Web 2.0(ウェブニーテンゼロ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
Web 2.0(ウェブニーテンゼロ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
ウェブにっとてんぜろ (ウェブニッテンゼロ)
英語表記
Web 2.0 (ウェブニイテンゼロ)
用語解説
Web 2.0とは、2000年代中頃に提唱され、インターネットの利用形態や技術、ビジネスモデルが大きく変化した時期、およびそのコンセプトを指す言葉である。従来のWebが、企業や情報提供者からユーザーへの一方的な情報発信が主流であったのに対し、Web 2.0はユーザーが積極的にコンテンツの生成や共有に参加し、双方向的なコミュニケーションが行われる「参加型」のWebへの進化を特徴とする。単なる技術的な革新だけでなく、Webが社会インフラとして定着し、人々の生活やビジネスに深く浸透していく過程でのパラダイムシフトであった。この概念の登場により、インターネットは「情報を閲覧する場所」から「情報を共有し、共に創造するプラットフォーム」へと大きく変貌を遂げた。
Web 1.0の時代は、ウェブサイトの構築には専門的な知識が必要とされ、ユーザーは主にウェブページを閲覧したり、用意されたコンテンツを消費する受け身の存在であった。これはまるで、テレビやラジオのように、情報が一方的に配信されるメディアに似ていた。しかし、インターネットの普及とともに、より多くの人々が手軽に情報を発信し、交流したいというニーズが高まっていった。このニーズに応える形で、技術的な進歩と社会的な変化が結びつき、Web 2.0の時代が到来する。
Web 2.0の最も重要な特徴の一つは、ユーザーがコンテンツを生成する「ユーザー生成コンテンツ(UGC)」の普及である。ブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、動画共有サイト、オンライン百科事典、レビューサイトなどがその代表例である。これらのサービスでは、専門家でなくとも誰もが簡単に文章や写真、動画を投稿し、世界中の人々と共有できるようになった。これにより、膨大な量の多様な情報がインターネット上に蓄積され、情報の民主化が大きく進んだ。
また、Web 2.0は「プラットフォームとしてのWeb」という考え方を提唱した。これは、アプリケーションが個々のパソコンにインストールされるのではなく、Webブラウザを通じてサービスが提供され、データがサーバー側で一元的に管理されるというものである。これにより、ユーザーは場所やデバイスを問わず、常に最新のサービスを利用できるようになった。さらに、Web API(Application Programming Interface)の活用により、異なるウェブサービス同士が連携し、新たな価値を生み出すことが容易になった。例えば、地図サービスと連携して店舗情報を表示したり、SNSの情報を他のアプリケーションで利用したりするような使い方が一般的になった。
ユーザーインターフェース(UI)の進化もWeb 2.0を語る上で欠かせない要素である。Ajax(Asynchronous JavaScript and XML)などの技術の登場により、ウェブページ全体を再読み込みすることなく、ページの一部だけを動的に更新できるようになった。これにより、デスクトップアプリケーションに近い、滑らかで応答性の高いユーザー体験が実現された。例えば、Googleマップで地図をドラッグしてもページ全体が更新されず、シームレスに移動できるような操作感は、Web 2.0を象徴する体験の一つである。
「集合知」の活用もWeb 2.0の重要な側面である。これは、多数のユーザーから寄せられた知識や意見、評価を統合することで、個々では到達し得ない高いレベルの知見や価値を生み出す仕組みを指す。Wikipediaに代表されるような共同編集型の百科事典や、Q&Aサイト、商品のレビューシステムなどは、集合知の力を最大限に活用したサービスである。これにより、情報の信頼性や網羅性が向上し、ユーザーはより的確な情報を得られるようになった。
経済的な側面では「ロングテール」という概念が注目された。これは、少数の人気商品やサービスが売上の大部分を占める一方で、多数のニッチな商品やサービスも合計すると大きな売上を生み出すという現象である。Web 2.0のプラットフォームは、物理的な店舗のような制約がなく、多種多様なコンテンツや商品を低コストで提供できるため、このロングテール経済を後押しした。
Web 2.0を支えた技術的基盤としては、前述のAjaxの他に、XMLによるデータ交換、RSS(Really Simple Syndication)による情報配信、Web APIによるサービス間連携、そして高速なブロードバンドインターネット接続の普及が挙げられる。これらの技術が組み合わされることで、ユーザーはよりリッチでインタラクティブな体験を享受できるようになった。
Web 2.0の登場は、社会に多大な影響を与えた。個人が自由に情報を発信できるようになり、表現の場が拡大した一方で、誤情報やフェイクニュースの拡散、プライバシー問題、サイバー攻撃といった新たな課題も生み出した。また、IT企業が提供するプラットフォームに多くの情報やサービスが集中する「中央集権化」の傾向も強まり、プラットフォーマーの巨大な影響力やデータの独占といった問題意識も高まっていった。
Web 2.0はインターネットの歴史において画期的なフェーズであり、今日のデジタル社会の基盤を築いたと言える。この時代の進化がなければ、スマートフォンアプリの普及やクラウドサービスの隆盛、人工知能の発展も、現在の形では存在しなかったかもしれない。しかし、その中央集権的な構造やデータ利用の透明性といった課題に対し、ブロックチェーン技術などを活用した「Web 3.0」の概念が次なる進化として議論されていることも付け加えておく。Web 2.0は、インターネットが単なる情報媒体から、社会全体を巻き込む参加型エコシステムへと変貌を遂げた重要な転換点であった。