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If-None-Match(イフノーンマッチ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

If-None-Match(イフノーンマッチ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

イフ・ノン・マッチ (イフノンマッチ)

英語表記

If-None-Match (イフノンマッチ)

用語解説

If-None-Matchは、HTTPリクエストヘッダの一つである。主にWebブラウザなどのクライアントが、一度取得したリソースのキャッシュを利用する際に、そのキャッシュがまだ有効かどうかをWebサーバーに問い合わせるために使用される。この仕組みは条件付きGETリクエストと呼ばれ、不要なデータ転送を削減し、Webページの表示速度向上やネットワーク帯域の節約に大きく貢献する。システムエンジニアとしては、Webアプリケーションのパフォーマンスを理解し、最適化する上で重要な知識となる。

このヘッダの機能を理解するためには、まずETag(エンティティタグ)というHTTPレスポンスヘッダについて知る必要がある。ETagは、サーバー上にある特定のリソース(例えば、HTMLファイルや画像ファイル)の一意なバージョン識別子である。サーバーはリソースの内容に基づいてETag値を生成し、リソースが更新されるたびに新しいETag値を割り当てる。これは、ファイルに付けられたバージョン番号のようなものだと考えればよい。クライアントが最初にリソースをリクエストした際、サーバーはレスポンスの本体データとともに、ETagヘッダにこの識別子を含めて送信する。クライアントは受け取ったリソースデータと、このETag値をセットで自身のキャッシュストレージに保存する。

クライアントが後で同じリソースを再度必要とした場合、キャッシュに保存されたデータを使用しようとする。しかし、そのデータがサーバー上で更新されている可能性があるため、無条件にキャッシュを利用することはできない。そこでクライアントは、サーバーに確認のためのリクエストを送信する。この時に使用されるのがIf-None-Matchヘッダである。クライアントは、リクエストヘッダにIf-None-Matchフィールドを追加し、その値としてキャッシュに保存しておいたETagの値を指定する。このリクエストは、「もしサーバー上のリソースの現在のETagが、私が持っているこのETag値と一致しない(None Match)のであれば、新しいリソースデータを送ってください」という意味を持つ。

このリクエストを受け取ったサーバーは、指定されたリソースの現在のETag値と、If-None-Matchヘッダで送られてきたETag値を比較する。この比較結果によって、サーバーの応答は二つに分かれる。まず、二つのETag値が一致した場合、これはサーバー上のリソースが更新されておらず、クライアントが持つキャッシュが最新版であることを意味する。この場合、サーバーはリソースの本体データを再度送信する必要はない。代わりに、HTTPステータスコード304 Not Modifiedというヘッダだけのレスポンスを返す。このレスポンスはボディを持たないため、非常に軽量である。304レスポンスを受け取ったクライアントは、自身のキャッシュが有効であることを確認し、保存しておいたデータを安心して表示に使用する。

一方、二つのETag値が一致しなかった場合、これはサーバー上のリソースが更新されたことを意味する。この場合、クライアントが持つキャッシュは古いものであるため、新しいデータを取得する必要がある。サーバーはIf-None-Matchの条件が満たされたと判断し、通常のGETリクエストと同様の応答を行う。つまり、HTTPステータスコード200 OKとともに、更新されたリソースの本体データと、新しいバージョンのETag値を含んだレスポンスを返す。このレスポンスを受け取ったクライアントは、新しいリソースデータを表示すると同時に、自身のキャッシュを新しいデータと新しいETag値で更新する。これにより、次回のアクセスの際には、この新しいETag値を使って同様の検証を行うことができるようになる。

If-None-Matchを利用する最大のメリットは、通信効率の劇的な向上である。リソースが更新されていない場合には、重いデータ本体の転送が完全に省略されるため、データ通信量を大幅に削減できる。これは特に、画像や動画、サイズの大きなJavaScriptライブラリなどにおいて効果が大きい。通信量が減ることで、Webページの読み込み時間が短縮され、ユーザー体験が向上する。また、サーバー側もデータ送信処理の負荷が軽減されるという利点がある。

同様の目的で使われるヘッダにIf-Modified-Sinceがある。これはリソースの最終更新日時を基準に比較を行うが、If-None-Matchはリソースの内容自体から生成されるETagを基準にするため、より厳密で信頼性の高いキャッシュ検証が可能である。例えば、内容に変更はないがファイルのタイムスタンプだけが更新された場合や、ミリ秒以下の短い間隔で複数回の更新があった場合など、日時だけでは正確に検知できない変更もETagなら確実に捉えることができる。このように、If-None-Matchは現代のWebにおける効率的なキャッシュ制御を実現するための、基本的かつ強力な仕組みである。

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