【Spring Boot】インストールから環境構築までの手順をわかりやすく解説
本記事では、Java開発に必要なJDKとプロジェクト管理ツールMavenのインストールから環境変数の設定までを解説します。さらに、Visual Studio Codeを使ってSpring Bootプロジェクトを作成し、Webアプリケーションを起動して初期画面を表示するまでの一連の環境構築手順を、初心者にも分かりやすくご紹介します。
開発環境
- Visual Studio Code:version 1.73.0
- OS:Windows10
- Java(Oracle JDK):23.0.1
- Maven:3.9.9
- Spring Boot:3.4
Spring Bootの環境構築をするまでの手順
Spring Bootの環境構築をするまでの手順について解説していきます。
Javaのインストール
Spring Bootで開発するためには、まずJava(JDK)をインストールする必要があります。JDKとは、Java Development Kitの略で、Javaでプログラムを開発するためのツールセットのことです。
OracleのJavaダウンロードページにアクセスします。 Javaのダウンロードページ:https://www.oracle.com/java/technologies/downloads/
JDKのダウンロードページから、お使いのOS(Windows / Linux / macOS)に合わせてダウンロードするファイルを選択します。 今回はWindowsでの手順を説明しますので、「x64 Installer」をダウンロードしてください。
ダウンロードしたインストーラーを実行し、「次へ」をクリックしてインストールを進めます。
インストール先はデフォルトのC:\Program Files\Java\jdk-23のままで問題ありません。
インストールが完了したら「閉じる」をクリックします。
Javaの環境変数の設定
次に、どのフォルダからでもjavaコマンドを使えるように環境変数を設定します。環境変数とは、OSが動作する上で必要な情報を記録しておく場所のことです。ここにJavaの実行ファイルがある場所を登録することで、どこからでもコマンドを実行できるようになります。
インストール先のC:\Program Files\Java\jdk-23の中にあるbinフォルダのパスをコピーしておきます。
- Windowsのスタートメニューで「環境変数を編集」と検索して開きます。
- 「Path」という項目をダブルクリックします。Pathは、コマンドを実行する際に、OSがプログラムを探しに行くフォルダの場所を列挙した環境変数です。
- 表示された画面で「新規」をクリックし、先ほどコピーした
C:\Program Files\Java\jdk-23\binを追加します。 - 「OK」をクリックして画面を閉じます。
ターミナル(コマンドプロンプトやPowerShellなど)を開いて以下のコマンドを実行してください。
1java -version
インストールしたバージョン(今回は23.0.1)が表示されれば、Javaのインストールと環境変数の設定は完了です。
Mavenのインストール
次に、JavaのビルドツールであるMavenをインストールします。ビルドツールとは、プログラムのコンパイルや、必要なライブラリのダウンロード、パッケージ化などを自動で行ってくれるツールのことです。
Apache Mavenのダウンロードページにアクセスします。 Apache Mavenのダウンロードページ:https://maven.apache.org/download.cgi
「Binary zip archive」のリンクからapache-maven-3.9.9-bin.zipをダウンロードします。
ダウンロードしたZipファイルを展開(解凍)し、apache-maven-3.9.9フォルダをCドライブ直下に移動します。
移動したら、フォルダ名をmavenに変更しておきます。
1C:\maven 2├── bin 3├── boot 4├── conf 5└── lib
Mavenの環境変数の設定
Javaと同じように、Mavenのbinフォルダにパスを通します。これにより、どこからでもmvnコマンドを実行できるようになります。
- Windowsのスタートメニューで「環境変数を編集」と検索して開きます。
- 「Path」をダブルクリックします。
- 「新規」をクリックし、
C:\maven\binを追加します。 - 「OK」をクリックして画面を閉じます。
ターミナルを開いて以下のコマンドを実行してください。
1mvn -v
以下のように、Mavenのバージョンやインストール先(Maven home)が表示されれば、Mavenのインストールと環境変数の設定は完了です。
1Apache Maven 3.9.9 (...) 2Maven home: C:\maven 3Java version: 23.0.1, ...
