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PCI Express(ピーシーアイ エクスプレス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

PCI Express(ピーシーアイ エクスプレス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ピーシーアイエクスプレス (ピーシーアイエクスプレス)

英語表記

PCI Express (ピーシーアイエクスプレス)

用語解説

PCI Express(Peripheral Component Interconnect Express)は、コンピューター内部のコンポーネント間での高速データ転送を実現するためのシリアル拡張バス規格である。これは、従来使われていたPCI(Peripheral Component Interconnect)バスの後継として開発され、2003年に登場した。PCIが共有バス方式で並列データ転送を行っていたのに対し、PCI Expressはポイントツーポイント接続方式を採用し、シリアルデータ転送を行うことで、より高い帯域幅と低遅延を実現している。現在では、グラフィックカード、NVMe SSD、高速ネットワークカードなど、高性能を要求されるほとんどの拡張デバイスで利用される標準的なインターフェースとなっている。これにより、コンピューターの全体的な性能向上に大きく貢献している。

PCI Expressの基本的な動作原理は、レーンと呼ばれる専用のデータ経路を介した双方向シリアル通信である。各レーンは、データを送信するための差動信号ペアと受信するための差動信号ペアで構成されており、同時にデータの送受信が可能である。PCI Expressデバイスは、このレーンを一つ(x1)または複数(x4, x8, x16など)束ねて使用することで、必要な帯域幅を確保する。例えば、x16構成のPCI Expressスロットは16本のレーンを持ち、x1スロットの16倍の帯域幅を提供する。グラフィックカードのように大量のデータ転送を必要とするデバイスはx16レーンを使用することが一般的であり、NVMe SSDは通常x4レーンを使用する。CPUと各PCI Expressデバイスの間には、ルートコンプレックスと呼ばれる制御部が存在し、データのルーティングや管理を行う。さらに、複数のデバイスを接続するためにPCI Expressスイッチが用いられることもある。

PCI Expressは世代(Generation)によって転送速度が向上しており、Gen1から始まり、現在ではGen5やGen6といったさらに高速な規格が登場している。各世代では、1レーンあたりのデータ転送速度が概ね倍増するように設計されており、これにより同じレーン数でも世代が新しいほど高いスループットが得られる。例えば、PCI Express 3.0のx1レーンは片方向約0.985GB/sの速度を持つが、PCI Express 4.0のx1レーンでは約1.969GB/s、PCI Express 5.0のx1レーンでは約3.938GB/sと倍々に向上する。物理的なスロット形状は基本的に上位互換性があり、新しい世代のスロットに古い世代のカードを挿入して利用することも可能である。その場合、速度は遅い方の世代に合わせられる。

PCI Expressの通信は、トランザクション層、データリンク層、物理層という3つの階層構造で処理される。物理層は実際の電気信号の送受信を担当し、データリンク層はパケットのエラー検出と再送処理などによって信頼性の高いデータ転送を保証する。トランザクション層はアプリケーションからのデータ要求を処理し、データリンク層へと渡す役割を担う。データはパケットと呼ばれる小さな単位に分割されて転送され、これにより効率的で柔軟な通信が可能となる。この階層構造により、複雑なプロトコル処理と高い信頼性が実現されている。

PCI Expressの最大の利点は、その高いスケーラビリティとパフォーマンスにある。ポイントツーポイント接続により、各デバイスが専用の帯域を持つため、複数のデバイスが同時に高速通信を行っても他のデバイスの性能に影響を与えにくい。また、複数のレーンを束ねることで、必要に応じて容易に帯域幅を拡張できる柔軟性も持つ。低遅延性も特徴の一つで、リアルタイム性の高い処理が求められる環境で有利である。さらに、ホットプラグ機能に対応している場合もあり、システムを停止させずにデバイスの抜き差しが可能となる。これらの特性により、PCI Expressは現代の高性能コンピューターシステムの基盤として不可欠な存在となっている。サーバーやワークステーションはもちろん、一般的なデスクトップPCや一部の組み込みシステムにおいても、その高速性と拡張性は広く活用されている。

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