【ITニュース解説】I tried adding a 3D game inside my social media app (React + Three.js)

2025年09月10日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「I tried adding a 3D game inside my social media app (React + Three.js)」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

ソーシャルメディアアプリ開発者が、ReactとThree.jsを使い、アプリ内に3Dゲームを組み込む実験を行った。簡単な3Dキャラクターをアプリ内で動かすことに成功したが、マルチプレイヤー化は失敗。その開発過程や学びを共有している。

ITニュース解説

現代の多くのソーシャルメディアアプリは、ユーザーが日々目にする情報フィード、投稿に対する「いいね」機能、そして無限に続くスクロールといった、似たような利用体験を提供する傾向がある。このような状況に対し、ある開発者は「もし今、自分が開発しているソーシャルメディアアプリの中に、直接3Dゲームを組み込んだらどうなるだろうか」という斬新なアイデアを思いついた。これは、単にアプリの機能を追加するだけでなく、ユーザーに全く新しい、より没入感のある体験を提供しようという画期的な試みだった。

このプロジェクトの核心は、ウェブ開発で広く使われている二つの強力な技術、ReactとThree.jsを組み合わせることにあった。Reactは、ウェブアプリケーションのユーザーインターフェース、具体的には画面上に表示されるボタンやテキスト、画像などの要素を効率的に構築するためのJavaScriptライブラリである。複雑なUIを持つアプリでも、Reactを使うことで各部品を個別に開発し、それらを組み合わせて全体を構成できるため、開発効率が向上し、コードの管理も容易になる。一方、Three.jsは、ウェブブラウザ上で3Dグラフィックスを描画・操作するためのJavaScriptライブラリだ。通常、3Dグラフィックスの表示には高度な計算と専門的な知識が必要とされるが、Three.jsを使えば、比較的容易にウェブページ上で立体的なオブジェクトを表示したり、それらにアニメーションをつけたりできる。この二つの技術を組み合わせることで、開発者はReactで構築された通常のウェブアプリの画面の中に、Three.jsを使って作成された3D空間やキャラクターをシームレスに表示することを目指した。

開発は段階的に進められた。まず、開発中のアプリには、リアルタイムで通知を表示する機能が既に半分完成していた。このリアルタイム通信の基盤は、ユーザーがアプリ内で何らかの活動をした際にすぐに情報が伝わるような仕組みの一部として、この新しい試みにも活用できるものだった。そこから、いよいよThree.jsとReactを連携させる具体的な作業が始まった。Reactのコンポーネントの中でThree.jsのシーンを管理できるように、両者をつなぐ「ラッパー」と呼ばれるコードを試行錯誤しながら作成した。これにより、Reactで構築された通常のウェブ画面の中に、3Dの要素をまるで通常のUIの一部のように自然に組み込むことが可能になった。

初期の目標は、非常にシンプルな3Dキャラクターをアプリの画面内に登場させ、実際にそのキャラクターが動き回れるようにすることだった。この段階で、ウェブアプリケーションの中で3Dの空間が構築され、その中でユーザーが操作できるキャラクターが存在するという、これまでのソーシャルメディアアプリにはなかった画期的な一歩が踏み出された。これは、単なる静的な画像や動画では提供できない、動的でインタラクティブな体験の始まりだった。

しかし、開発者の野望はそこで終わらなかった。さらに壮大な目標として、この3Dゲームをマルチプレイヤー対応にすることを目指したのだ。具体的には、まるでInstagramのようなソーシャルフィードの機能と、Robloxのようなマルチプレイヤーゲームの要素を融合させるという構想だった。複数のユーザーが同じ3D空間内でリアルタイムに交流できるようにするためには、WebSocketsという技術が不可欠となる。WebSocketsは、ウェブブラウザとサーバー間で「持続的な接続」を確立し、双方向のリアルタイム通信を可能にするプロトコルだ。一般的なウェブ通信がリクエストとレスポンスを繰り返す一時的なものであるのに対し、WebSocketsは一度接続が確立されれば、いつでもお互いにデータを送り合うことができる。これにより、ゲーム内でのキャラクターの位置情報やアクションなどを瞬時に他のプレイヤーと同期させることが可能になる。

このマルチプレイヤー機能の実装は、しかしながら非常に困難な挑戦だった。結果として、開発者はこの試みが「華々しく失敗した」と表現している。これは、技術的な複雑さ、あるいはパフォーマンスの課題、複数のユーザー間でのデータ同期の問題など、さまざまな要因が絡み合って、意図した通りのマルチプレイヤー体験を実現できなかったことを示唆している。しかし、この失敗は決して無駄ではなかった。開発者はこの過程で多くのシステムの構築やコードの実装を行い、数々の困難に直面し、そこから貴重な教訓を得た。ウェブ開発、特にReactと3Dグラフィックスの組み合わせ、さらにリアルタイム通信を伴うマルチプレイヤー機能の開発がいかに複雑で、多くの技術的課題を伴うかを身をもって体験したのだ。

この一連の試みは、既存のウェブアプリケーションの枠を超え、ユーザーに新しいインタラクションとエンゲージメントの形を提供する可能性を示している。ソーシャルメディアアプリが単なる情報消費の場ではなく、ユーザーが直接参加し、創造し、交流できる3D空間へと進化する未来を描くものと言えるだろう。特にウェブ開発、React、そして3Dグラフィックスを用いた実験に興味を持つ開発者にとって、この挑戦とその中で得られた知見は、次のプロジェクトへの大きなインスピレーションとなるに違いない。このプロジェクトは、成功と失敗の両方を通じて、ウェブ技術の限界を探り、新しいユーザー体験を創造することの重要性を教えてくれる。

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