VS Codeの拡張機能のインストール
JavaとMavenのインストールが完了したら、VS Codeを起動します。 すでにVS Codeを起動していた場合は、環境変数の変更が反映されていない可能性があるため、一度VS Codeを閉じてから再度起動し直してください。
VS Codeの拡張機能ビュー(左側のサイドバーにある正方形のアイコン)から、以下の2つの拡張機能をインストールします。
- Extension Pack for Java:Javaの開発に必要な基本的な拡張機能がまとめてインストールされます。これにより、コード補完やデバッグなどがスムーズに行えるようになります。
- Spring Boot Extension Pack:VS CodeだけでSpring Bootのプロジェクトを作成したり、開発したりするための拡張機能がまとめてインストールされます。
Spring Bootプロジェクトの新規作成
Ctrl + Shift + Pを押してコマンドパレットを開きます。
ショートカットを使わない場合は、メニューの「表示」から「コマンドパレット」をクリックしても開けます。
コマンドパレットでjavaと入力し、「Java: Create Java Project」を選択します。
続けて表示される項目を、以下のように選択・入力していきます。
| 項目 | 選択・入力する内容 | 説明 |
|---|---|---|
| プロジェクトタイプ | Spring Boot | Spring Bootプロジェクトを作成することを選択します。 |
| ビルドツール | Maven Project | プロジェクトのビルドにMavenを使用することを選択します。 |
| Spring Bootのバージョン | 3.4.x(最新) | 使用するSpring Bootのバージョンを選択します。通常は最新版で問題ありません。 |
| 言語 | Java | プログラミング言語としてJavaを選択します。 |
| Group Id | com.example | プロジェクトの所属や組織を識別するためのIDです。通常はドメイン名を逆にした形式を使用します。 |
| Artifact Id | demo | プロジェクトの名前を識別するためのIDです。これは最終的に作成される成果物(アプリケーション)の名前にもなります。 |
| パッケージタイプ | Jar | アプリケーションをどのようにパッケージ化するかを指定します。Jarは単独で実行可能なファイル形式で、一般的なSpring Bootアプリケーションでよく使われます。 |
| Javaのバージョン | 23 | 使用するJavaのバージョンを選択します。インストールしたJavaのバージョンに合わせてください。 |
| 依存関係 | Spring Web、Thymeleaf | プロジェクトで利用するライブラリ(機能)を選択します。ここで選択したものが、Mavenによって自動的にダウンロード・設定されます。<br>Spring WebはWebアプリケーションを作るために必要な基本的な機能を提供します。<br>ThymeleafはHTMLファイルに動的な内容を組み込むためのテンプレートエンジンです。 |
最後に保存先のフォルダを選択すると、demoという名前のSpring Bootプロジェクトが作成されます。
Spring Bootアプリケーションの起動
作成したプロジェクトのフォルダに移動します。ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
1cd demo
まずは以下のコマンドでプロジェクトのパッケージをビルドします。ビルドとは、ソースコードをコンピューターが実行できる形式に変換する作業のことです。
1mvn clean install
エラーなくビルドが完了したら、以下のコマンドでSpring Bootアプリケーションを起動します。
1mvn spring-boot:run
アプリケーションが起動したら、ブラウザで「http://127.0.0.1:8080」にアクセスしてください。 「Whitelabel Error Page」と表示されますが、これは表示する画面(ビュー)をまだ作っていないためです。このエラーが表示されていれば、Spring Boot自体は正しく起動しています。
初期画面の作成
最後に、ブラウザで表示する初期画面を作成します。
src/main/java/com/example/demoの中に、新しくHomeController.javaを作成します。
1package com.example.demo; 2 3import org.springframework.stereotype.Controller; 4import org.springframework.web.bind.annotation.GetMapping; 5 6@Controller 7public class HomeController { 8 9 @GetMapping("/") 10 public String home() { 11 return "home"; 12 } 13}
@Controller:このクラスが、ユーザーからのリクエストを受け付けて処理を行う「コントローラー」であることをSpring Bootに伝えます。@GetMapping("/"):ブラウザから「/」(アプリケーションのルートパス)にアクセスされたときに、このhomeメソッドを実行するように設定します。return "home";:homeメソッドが「home」という文字列を返すと、Spring Bootはhome.htmlという名前のテンプレートファイルを探して表示しようとします。
次に、src/main/resources/templatesの中に、新しくhome.htmlを作成します。
1<!DOCTYPE html> 2<html> 3<head> 4 <title>Home</title> 5</head> 6<body> 7 <h1>Spring Bootの起動に成功しました</h1> 8</body> 9</html>
初期画面の表示確認
コードを変更したため、起動中のアプリケーションをCtrl + Cで停止し、もう一度ビルドしてから起動し直す必要があります。
1mvn clean install 2mvn spring-boot:run
アプリケーションが再度起動したら、ブラウザで「http://127.0.0.1:8080」を再読み込みしてください。 「Spring Bootの起動に成功しました」と表示されれば、Spring Bootの環境構築は完了です。
おわりに
本記事では、Java(JDK)とプロジェクト管理ツールのMavenのインストールから環境変数の設定までを行い、Spring Boot開発の土台を築きました。次に、Visual Studio Codeに必要な拡張機能を導入し、Spring Bootプロジェクトを新規作成してWebアプリケーションの基本的な構造を準備しました。その後、Mavenコマンドでプロジェクトをビルド・起動し、コントローラーとHTMLファイルを作成することで、ブラウザに初期画面を正常に表示させることに成功しました。この一連の環境構築の経験は、システムエンジニアとしての第一歩を踏み出す上で非常に重要な基礎となります。