【ITニュース解説】How do I remove VirtualBox from my MacBook? I tried removing it even with Terminal, but it says "Command not found."
2025年09月08日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「How do I remove VirtualBox from my MacBook? I tried removing it even with Terminal, but it says "Command not found."」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
MacBookから仮想化ソフトVirtualBoxを削除しようとするも、ターミナルでアンインストールコマンドを実行しても「Command not found」エラーが出てしまい、削除できないとユーザーが困惑している。
ITニュース解説
Mac上でVirtualBoxという仮想化ソフトウェアを削除しようとした際、「Command not found」というエラーに直面したケースを題材に、ソフトウェアの削除、コマンドラインの利用、そしてトラブルシューティングの基本的な考え方を解説する。システムエンジニアを目指す上で、これらの知識は不可欠だ。
VirtualBoxは、Oracle社が提供する無料のオープンソース仮想化ソフトウェアである。これを使うと、Macのような物理的なコンピュータ(ホストOS)の中に、WindowsやLinuxなどの別のOS(ゲストOS)を仮想的にインストールし、同時に動かすことができる。開発環境の構築、異なるOSでの動作確認、安全なサンドボックス環境でのテストなどに広く利用されている。システムエンジニアにとって、複数の開発環境を効率的に管理するために重要なツールの一つだ。
Macでアプリケーションを削除する最も一般的な方法は、Finderの「アプリケーション」フォルダから該当のアイコンをゴミ箱へドラッグするか、Launchpadでアイコンを長押しして「×」ボタンをクリックすることである。しかし、これらは主にアプリケーション本体を削除するだけで、関連する設定ファイル、キャッシュ、ログファイル、そしてVirtualBoxのようにシステムに深く組み込まれるカーネル拡張(Kext)などは残ってしまうことが多い。特にVirtualBoxは、仮想マシンを作成し、ネットワークやUSBデバイスへのアクセスを制御するため、OSの低レベルな部分にフックするカーネル拡張をインストールする。これらのコンポーネントが残っていると、システムのリソースを消費したり、将来的に他のソフトウェアとの競合を引き起こしたりする可能性があるため、完全に削除することが望ましい。
Terminal(ターミナル)は、Macに標準で搭載されている、コマンドラインインターフェース(CLI)という形式でコンピュータを操作するためのツールだ。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)がマウスやトラックパッドでアイコンをクリックして操作するのに対し、CLIはキーボードで特定の命令(コマンド)を入力して実行する。システムエンジニアにとってTerminalの習得は必須である。サーバの管理、プログラムのコンパイル、スクリプトの実行、システム設定の変更など、GUIでは難しい、あるいは非効率な多くの作業をTerminalを通じて行うためだ。OSの仕組みを深く理解し、より効率的で強力な操作を可能にする。
今回直面した「Command not found」というエラーは、Terminalで入力したコマンドが、システムによって「どこにあるのか見つけられない」ことを意味する。これは主に以下のいずれかの原因で発生する。一つ目は、コマンド名が間違っている場合。スペルミスや大文字・小文字の違いなどが原因となる。二つ目は、コマンドがそもそもシステムにインストールされていない場合。三つ目は、コマンドがインストールされているにもかかわらず、そのコマンドが実行可能な場所(ディレクトリ)がシステムの「PATH(パス)」という環境変数に登録されていない場合である。PATHは、Terminalがコマンドを探すためのディレクトリのリストで、通常は/usr/local/binや/usr/binなどの標準的な実行ファイルが置かれる場所が登録されている。もし、アンインストール用のスクリプトが特定の場所にあり、その場所がPATHに含まれていなければ、システムはコマンドを見つけられないため「Command not found」となる。
VirtualBoxを完全に削除するためには、通常、以下の手順を検討する。まず最も推奨されるのは、VirtualBoxの公式インストーラーに付属しているアンインストーラを利用する方法だ。VirtualBoxのインストーラーファイル(.dmg)を再度開き、その中に「VirtualBox_Uninstall.tool」のような名前のシェルスクリプトやアンインストーラアプリが含まれている場合がある。これを実行することで、アプリケーション本体だけでなく、関連するカーネル拡張や設定ファイルも適切に削除できることが多い。スクリプトを実行する際は、管理者権限が必要となるため、sudoコマンドを用いる場合がある。sudoは「super user do」の略で、一時的にrootユーザー(システム管理者)の権限でコマンドを実行するためのものだ。パスワードの入力を求められたら、Macのログインパスワードを入力する。
もし公式のアンインストーラが見つからない、またはうまく動作しない場合、手動で関連ファイルを削除する必要がある。これには、以下の場所をチェックすることが含まれる。アプリケーション本体は/Applications/VirtualBox.appに存在し、仮想マシンファイルはデフォルトでユーザーのホームディレクトリ内(例: /Users/あなたのユーザー名/VirtualBox VMs/)にある。これは削除すると仮想マシン自体も失われるため、必要であればバックアップを取るべきだ。設定ファイルは/Library/Application Support/VirtualBox/、~/Library/VirtualBox/、~/Library/Preferences/org.virtualbox.app.VirtualBox.plistなどにある。~/Libraryは通常非表示フォルダであるため、Finderの「移動」メニューから「フォルダへ移動...」を選択し、~/Libraryと入力してアクセスする必要がある。カーネル拡張は/Library/Extensions/VBox*.kextなどに存在する。これらはシステムに深く関わるため、sudo rm -rf /Library/Extensions/VBox*.kext のようにsudoを付けて削除する必要がある。起動エージェントも/Library/LaunchDaemons/org.virtualbox.vboxautostart.plist、/Library/LaunchAgents/org.virtualbox.vboxwebsrv.plistなどに存在する可能性がある。
これらのファイルを一つずつ特定し、rmコマンド(ファイルを削除)やrmdirコマンド(空のディレクトリを削除)を用いて削除していく。しかし、手動での削除は誤ってシステムファイルを消してしまうリスクもあるため、慎重に行う必要がある。不明な場合は、必ずVirtualBoxの公式ドキュメントや信頼できる技術情報を参照し、一つずつ確認しながら進めるべきだ。トラブルシューティングの基本的な姿勢として、エラーメッセージを正確に読み解くことが重要である。「Command not found」であれば、まずはコマンドのスペルを確認し、次にそのコマンドが存在する場所がPATH環境変数に含まれているかを確認する。VirtualBoxの削除に関しては、まず公式のアンインストール手順を探すのが最善策だ。それでも解決しない場合は、エラーメッセージや試した手順を具体的に記録し、コミュニティやフォーラムで質問するのも良い方法である。
今回のケースは、ソフトウェアのライフサイクル管理、OSの基本操作、そして問題解決能力という、システムエンジニアに求められる基本的なスキルセットを浮き彫りにする。これらの経験を通じて、より堅牢なシステムを構築し、運用できるシステムエンジニアを目指せるだろう。