【ITニュース解説】Building Your IT Foundation: Understanding Internet Protocol Basics

2025年09月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「Building Your IT Foundation: Understanding Internet Protocol Basics」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

IPは各機器にIPアドレスを割り当てデータを転送する通信の核である。同一LAN内はスイッチがMACアドレスで通信し、異なるネットワーク間はルーターがIPアドレスを元に中継する。ARPはこれら2つのアドレスを結びつける役割を担う。

ITニュース解説

インターネットにおける情報通信は、TCP/IPと呼ばれる一連の通信規約群によって成り立っている。このTCP/IPの中核を担うのが、インターネットプロトコル(IP)である。IPの主な役割は、コンピュータやスマートフォンなどの各デバイスにIPアドレスというインターネット上の住所を割り当て、データをパケットという小さな単位に分割して目的地まで届けるための基本的な仕組みを提供することである。

IPは、ネットワーク通信の役割を階層的に定義したOSI参照モデルにおける第3層、ネットワーク層で機能するプロトコルである。物理的な接続を扱う第1層(物理層)や、同一ネットワーク内での通信を担う第2層(データリンク層)とは異なり、IPは複数の異なるネットワークを越えてデータを転送するための論理的なアドレッシングと転送機能を提供する。このデータ転送に使われるパケットの先頭には、IPヘッダと呼ばれる制御情報が付加される。IPv4の場合、このヘッダには通信に必要な様々な情報が含まれている。例えば、バージョンフィールドで使用するIPのバージョン(IPv4の場合は4)を示し、長さフィールドでヘッダとパケット全体のサイズを管理する。

IPヘッダの中で特に重要なのがプロトコルフィールドである。このフィールドには、パケットが運ぶデータの種類を識別するための番号が記録されている。受信側のコンピュータは、この番号を見て、受け取ったデータをどのように処理すればよいかを判断する。例えば、信頼性の高い通信で使われるTCPには6番、高速性が重視される通信で使われるUDPには17番といった番号が割り当てられている。これらTCPやUDPは第4層(トランスポート層)のプロトコルであるが、他にもIP上で直接機能するプロトコルが存在する。代表的なものに、ネットワークの接続状態を確認するpingコマンドなどで利用されるICMPや、特定のグループに一斉にデータを送信するマルチキャスト通信で使われるIGMPなどがある。

ネットワークを構築する上で、データの転送方法には大きく分けて2つの方式がある。それがレイヤー2での転送(スイッチング)とレイヤー3での転送(ルーティング)である。スイッチングは、スイッチという機器が担う機能で、同一のローカルネットワーク内での通信に使われる。スイッチは、各デバイスが持つMACアドレスという物理的に一意なアドレスを識別し、目的のデバイスに直接データを転送する。一方、ルーティングはルーターという機器が担い、異なるネットワーク同士を接続して、ネットワーク間の通信を実現する。ルーターはIPアドレスという論理的な住所を見て、パケットを目的地まで届けるための最適な経路を選択し、データを転送する。つまり、同じネットワーク内の通信はスイッチが、異なるネットワークへの通信はルーターがそれぞれ中継する。

ここで、論理アドレスであるIPアドレスと物理アドレスであるMACアドレスという2種類のアドレスをどのように関連付けているのかという疑問が生じる。この役割を担うのがARP(Address Resolution Protocol)である。コンピュータが通信を行う際、最終的にはMACアドレスを指定してデータを送信する必要がある。通信したい相手のIPアドレスは分かっていてもMACアドレスが分からない場合、ARPを用いてネットワーク内に「このIPアドレスを持つ機器のMACアドレスを教えてください」と問い合わせを行う。問い合わせを受けた該当デバイスは、自身のMACアドレスを応答し、これによって通信が可能になる。もし通信相手が別のネットワークにいる場合は、直接相手のMACアドレスを問い合わせることはできない。その代わり、ネットワークの出入り口となるデフォルトゲートウェイ(通常はルーター)のMACアドレスをARPで解決し、まずはそのルーター宛にパケットを送信する。

IPアドレスによる通信には、その目的に応じて複数の方式が存在する。最も一般的なのは、特定の送信元から特定の宛先へデータを送る1対1の通信であるユニキャストである。インターネット上のウェブサイト閲覧やメール送受信のほとんどがこれにあたる。次に、特定のネットワークに接続された全てのデバイスに対して一斉にデータを送信するブロードキャストがある。この通信はルーターを越えて他のネットワークに転送されることはない。また、特定のグループに属する複数のデバイスにのみ同時にデータを送信するマルチキャストという方式もある。これは、インターネットでの動画配信などで効率的にデータを届けるために利用される。最後に、エニキャストという特殊な方式がある。これは複数の異なる場所にあるサーバーに同じIPアドレスを割り当て、ユーザーからのリクエストをネットワーク的に最も近いサーバーに自動的に転送する技術である。これにより、サービスの応答速度を向上させたり、負荷を分散させたりすることが可能になる。これらの仕組みが連携することで、世界中のネットワークが繋がり、円滑なデータ通信が実現されている。

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