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アウトオブメモリ(アウトオブメモリ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

アウトオブメモリ(アウトオブメモリ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

アウトオブメモリー (アウトオブメモリー)

英語表記

OutOfMemory (アウトオブメモリ)

用語解説

アウトオブメモリとは、コンピュータシステムやアプリケーションが動作するために必要なメモリ(主記憶装置)が不足している状態を指す。この現象は、プログラムがデータを格納したり、処理を実行したりするための領域が確保できなくなった際に発生し、一般的に「OOM(Out Of Memory)」と略されることもある。メモリは、CPUが処理を行う上で高速にアクセスできる作業領域であり、この領域が枯渇すると、システムの正常な機能が損なわれることになる。

アウトオブメモリが発生する原因は多岐にわたる。最も直接的な原因は、物理メモリ(RAM)の容量がシステム全体の要求に対して絶対的に不足している場合だ。たとえば、複数のメモリ消費の激しいアプリケーションが同時に起動していたり、単一のアプリケーションが極めて大規模なデータを扱う際に、搭載されているRAMだけではまかないきれない状況に陥る。このような場合、多くのオペレーティングシステム(OS)は、ハードディスクの一部を「仮想メモリ」(スワップ領域)として利用し、物理メモリの不足を補おうとする。しかし、この仮想メモリ領域も使い果たされてしまうと、いよいよメモリを割り当てることができなくなり、アウトオブメモリの状態となる。

次に、アプリケーション自身の問題が原因となるケースも少なくない。代表的なものに「メモリリーク」がある。これは、アプリケーションがメモリを確保したにもかかわらず、そのメモリを使い終えた後でOSに返却(解放)することを怠ることで発生する。このようなバグが存在すると、アプリケーションが長時間動作し続けるにつれて、徐々に利用可能なメモリが減少していき、最終的にアウトオブメモリを引き起こす。メモリリークはすぐに問題として現れにくいため、特定と修正が困難な場合もある。また、アプリケーションが非効率なデータ構造を利用していたり、大量のデータを一度にメモリ上に展開しようとしたりするなど、不適切なメモリ管理を行っている場合もメモリ不足の原因となる。再帰処理が深くなりすぎてスタック領域を使い果たす場合も、広義のアウトオブメモリとみなされることがある。

システム全体の環境設定も影響を与える可能性がある。特に32bit版のOSやアプリケーションでは、プロセスが利用できるメモリ空間に2GBや4GBといった上限が設けられていることがあり、物理メモリが潤沢にあっても、このプロセスごとの上限を超えてメモリを確保しようとすると、アウトオブメモリが発生することがある。また、バックグラウンドで動作する多数のサービスやデーモンがそれぞれメモリを消費しているため、特定のアプリケーションに割り当てられるメモリが不足することも考えられる。

アウトオブメモリが発生した場合、システムやアプリケーションに甚大な影響を与える。まず、メモリを要求したアプリケーションは、メモリを確保できないため、その処理を続行できなくなり、クラッシュしたり異常終了したりすることが多い。これにより、処理途中のデータが失われたり、アプリケーションが提供するサービスが停止したりする。さらに深刻な場合、メモリ不足がOS全体に波及し、システム全体の応答が極端に遅くなったり、フリーズして操作不能になったりすることもある。このような状況では、システムの再起動が必要となる場合が多く、システムの可用性に大きな影響を与える。

アウトオブメモリの発生を検知し、原因を特定するためには、OSの提供するログや監視ツールが不可欠だ。Windowsではイベントビューアーのシステムログやアプリケーションログ、Linuxではdmesgコマンドで表示されるカーネルログや/var/log/syslogなどに、アウトオブメモリに関連する警告やエラーメッセージが記録されることが多い。リアルタイムでメモリ使用量を監視するには、Windowsのタスクマネージャーやリソースモニター、Linuxのtopコマンドやhtopコマンドなどが有効で、どのプロセスが大量のメモリを消費しているかを把握するのに役立つ。より詳細な原因究明のためには、メモリプロファイラと呼ばれる専門ツールを利用して、アプリケーション内部のメモリ割り当て状況やメモリリーク箇所を特定することも行われる。

アウトオブメモリへの対策は多岐にわたる。ハードウェア的な対策としては、物理メモリ(RAM)の増設が最も直接的で効果的な解決策となる。システムレベルでは、仮想メモリ(スワップファイルやスワップ領域)のサイズを適切に設定し、必要に応じて増量することで、一時的な物理メモリの不足を補うことができる。しかし、仮想メモリは物理メモリに比べてアクセス速度が著しく遅いため、仮想メモリへの依存度が高まるとシステム全体のパフォーマンスが低下する点には留意が必要だ。

アプリケーション側の対策としては、メモリリークの特定と修正が最優先される。開発者はメモリプロファイラを活用し、アプリケーションがメモリを適切に解放しているか、不必要にメモリを保持していないかを確認する必要がある。また、アプリケーションの設計段階からメモリ効率を考慮し、データ構造やアルゴリズムを見直してメモリ消費量を抑えることも重要だ。例えば、大規模なデータを一度にメモリに読み込むのではなく、ストリーミング処理で段階的に処理したり、ディスク上のファイルとして一時的に管理したりするなどの工夫が求められる。Javaなどのガベージコレクション(GC)を持つ言語の場合、GCの動作を理解し、適切なチューニングを行うことでメモリ使用効率を改善できることもある。アプリケーションが利用するメモリ上限値が設定可能な場合は、環境に応じて適切な値を設定することで、予期せぬメモリ消費によるシステム全体への影響を軽減できる。システム管理者としては、起動中の不要なプロセスやサービスを停止させ、システム全体のメモリ消費量を削減することも有効な手段となる。これらの対策を総合的に講じ、システムの安定稼働を維持することが、システムエンジニアの重要な役割の一つである。

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