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SCL(エスシーエル)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

SCL(エスシーエル)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

セキュアコーディング言語 (セキュアコーディングランゲージ)

英語表記

SCL (エスシーエル)

用語解説

SCL(エスシーエル)は、IT分野において複数の異なる意味を持つ略語であるため、文脈によってその指す内容が大きく変わる。システムエンジニアを目指す初心者がSCLという言葉に遭遇した際、混乱しないよう、ここでは主要な二つのSCLについて解説する。一つは産業制御システムで用いられるプログラミング言語であるStructured Control Languageであり、もう一つはデータ分析ソフトウェアSASのアプリケーション開発言語であるSAS Component Languageである。特に、現代の産業界で重要な役割を担うPLC(Programmable Logic Controller)のプログラミング言語としてのSCLに重点を置いて説明を進める。

Structured Control LanguageとしてのSCLは、主にシーメンス社のPLC製品群(SIMATIC S7シリーズなど)で採用されているプログラミング言語であり、IEC 61131-3国際標準で定義されている「ストラクチャードテキスト(Structured Text: ST)」に準拠している。STは、PascalやC言語といった高水準言語に似た構文を持つテキストベースのプログラミング言語であり、ラダー図(Ladder Diagram: LD)やファンクションブロック図(Function Block Diagram: FBD)といったグラフィカルな言語と並び、PLCプログラミングの主要な選択肢の一つとなっている。このSCL(ST)の登場により、従来のグラフィカル言語では表現が困難だった複雑な計算処理や、アルゴリズムに基づいた制御ロジックを、より直感的かつ効率的に記述することが可能になった。

SCL(ST)の最大の特徴は、その「構造化」された性質にある。条件分岐(IF-THEN-ELSE)、繰り返し処理(FOR-DO、WHILE-DO、REPEAT-UNTIL)、選択処理(CASE)などの制御構造を豊富に持ち、これらの構造を用いることで、コードの可読性、保守性、再利用性を大幅に向上させることができる。例えば、複数の条件に基づいて異なる処理を実行する場合、グラフィカル言語では複雑な回路や接続が必要になるが、SCLでは簡潔なIF文やCASE文で表現できる。また、数値演算やデータ処理に関しても、四則演算はもちろんのこと、三角関数、対数関数、文字列操作、配列操作など、多様な組み込み関数やデータ型を利用して柔軟に記述できるため、データロギング、品質管理、異常診断といった高度なアプリケーションへの適用も容易である。

産業オートメーションの現場では、PLCは生産ラインの機械装置を制御し、センサーからの情報に基づいてアクチュエータを動作させる核となるデバイスである。SCLは、そのような環境において、ロボットアームの精密な動きの制御、複数のモーターの協調動作、複雑なプロセス制御(温度、圧力、流量などの調整)、生産データの収集と分析といった多岐にわたるタスクをプログラミングするために利用される。他のPLC言語との連携もSCLの強みであり、例えば、ラダー図で基本的なシーケンス制御を行い、SCLで複雑なデータ処理やアルゴリズムを実行する、といったハイブリッドな開発手法が一般的に用いられる。これにより、各言語の長所を活かしながら、効率的かつ高性能な制御システムを構築できる。

SCLを習得するメリットは多岐にわたる。まず、高水準言語の知識が直接的に応用できるため、C言語やJavaなどの経験があるプログラマーにとっては学習コストが比較的低い。次に、テキストベースであるため、バージョン管理システムとの親和性が高く、複数人での開発やコードの変更履歴管理が容易になる。さらに、複雑なロジックを簡潔に記述できるため、開発期間の短縮やデバッグ作業の効率化にも寄与する。これらの利点から、製造業、エネルギー管理、水処理、ビルディングオートメーションなど、幅広い分野でSCLのニーズは高まっている。

一方、SAS Component LanguageとしてのSCLは、SAS社の統合ソフトウェア環境「SAS」の中で、主にカスタムアプリケーションやユーザーインターフェース(UI)を開発するために使用されるプログラミング言語である。SAS/AF(Application Facility)やSAS/EIS(Executive Information System)といった特定のモジュールで利用され、イベント駆動型プログラミングの概念に基づいている。これは、ユーザーがボタンをクリックする、テキストボックスに値を入力するといった「イベント」に応じて、定義された処理を実行する方式である。SCLは、SASデータセットの読み書き、SASプロシージャの実行、グラフィカルなユーザーインターフェース要素(ウィンドウ、ボタン、リストボックスなど)の操作といった機能を提供し、SASの強力なデータ処理能力と分析機能をエンドユーザー向けの使いやすいアプリケーションとして提供する上で重要な役割を担っていた。しかし、近年ではSASのプラットフォームが進化し、Webベースのインターフェースやより現代的なプログラミングパラダイムが主流となっているため、SCLの利用機会は以前に比べて減少傾向にある。現在では、SASプログラミングでは、より汎用的なDATAステップやPROCステップ、あるいはPythonやRといった外部言語との連携が主流となっている。

このようにSCLは、文脈によってその指す技術と役割が大きく異なるが、どちらのSCLもそれぞれの分野で特定のニーズに応えるために開発され、重要な役割を果たしてきた。システムエンジニアを目指す上では、略語が複数の意味を持つことがあるという点に注意し、常に文脈を確認する姿勢が重要である。特に産業制御分野におけるStructured Control LanguageとしてのSCLは、現代のスマートファクトリーやIoTの進展に伴い、その重要性が増しており、制御システム開発に携わるエンジニアにとって不可欠なスキルの一つとなっている。

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