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【ITニュース解説】⚛️ React + Shadow DOM & Web Components — Real-World Interop, Styling, Events, and Forms ✨

2025年09月11日に「Medium」が公開したITニュース「⚛️ React + Shadow DOM & Web Components — Real-World Interop, Styling, Events, and Forms ✨」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Reactは人気のある開発技術だが、ウェブ部品を独立させるShadow DOMやWeb Componentsとの連携は複雑な場合がある。この記事は、Reactとこれらの技術がどう連携し、スタイリング、イベント、フォーム処理といった実際の課題をどう解決するかを初心者向けに解説する。

ITニュース解説

Webアプリケーション開発の世界では、多様な技術が登場し、それぞれが異なる目的と強みを持っている。その中でも特に広く使われているのが、高い生産性でインタラクティブなUIを構築できるJavaScriptライブラリであるReactと、Web標準技術として再利用可能なコンポーネントを作るためのWeb Componentsである。これらの技術はそれぞれ独立して非常に強力だが、現代の開発ではこれらを組み合わせて利用したい場面も多い。しかし、両者の設計思想や動作原理の違いから、その連携にはいくつかの「棘のある」部分が存在し、スムーズな相互運用のためには深い理解が必要となる。本解説は、ReactとWeb Components、特にShadow DOM、カスタム要素との連携における課題と解決策について、システムエンジニアを目指す初心者にも分かりやすく説明する。

まず、Web Componentsとは何かを簡単に説明する。Web Componentsは、Web標準技術の集合体であり、開発者が独自のHTML要素を定義し、それを再利用可能にすることを目的としている。主要な要素として、「カスタム要素(Custom Elements)」と「Shadow DOM」がある。カスタム要素は、例えば<my-button>のように、自分で定義したHTMLタグを作り、それらの振る舞いをJavaScriptで記述することを可能にする。これにより、アプリケーション全体で一貫したUI部品を簡単に利用できる。Shadow DOMは、そのカスタム要素の内部構造やスタイルを外部から完全に隔離するための機能である。これにより、コンポーネントの内部が外部のCSSやJavaScriptの影響を受けることなく、また外部に影響を与えることもなく、カプセル化された状態を保つことができる。これは、コンポーネントの再利用性や堅牢性を高める上で非常に重要な仕組みである。

次に、Reactについて解説する。Reactは、宣言的なUIを構築するためのJavaScriptライブラリであり、コンポーネントベースの開発を特徴とする。開発者は、UIを独立した再利用可能な部品(コンポーネント)に分割し、それらを組み合わせて複雑なユーザーインターフェースを構築する。Reactの大きな特徴は「仮想DOM(Virtual DOM)」という概念である。これは、実際のDOM(ブラウザがWebページを描画するためのツリー構造)の軽量なコピーをメモリ上に持ち、状態が変更された際に仮想DOM上で差分を計算し、最小限の変更だけを実際のDOMに適用することで、高いパフォーマンスを実現する。また、HTMLのような記述の中にJavaScriptのロジックを埋め込める「JSX」という記法も、React開発の生産性を高めている。

ReactとWeb Components、特にShadow DOMやカスタム要素を組み合わせて使う場合、いくつかの課題が生じる。Reactで開発されたアプリケーション内でWeb Componentsを使いたい、あるいはWeb Componentsとして作成された既存のコンポーネントをReactプロジェクトに組み込みたいといったシナリオで、その連携の難しさが表面化する。主な課題は、相互運用性、スタイリング、イベント処理、そしてフォームの扱いに集約される。

相互運用性 (Interop) の課題は、Reactがカスタム要素をどのように認識し、どのようにデータをやり取りするかに関わる。Reactは基本的に、標準のHTML要素やReact独自のコンポーネントを前提として動作する。カスタム要素はReactにとっては見慣れない要素であるため、プロパティの受け渡しやイベントリスナーの登録が、通常のReactコンポーネントとは異なる挙動を示す場合がある。例えば、カスタム要素に複雑なオブジェクトをプロパティとして渡す場合、Reactの属性渡しでは文字列として扱われてしまう可能性があるため、直接プロパティを設定するなどの工夫が必要になる。

スタイリング (Styling) は、Shadow DOMがもたらすカプセル化がReactのスタイリング戦略と衝突する可能性を秘めている。Shadow DOMはコンポーネント内部のスタイルを外部から隔離するため、通常のCSSではShadow DOM内部の要素にスタイルを適用できない。これはコンポーネントの独立性を保つ上では良いことだが、アプリケーション全体で統一されたデザインを適用したい場合や、親コンポーネントから子コンポーネントのスタイルを調整したい場合に問題となる。この課題に対しては、CSSカスタムプロパティ(CSS変数)を利用してShadow DOMの境界を越えてスタイル設定を可能にしたり、Shadow Partsという機能を使ってShadow DOM内部の特定の部分に外部からスタイルを適用したりするなどの解決策がある。

イベント (Events) の課題は、Shadow DOMの境界を越えるイベントの伝播に起因する。Shadow DOM内で発生したイベントは、デフォルトではその境界を越えて親要素に伝播しない場合がある。例えば、Shadow DOM内のボタンがクリックされても、Reactでそのクリックイベントを親コンポーネントで直接ハンドリングできないことがある。これは、イベントオブジェクトのcomposedプロパティがfalseに設定されている場合に起こる。解決策としては、カスタムイベントを発火させる際にcomposed: trueを設定してShadow DOMの境界を越えて伝播するようにするか、あるいはShadow DOMのホスト要素(カスタム要素自体)でイベントをリスニングし、それをReactのイベントとして再ディスパッチするといった方法が考えられる。

フォーム (Forms) の扱いは、Web Componentsが標準のHTMLフォーム要素のように振る舞う上で特に複雑な側面を持つ。通常のフォーム要素(<input><select>など)は、フォーム送信時にその値が自動的に含まれる。しかし、カスタム要素がフォームの一部として機能するには、特別な設定が必要である。ElementInternalsインターフェースを介してカスタム要素がフォームと連携できるようにしたり、formAssociated静的プロパティを設定して、カスタム要素がフォームに所属していることを明示したりする。これにより、カスタム要素がフォームのバリデーションに参加したり、フォーム送信時にその値が適切に渡されたりするようになる。Reactのフォーム管理(制御コンポーネントや非制御コンポーネント)と連携させるには、これらのWeb Componentsのフォーム関連APIを理解し、Reactの状態とカスタム要素の内部状態を同期させるロジックを実装する必要がある。

これらの課題は、ReactとWeb Componentsがそれぞれ異なる哲学と実装詳細を持っているために生じるものである。Reactは高度な抽象化を提供し、開発者がDOM操作を直接意識することなくUIを構築できるように設計されている一方、Web Componentsはより低レベルなWeb標準APIを提供し、ブラウザがネイティブにサポートする再利用可能なコンポーネントを作ることに重点を置いている。これらの技術をうまく連携させるためには、それぞれの技術の内部動作を理解し、そのギャップを埋めるための適切なパターンやAPIを適用することが重要である。正しく理解し、実装することで、Reactの強力な開発体験とWeb ComponentsのWeb標準に基づく堅牢な再利用性を両立させ、より効率的で保守性の高いWebアプリケーション開発が可能になるのである。

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