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【ITニュース解説】XFN – XHTML Friends Network (2003)

2025年09月08日に「Hacker News」が公開したITニュース「XFN – XHTML Friends Network (2003)」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

2003年に登場したXFN (XHTML Friends Network)は、XHTMLを使ってWebページ上でブログの著者やコメント投稿者間の友人関係を標準的に記述する技術だ。ウェブ上の人間関係を機械が理解し、活用できるための仕組みである。

出典: XFN – XHTML Friends Network (2003) | Hacker News公開日:

ITニュース解説

XFN(XHTML Friends Network)は、2003年に登場した、Webサイト上のリンクに「意味」を持たせるためのシンプルな仕組みだ。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、これはWeb技術の進化の一端を理解する良い入り口となるだろう。当時のWebは、今ほど人々のつながりを意識したものではなく、情報提供が中心だった。そんな中で、Webページに記述されたリンクが、単なる参照先を示すだけでなく、そのリンク先の人物との「関係性」まで表現できたら、Webはもっと豊かになるのではないか、という発想からXFNは生まれた。

具体的にXFNがどう機能するかというと、HTMLのaタグ、つまりリンクを張る際に使う要素の中に、rel属性というものを用いる。このrel属性は、リンク先のドキュメント(ページ)と現在のドキュメントとの関係性を示すための標準的な属性だ。XFNは、このrel属性の値に、特定のキーワード(プロファイル)を付与することで、Webページ作成者とリンク先の人物との個人的な関係性を表現できるようにした。例えば、<a href="https://example.com/friend" rel="friend">友人のサイト</a>と記述すれば、そのリンク先の人物は友人である、という意味になる。他にもrel="acquaintance"(知人)、rel="contact"(連絡先)、rel="met"(会ったことがある)、rel="co-worker"(同僚)など、様々な関係性を表現するキーワードが定義されていた。

これは、システムエンジニアがデータ設計を行う上で、「データが持つ意味」を重視する考え方と共通する。XFNは、Webページという構造化されていないように見えるテキスト情報の中に、人間関係という別の構造化された情報を埋め込む「マイクロフォーマット」の一種だった。これにより、人間だけでなく、プログラム(例えば検索エンジンのクローラーや特定のアプリケーション)がWebページを解析する際に、単にリンクを辿るだけでなく、「このリンクは友人を指している」というような、より深い意味を理解できるようになることが期待された。

XFNが生まれた背景には、ブログ文化の興隆があった。2000年代初頭は、個人が情報を発信する場としてブログが爆発的に普及し始めた時期だ。人々はブログを通じて情報を共有し、コメント欄で交流し、他のブログへのリンクを張ることで、非公式なWeb上のコミュニティを形成していた。しかし、これらのつながりは、Webページを見る人間には理解できても、機械にはただのリンクとしてしか認識されなかった。XFNは、このような個々のブログが持つ「人間関係のネットワーク」を、Web標準技術であるHTMLを使って表現しようとした試みと言える。

この取り組みは、「セマンティックWeb」という、Web上の情報に意味を与え、コンピュータが理解・処理できるようにしようとする壮大なビジョンの、ごく初期段階における具体的な一歩でもあった。XFNは、その後のWebの進化に様々な形で影響を与えた。例えば、Googleが導入したrel="nofollow"属性も、このrel属性の利用方法を拡張したものであり、検索エンジンのスパム対策として広く普及した。XFNが示した「リンクに特定の意味を持たせる」という考え方は、Webコンテンツの質や信頼性を判断する上で、検索エンジンにも影響を与えたのだ。

現代では、FacebookやTwitterといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が普及し、人々の個人的なつながりは、これらのプラットフォーム上で管理されることが一般的だ。そのため、XFN自体が当初の目的通りに広く使われることは少なくなった。しかし、XFNが提唱した「Web上の情報に意味を付与し、機械が理解できるようにする」という思想は、今もWebの進化の根底に流れている。例えば、構造化データマークアップ(Schema.orgなど)は、Webページの内容をより詳細に、機械が理解しやすい形で記述するための現代的な方法であり、XFNの理念と共通する部分が多い。

システムエンジニアとして、Web技術を学ぶ際には、単に最新の技術を追うだけでなく、XFNのような過去の技術がどのような課題を解決しようとし、どのような思想に基づいていたのかを理解することが重要だ。それは、技術の根本的な考え方や、未来の技術が目指す方向性を洞察する力を養うことにつながる。XFNは、Webが単なる情報の集まりから、人間と機械が協調して意味を理解する「知的なネットワーク」へと進化していく過程における、一つの重要な試金石だったと言えるだろう。このシンプルな仕組みが、Webの可能性を広げようとした当時の開発者たちの情熱と、セマンティックWebという大きな目標への一歩を示していたことを、改めて理解しておくことは、Webの未来を創る上での貴重な教訓となるはずだ。

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