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VMDK(ブイエムディーケー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

VMDK(ブイエムディーケー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ブイエムディーケー (ブイエムディーケー)

英語表記

VMDK (ブイエムディーケイ)

用語解説

VMDKは「Virtual Machine Disk」の略であり、仮想マシン(VM)のハードディスクドライブを仮想的に表現するためのファイルフォーマットを指す。これは、VMware社が開発した仮想化製品群で標準的に使用されるもので、仮想マシンが動作するために必要なオペレーティングシステム、アプリケーション、そしてユーザーデータといった全ての情報を格納する。物理サーバーにおける物理ディスクが果たす役割を、仮想環境においてファイルとして実現していると考えると理解しやすい。VMDKファイルは、仮想マシンの状態を保存し、その永続性を保証する基盤となるため、仮想化技術における非常に重要な要素である。

VMDKは単一のファイル名を持つように見えるが、実際には複数のファイルで構成される場合が多い。一般的なVMDKファイルの構成要素は、仮想ディスクのメタデータ(情報を記述したデータ)を格納するディスク記述子ファイルと、実際のデータを格納するデータファイルの二つに大別される。ディスク記述子ファイルは通常、ファイル名に.vmdk拡張子を持ち、仮想ディスクのサイズ、ディスクの種類、ディスクID、ディスクが対応する仮想ハードウェアコントローラの種類、そして実際のデータが格納されているデータファイルへのパスといった情報を含んでいる。一方、データファイルは、仮想マシンが読み書きする実際のブロックデータが格納されている部分であり、規模が大きくなると複数のファイルに分割されたり、または単一の大きなファイルとして存在したりする。この分離構造により、ディスクの管理や、スナップショットなどの高度な機能が効率的に実現されている。

VMDKファイルには、そのプロビジョニング方法によっていくつかの種類がある。プロビジョニングとは、仮想ディスクを作成する際に、物理ストレージをどのように割り当てるかの方式を指す。主に「シックプロビジョニング」と「シンプロビジョニング」がある。シックプロビジョニングは、仮想ディスク作成時に指定された容量の物理ストレージ領域をすべて確保する方式である。例えば、100GBの仮想ディスクを作成するなら、実際に物理ストレージ上でも100GBがすぐに消費される。シックプロビジョニングにはさらに「Lazy Zeroed」と「Eager Zeroed」の二種類がある。Lazy Zeroedは、作成時に全てのブロックをゼロクリアしないため、初回作成は比較的短時間で完了するが、仮想マシンが初めてブロックに書き込む際にそのブロックをゼロクリアする処理が発生する。Eager Zeroedは、作成時に指定された容量の全てのブロックをゼロクリアするため、初回作成には時間がかかるが、その後の書き込み性能は安定し、データセキュリティの面でも優位性がある。一方、シンプロビジョニングは、仮想ディスク作成時には最小限の物理ストレージ領域しか確保せず、仮想マシンが実際にデータを書き込む際に、その都度必要な分だけ物理ストレージ領域を動的に割り当てる方式である。これにより、物理ストレージを効率的に利用でき、複数の仮想マシンでストレージ容量をオーバーコミット(物理ストレージの総容量を超える容量を仮想ディスクとして割り当てること)することも可能になる。しかし、物理ストレージの残量には常に注意を払い、枯渇させないよう管理する必要がある。

VMDKは、仮想マシンのスナップショット機能とも密接に関連している。スナップショットとは、ある時点の仮想マシンの状態とデータを保存する機能であり、これを利用すると、後からその時点の状態に戻すことができる。スナップショットを作成すると、元のVMDKファイルは読み取り専用の親ディスクとなり、それ以降のデータ変更は「差分ディスク」(またはリドゥログ、デルタディスクとも呼ばれる)と呼ばれる新たなVMDKファイルに書き込まれる。複数のスナップショットが存在する場合、これらの差分ディスクはチェーン状につながり、親から子へと変更履歴を記録していく。このスナップショット管理は、テストや開発、システムの変更前バックアップなどで非常に有用だが、多数のスナップショットを長期間保持すると、ディスクI/O性能の低下やストレージ容量の圧迫、管理の複雑化を招くため、適切な運用が必要である。スナップショットの統合(consolidate)によって、差分ディスクの内容を親ディスクにマージし、単一のVMDKに戻すことで、これらの問題を解消できる。

VMDKはVMware製品群だけでなく、他の仮想化プラットフォームとの互換性も持っている。例えば、Oracle VirtualBoxやQEMU/KVMなどの仮想化ソフトウェアでも、VMDKファイルを直接読み込んだり、あるいはqemu-imgのようなツールを用いて他の形式に変換したりすることで利用できる場合がある。これは、仮想環境間での移行(V2V: Virtual to Virtual)や、異なる仮想化環境での検証作業において柔軟性を提供する。また、OVF(Open Virtualization Format)やOVA(Open Virtual Appliance)といった仮想アプライアンスのデプロイ形式の一部としても、VMDKファイルは頻繁にパッケージ化され、仮想環境の配布や移行に活用されている。VMDKファイルの適切な管理と運用は、仮想環境全体の安定稼働、パフォーマンス維持、そしてデータの可用性にとって不可欠な要素である。VMware vSphere ClientやPowerCLIといったツールを通じて、仮想ディスクの作成、拡張、削除、スナップショット管理、クローン作成などの操作が日常的に行われる。システムエンジニアを目指す上で、VMDKの基本的な概念とそれに関わる運用管理の知識は、仮想化インフラストラクチャを理解し、適切に構築・運用するために必須のスキルとなる。

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