【ITニュース解説】✨React.js Hacks: Part 2 - Next-Level Tricks for Clean & Powerful Code

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「✨React.js Hacks: Part 2 - Next-Level Tricks for Clean & Powerful Code」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

React開発を効率化する5つのテクニックを紹介。useCallback/useMemoで不要な再描画を防ぎ、カスタムフックでロジックを再利用。useReducerで複雑な状態を管理し、lazy/Suspenseで表示を高速化する。よりクリーンで高性能なコードを目指せる。

ITニュース解説

React.jsを用いた開発において、コードをよりクリーンで強力なものにするための高度なテクニックが存在する。これらを習得することは、アプリケーションのパフォーマンスを向上させ、保守性を高める上で非常に重要である。

まず、パフォーマンス最適化において中心的な役割を果たすのがuseCallbackuseMemoという二つのフックである。Reactのコンポーネントは、自身の状態や親から受け取るpropsが変更されると再レンダリング(再描画)される性質を持つ。この再レンダリングのたびに、コンポーネント内の関数や計算処理も再実行される。多くの場合これは問題ないが、子コンポーネントに関数を渡している場合や、非常に負荷の高い計算を行っている場合には、無駄な処理が発生しパフォーマンス低下の原因となる。useCallbackは関数を、useMemoは計算結果を「メモ化」する、つまり記憶しておくためのフックである。これらを使用すると、依存している値が変更された場合にのみ関数や計算を再実行するようになる。これにより、不要な再生成や再計算を防ぎ、特に最適化された子コンポーネントへの不要な再レンダリングを抑制することができる。ただし、これらをむやみに使用すると逆にコードが複雑になるため、明確なパフォーマンス上の問題がある場合に限定して適用することが推奨される。

次に、コードの再利用性を劇的に高める手法としてカスタムフックがある。開発を進めていると、複数のコンポーネントで同じようなロジック、例えばAPIからのデータ取得やウィンドウサイズの監視などを記述することがある。このようなロジックの重複は、コードの肥大化やメンテナンス性の低下を招く。カスタムフックは、こうした共通のロジックをuseから始まる名前の独立した関数として切り出し、再利用可能にするための仕組みである。ロジックをコンポーネントから分離することで、コンポーネント本体はUIの表示に集中でき、コードが非常にシンプルになる。複雑な処理もカスタムフックを一行呼び出すだけで利用できるようになり、開発効率とコードの可読性が大幅に向上する。

また、複雑な状態管理にはuseReducerが有効である。useStateはシンプルな状態管理には非常に便利だが、ローディング状態、データ、エラー情報など、複数の状態が互いに関連し合って変化するような複雑なケースでは、状態更新のロジックが煩雑になりがちである。useReducerは、このような複雑な状態遷移をより体系的に管理するためのフックである。状態更新のロジックをreducerと呼ばれる一つの関数に集約し、dispatchを通じて状態更新の「指示(action)」を送ることで状態を変更する。これにより、状態がどのように変化するかのルールが一元管理され、コードの予測可能性が高まり、テストも容易になる。

propsの渡し方にも工夫がある。親から子へ多くのpropsを渡す際、一つずつ記述するとコードが長くなる。スプレッド構文 {...} を用いると、オブジェクトにまとめられたpropsを一度に子コンポーネントへ渡すことができ、記述を簡潔にできる。しかし、この手法には注意が必要である。意図せず不要なpropsまで渡してしまう危険性があるため、コンポーネントが受け取ったpropsを内部のHTML要素などにそのまま引き渡す役割を持つ場合に限定して使用するべきである。

最後に、アプリケーションの初期表示速度を改善するためのReact.lazySuspenseについて解説する。アプリケーションの規模が大きくなると、すべてのコンポーネントを含むJavaScriptファイルのサイズも増大し、ユーザーがページを開いてから表示されるまでの時間が長くなってしまう。React.lazyは、コンポーネントを必要になった時点で動的に読み込む「遅延読み込み」を実現する機能である。これにより、最初に読み込むファイルサイズを最小限に抑えることができる。そしてSuspenseは、遅延読み込み中のコンポーネントが表示されるまでの間、「読み込み中...」といった代替コンテンツを表示するための仕組みである。この二つを組み合わせることで、体感速度を大幅に向上させ、優れたユーザー体験を提供することが可能になる。

これらのテクニックは、単なる小手先の技ではなく、Reactアプリケーションをより堅牢でスケーラブルなものにするための重要な概念である。適切な場面でこれらを活用することで、開発者としてのスキルを一段階引き上げることができるだろう。

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