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【ITニュース解説】ソフトバンク、日本とシンガポール間の国際海底ケーブル「Candle」の建設に合意

2025年09月22日に「ZDNet Japan」が公開したITニュース「ソフトバンク、日本とシンガポール間の国際海底ケーブル「Candle」の建設に合意」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ソフトバンクはMetaなど複数社と共同で、日本とシンガポールを結ぶ国際海底ケーブル「Candle」の建設に合意した。これにより、両国間のデータ通信の高速化と安定化が期待される。

ITニュース解説

ソフトバンクがMeta Platformsをはじめとする複数の企業と共同で、日本とシンガポールを結ぶ新しい国際海底ケーブル「Candle」を建設すると発表した。このニュースは、私たちが日々利用しているインターネットの裏側で、いかに大規模なインフラ投資が行われているかを示すものであり、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、今後のキャリアを考える上で非常に重要な情報となる。

まず、国際海底ケーブルとは何か、その基本的な役割から説明する。私たちがスマートフォンやパソコンでインターネットを利用するとき、一見すると無線通信で世界中の情報にアクセスしているように思えるかもしれない。しかし、実際には、国と国、大陸と大陸をつなぎ、膨大なデータをやり取りしている主要な通信経路は、海の下に敷設された光ファイバーケーブル、つまり海底ケーブルがその大部分を担っている。これは例えるなら、世界の都市を結ぶ高速道路のようなもので、インターネットという巨大なネットワークの基盤そのものだ。音声通話、動画の視聴、オンラインゲーム、クラウドサービスの利用、すべてがこの海底ケーブルを通じて行われている。

では、なぜ今回、新たな海底ケーブル「Candle」の建設が必要なのだろうか。その理由は、現代社会におけるデータ通信量の爆発的な増加にある。高精細な動画コンテンツの普及、人工知能(AI)の活用、IoT(モノのインターネット)デバイスの増加、そしてビジネスにおけるクラウドサービスの利用拡大など、あらゆる分野でデータが生産され、消費されている。既存の海底ケーブルだけでは、増え続ける通信需要をまかないきれなくなるだけでなく、より高速で大容量、そして遅延の少ない通信が求められるようになっている。

システムエンジニアとしてネットワークやインフラを扱う場合、通信の「遅延」は非常に重要な要素だ。例えば、遠隔地にあるサーバーとデータをやり取りする際に、遅延が大きければレスポンスが悪くなり、ユーザー体験は著しく損なわれる。金融取引や自動運転システムのようなリアルタイム性が求められるサービスでは、わずかな遅延が大きな問題となることもある。新しい海底ケーブルは、最新の光ファイバー技術と設計により、既存のケーブルよりも大幅に高速かつ大容量の通信を提供し、データ伝送の遅延を最小限に抑えることを目指している。

さらに、国際海底ケーブルは一本だけあれば良いというわけではない。複数のルートを確保することは、通信インフラの信頼性を高める上で極めて重要だ。地震や津波、船の錨による切断など、予期せぬ事故によってケーブルが損傷した場合でも、別のルートがあれば通信を継続できる。今回の「Candle」も、既存のルートに加えて新たな選択肢を提供することで、アジア太平洋地域の通信網全体の安定性と冗長性を強化する役割を果たすことになる。システムを設計する上で、単一障害点(SPOF)を作らないという考え方は基本中の基本だが、これは大規模なインフラにも当てはまる。

今回のプロジェクトで日本とシンガポールを結ぶという点にも注目したい。シンガポールは、東南アジアにおける金融ハブであると同時に、データセンターが集中する主要なデータハブの一つだ。また、日本も世界有数のインターネット利用国であり、多くのIT企業がデータセンターを構えている。両国間の通信需要は非常に高く、また、シンガポールを経由してインド、中東、ヨーロッパへと続く通信ルートの一部を形成することから、戦略的にも非常に重要な接続ポイントとなる。

この巨大なインフラプロジェクトには、ソフトバンクだけでなく、Facebookの親会社であるMeta Platforms、日本の通信事業者であるアイ・ピー・エス(IPS)、マレーシアのTM Technology Services、インドネシアのPT XLSmart Telecom Sejahteraといった複数の企業が参加している。これほど大規模なプロジェクトは、一社単独で実現することは難しい。巨額の投資が必要であるだけでなく、敷設や運用に関する技術的なノウハウ、そして何よりも安定した通信需要の確保が不可欠だからだ。Meta Platformsのような大手IT企業が自ら投資を行うのは、自社のFacebookやInstagramといったSNS、VR/ARサービスなど、膨大なデータを扱うサービスの安定的な提供と将来的な拡大のために、自社の通信インフラ基盤を強化したいという強い意図があるからだ。彼らにとって、高速で信頼性の高い国際通信網は、事業の生命線と言える。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このようなニュースは、インターネットがどのような技術とインフラの上に成り立っているかを理解する良い機会となる。データセンターの運用、ネットワークの設計・構築、クラウドサービスの開発など、ITの最前線で働くためには、目に見えないインフラの重要性を深く理解することが求められる。特に、インフラエンジニアやネットワークエンジニアは、このような物理的なインフラとソフトウェアの橋渡しをする重要な役割を担う。今回の「Candle」のようなプロジェクトは、将来のデータ通信需要を見越した大規模な投資であり、今後もこのようなインフラ整備は継続的に行われるだろう。これは、ITインフラ分野での技術者に対する需要が、今後も高い水準で推移することを示唆している。

「Candle」ケーブルが完成すれば、アジア太平洋地域のインターネット接続性はさらに向上し、より高速で安定した通信環境が提供されることになる。これは、私たちの日常生活におけるインターネット利用をより快適にするだけでなく、新たなデジタルサービスの創出や国際ビジネスの活性化にも貢献するだろう。システムエンジニアとして、この大規模なネットワークインフラの一端を担う技術や知識を身につけることは、将来にわたって大きな価値を持つはずだ。

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