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SPP(エスピーピー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

SPP(エスピーピー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

サプライヤー・パーチャス・パートナー (サプライヤー・パーチャス・パートナー)

英語表記

SPP (エスピーピー)

用語解説

SPPという略語は、ITの分野において複数の異なる技術や概念を指すため、文脈に応じた理解が求められる。システムエンジニアを目指す初心者が特に知っておくべき代表的なSPPとして、「Standard Parallel Port(標準パラレルポート)」と「Serial Port Profile(シリアルポートプロファイル)」の二つがある。

まず、Standard Parallel Port(標準パラレルポート)について解説する。これは、かつてパーソナルコンピューター(PC)と周辺機器を接続するための主要なインターフェースの一つであった。主にプリンターとの接続に用いられたことから、「プリンターポート」とも呼ばれた。その最大の特徴は、データを並行して転送する点にある。つまり、8本のデータ線を使用して、一度に8ビットのデータを同時に送受信することが可能であった。これにより、1ビットずつ順次送るシリアル通信に比べて、理論上は高速なデータ転送が期待できた。PC側にはDB-25と呼ばれるD-subコネクタが、プリンター側にはセントロニクス36ピンと呼ばれるコネクタが一般的に使用された。

標準パラレルポートは、単にデータを送るだけでなく、プリンターの状態(例えば、用紙切れやエラーなど)をPCに伝えるためのステータス信号線や、PCがプリンターにデータを受け取る準備を促すための制御信号線も備えていた。当初のSPPモードでは、主にPCから周辺機器への一方向のデータ転送が中心であったが、双方向通信のニーズの高まりから、後にEPP(Enhanced Parallel Port)やECP(Extended Capabilities Port)といった拡張規格が登場した。EPPはより高速な双方向通信を可能にし、プリンターだけでなく、ZIPドライブやスキャナー、外部CD-ROMドライブなどの幅広い周辺機器の接続に利用された。ECPはDMA(Direct Memory Access)転送をサポートし、CPUに負担をかけずに高速なデータ転送を実現した。これにより、OSによる管理下での効率的なデータ転送が可能となり、特にスキャナーのような大量のデータを扱う機器でその恩恵が大きかった。しかし、パラレルポートはケーブルが長く複雑になる傾向があり、ノイズの影響を受けやすく、またホットプラグ(電源を入れたまま機器を抜き差しすること)ができないなどの制約も抱えていた。2000年代に入ると、これらの欠点を克服し、より高速で汎用性の高いUSB(Universal Serial Bus)が普及し、パラレルポートは急速にその役割を終え、現在ではほとんどのPCに搭載されていないレガシー技術となっている。しかし、PCの入出力インターフェースの歴史や基本的なデータ転送方式を理解する上で、重要な位置を占める技術である。

次に、Serial Port Profile(シリアルポートプロファイル)について説明する。こちらは、Bluetoothの標準プロファイルの一つであり、Bluetooth機器間で仮想的なシリアルポート接続を確立するための規格である。Bluetoothは、スマートフォンやヘッドセット、PCなどのさまざまなデバイス間で近距離無線通信を行うための技術である。Bluetoothの「プロファイル」とは、特定の用途やサービスを実現するために、Bluetoothの基本機能をどのように利用するかを定義した仕様の集合体であり、SPPはそのプロファイルの一つである。

SPPの主な目的は、PCなどで古くから使われてきたRS-232Cなどの物理的なシリアル通信インターフェースを、Bluetooth無線通信上でエミュレートすることにある。これにより、既存のシリアル通信を使用するアプリケーションや機器が、物理的なケーブル接続なしにBluetooth経由で通信できるようになる。SPPは、Bluetoothの基盤技術であるRFCOMMプロトコルを利用して、仮想的なシリアルポートを提供し、データ送受信やフロー制御(データの送受信速度を調整する機能)といったシリアル通信の基本的な機能をサポートする。

SPPは多岐にわたる用途で活用されている。例えば、GPSレシーバーからスマートフォンやタブレットへ位置情報を送信する場合、車両のOBD-II(車載式故障診断装置)アダプターから車両の診断データをスマートフォンアプリに送信する場合、医療機器(血糖値計など)からPCやスマートフォンへ計測データを送信する場合、あるいは産業用センサーや組み込み機器がデータをワイヤレスで収集・制御する場合などに利用される。これらの利用シーンでは、SPPを用いることで、ケーブル配線の煩わしさを解消し、機器の配置の自由度を高め、携帯性を向上させることができる。また、既存のシリアル通信プロトコルやアプリケーションをBluetooth環境に容易に移行できるという利点も持つ。ただし、SPPは比較的小容量のデータを連続的に送受信する用途に適しており、大容量のデータ転送や、より低遅延・高帯域幅が求められる用途には、他のBluetoothプロファイルやWi-Fiなどの技術が採用されることが多い。しかし、シンプルなデータ送受信のワイヤレス化という点で、SPPは現在でも多くのデバイスやアプリケーションにおいて重要な役割を担っている。

このように、SPPという略語は、レガシーなPCのハードウェアインターフェースを指す場合と、現代の無線通信技術であるBluetoothのプロファイルの一つを指す場合とがある。システムエンジニアを目指す上では、文脈に応じてどちらのSPPを指しているのかを正しく判断し、それぞれの技術の特性や用途を理解することが重要である。

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