【ITニュース解説】Welcome to the era of thin smartphones (whether you want it or not)
2025年09月11日に「Engadget」が公開したITニュース「Welcome to the era of thin smartphones (whether you want it or not)」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Appleが5.6mmの超薄型スマホ「iPhone Air」を発表した。スマホ薄型化の潮流が加速する中、耐久性やバッテリー寿命、カメラの出っ張り、一部機能制限が課題として浮上。軽量性とiOSの機能進化を強みとし、今後のユーザー評価が注目される。
ITニュース解説
最近、スマートフォンの世界で薄型化のトレンドが顕著になっている。その象徴として、Appleから「iPhone Air」という新しいモデルが登場した。これは、サムスンが先行してリリースした「Galaxy S25 Edge」のような薄型スマホの波に続く動きと言える。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような製品の進化は、技術的な課題解決や設計思想を学ぶ良い機会となるだろう。
iPhone Airの最も注目すべき点は、その驚異的な薄さで、わずか5.6ミリメートルしかない。これは、従来のiPhoneと比較しても格段に薄い。価格は999ドルで、ベースモデルのiPhone 17(799ドル)と上位モデルのiPhone 17 Pro(1099ドル)の間に位置する。Appleは過去にも「MacBook Air」でノートパソコンの薄型化を推進し、その結果、多くの軽量ノートパソコンやウルトラポータブルという新しいカテゴリを生み出した。iPhone Airも、このMacBook Airの戦略をスマートフォンに適用したものと見ることができる。しかし、MacBook Airが光学ドライブや多くのポートを廃止してまで薄さを追求したように、iPhone Airも薄型化のためにいくつかのトレードオフを受け入れている可能性がある。
薄型化は魅力的に見えるが、同時にいくつかの課題も生じさせる。特に重要なのが「耐久性」と「バッテリー寿命」の二点だ。
まず耐久性について。薄いデバイスは物理的な衝撃に弱くなりがちだが、AppleはiPhone Airでこの課題に取り組んでいる。フレームには、これまで上位モデルのiPhone Proに採用されていたリサイクルチタンが使われている。さらに、ディスプレイには「Ceramic Shield」という特殊なガラスが採用され、過去のバージョンよりも3倍傷つきにくくなったとされている。これらの素材と構造によって、本体の薄さにもかかわらず、ある程度の堅牢性を確保しようとしているのだ。また、心配なユーザーのために、わずか1ミリメートルの極薄ケースも用意されており、これは本体の薄さを活かしつつ保護を強化する解決策と言える。
次にバッテリー寿命の課題がある。スマートフォンが薄くなれば、その分、内部に搭載できるバッテリーのスペースも少なくなる。AppleはiPhone Airの内部設計を工夫し、「バッテリーのためのスペースを最大限に確保した」と主張しているが、具体的なバッテリー容量は公表していない。しかし、「終日バッテリー駆動が可能」とアナウンスされており、これが実際の使用でどこまで実用的なのかが注目される。さらに、AppleはiPhone Airのビデオ再生時間を最大40時間まで延長できる99ドルのMagSafe充電パックも発表している。しかし、この充電パックがスマートフォンのカメラユニットよりも厚いように見える点は興味深い。もし充電パックを装着すると、その全体像は「超薄型スマートフォン」というコンセプトから離れ、「カメラが一つしかないiPhone 17」と大差なくなる可能性も指摘されている。これは、薄型化のメリットと、それによって生じる実用上の妥協点を示していると言えるだろう。
薄型化のもう一つの側面として、カメラモジュールの存在がある。本体が薄くても、高性能なカメラを搭載するには、どうしてもある程度の厚みが必要になる。例えば、サムスンのGalaxy S25 Edgeは本体厚が5.8ミリメートルだが、カメラ部分を含めると約10ミリメートルにもなる。iPhone Airも本体は5.6ミリメートルと薄いが、カメラ部分はかなり出っ張っており、画像を見る限り、本体の2倍近い厚みがあるようにも見える。このような「カメラの出っ張り」は、薄型化を追求する上での避けられない課題であり、デザインと機能のバランスを取る難しさを示している。
機能面では、iPhone AirがMacBook Airほど世界に革命を起こすかは不透明だ。確かに技術的なアップグレードは施されているが、例えばUSB-Cポートは引き続き搭載されており、初期の噂にあったようなポートレス化は実現しなかった。また、カメラは一つで、望遠レンズのような機能は搭載されていないとみられる。これは、写真を撮る際の選択肢や表現の幅を制限する可能性もある。一方で、サムスンのS25 Edgeは200メガピクセルの高解像度カメラを搭載することで、デジタルズーム時の画質の劣化を抑え、望遠レンズの代わりとなるようなアプローチを取っている。AppleはiPhone Airのカメラで高品質な写真を撮れると主張するだろうが、多機能性という点では限界があるかもしれない。
現在のスマートフォンの進化は、ハードウェアの大きな変革よりも、ソフトウェアによる機能追加や改善が中心になっている。iPhone Airも、最新の「iOS 26」の機能をフルに活用できるだろう。軽量でポケットに収まりやすいという薄型スマホのメリットは、日常使いにおいて確かに魅力的な点だ。
薄型スマートフォンの課題である耐久性やバッテリー寿命について、Appleは様々な対策を講じているが、それが実際にどの程度効果を発揮するかは、発売後のユーザーの長期的な使用を通じて明らかになるだろう。しかし、サムスンのGalaxy S25 Edgeの例を見ても、薄型化によるデメリットがあったとしても、必ずしも悪いスマートフォンになるとは限らない。むしろ、その軽量性や薄さが高く評価され、他のモデルよりも優れた選択肢となる可能性も秘めている。iPhone Airの価格設定は戦略的であり、薄型で軽量なスマートフォンを求める層に響く可能性は十分にある。