぐに画面に反映される機能だ。これにより、開発者はUIの微調整を非常に迅速に行うことができ、開発サイクルを大幅に短縮できる。しかし、それでも複雑なUIの調整やデバッグには時間がかかり、1週間のタイムラインでは、全ての目標を達成することは困難だった。
この挑戦を通じて、筆者はいくつかの重要な教訓を得た。一つは、短期間で完璧なものを目指すことの難しさだ。野心的な目標を持つことは重要だが、現実的な時間の制約を考慮し、どの程度まで作り込むかのバランスを見極める必要がある。今回のケースでは、UIの基本的な構造やレイアウトの学習には非常に役立ったものの、細部まで忠実に再現するには、もっと多くの時間と労力が必要だった。これは、システムエンジニアとしてプロジェクト計画を立てる上で非常に重要な視点だ。
もう一つは、既存のアプリを再現する「クローン」作業が、学習プロセスとして非常に有効であるということだ。既にある高品質なデザインを分析し、それをコードに落とし込む過程で、レイアウトの設計、コンポーネントの分割、スタイリングの方法など、実践的なスキルを磨くことができる。特に初心者にとっては、ゼロからアイデアを出すよりも、具体的な目標がある方が学習しやすい場合が多い。
結論として、この1週間の挑戦は、React Nativeの強力なプロトタイピング能力と、短期間で基本的なUIを構築できるスピードを示している。しかし同時に、洗練されたモバイルアプリのUIを完全に再現するには、単なる技術力だけでなく、綿密な計画、十分な時間、そして細部へのこだわりが不可欠であることも教えてくれる。システムエンジニアを目指す皆さんも、何か新しい技術を学ぶ際には、今回のような小さな挑戦から始めてみてはいかがだろうか。そこから得られる実践的な経験は、きっと将来の大きなプロジェクトで役立つはずだ。