Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】I've built a collapsible ASCII tree generator

2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「I've built a collapsible ASCII tree generator」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

ドキュメント作成で使うテキスト階層図(ASCIIツリー)を生成するツールが公開された。クリックで項目を開閉できるインタラクティブなHTML版と、コピー&ペーストしやすいプレーンテキスト版を簡単に出力できるのが特徴だ。(117文字)

出典: I've built a collapsible ASCII tree generator | Dev.to公開日:

ITニュース解説

システム開発の世界では、プログラムのコードを書くだけでなく、その設計や仕様、使い方などを記録した「ドキュメント」を作成することが極めて重要である。このドキュメントを分かりやすく記述するための手法の一つに、「ASCIIツリー」がある。ASCIIツリーとは、キーボードで入力できるテキスト文字、いわゆるASCII文字だけを使い、線や記号を組み合わせて木の枝のような図を描くことで、ファイルやディレクトリの階層構造、あるいはプログラムのコンポーネント構成などを視覚的に表現するものである。例えば、コマンドラインでtreeコマンドを実行した際に表示される、あのテキストベースの階層図がまさにASCIIツリーだ。この手法はシンプルでありながら、複雑な構造を直感的に伝えるのに非常に有効で、多くの開発現場で利用されている。しかし、従来のASCIIツリーは静的なテキストであるため、階層が非常に深くなったり、項目数が多くなったりすると、全体が長大になりすぎてしまい、かえって見づらくなるという課題があった。

この課題を解決するため、ある開発者によって「折りたたみ可能なASCIIツリージェネレーター」が開発された。このツールが画期的なのは、生成されたツリーがインタラクティブであるという点だ。ユーザーはWebページ上に表示されたツリーの各項目をクリックすることで、その配下にある子要素の表示と非表示を自由に切り替えることができる。これにより、最初は全体の概要だけをすっきりと表示しておき、詳細を確認したい部分だけを展開して見ることが可能になる。例えば、大規模なプロジェクトのディレクトリ構造を説明する際に、このツールを使えば、ドキュメントの閲覧者は最上位のディレクトリ構造から順に、興味のある部分だけを掘り下げて確認できる。これにより、情報量が非常に多い場合でも、ドキュメントの可読性を劇的に向上させることができる。

このツールの開発経緯も興味深い。開発者は当初、Vue.jsという人気のJavaScriptフレームワークを使って、このインタラクティブなツリーを「コンポーネント」として実装することからプロジェクトを開始した。Vue.jsのようなフレームワークは、Webページに動的な機能を追加するのを容易にしてくれる強力な道具である。しかし、開発を進める中で、よりシンプルで汎用性の高いアプローチへと方針を転換した。最終的に完成したジェネレーターは、特定のJavaScriptフレームワークに一切依存しない、純粋なHTMLだけで折りたたみ機能を実現している。これは、HTMLに標準で備わっている<details>タグと<summary>タグを巧みに利用することで達成された。<details>タグは内部のコンテンツを格納するコンテナとして機能し、<summary>タグはそのコンテンツの要約やタイトルを表示する。ブラウザはデフォルトで<summary>部分をクリックすると、<details>タグ内のコンテンツが表示されたり隠されたりする機能を備えている。このHTMLの標準機能を用いることで、JavaScriptを一行も書かずに、軽量で、かつどのようなWeb環境でも動作する折りたたみツリーを実現したのである。このアプローチの最大の利点は、その移植性の高さにある。Vue.jsやReactといった特定の技術スタックに縛られることなく、生成されたHTMLコードをコピー&ペーストするだけで、あらゆるWebサイトや、Markdownで記述されたドキュメント(例えばGitHubのREADMEファイルなど)に簡単に組み込むことができる。

さらに、このジェネレーターは純粋なHTML版だけでなく、従来の静的なプレーンテキスト版のASCIIツリーを生成する機能も備えている。これにより、Webページのようなインタラクティブな環境だけでなく、テキストエディタやソースコードのコメント内など、単純なテキストとしてツリー構造を貼り付けたい場合にも対応できる。開発者は、ドキュメントを記述する様々な場面を想定し、用途に応じて最適な形式を選択できるよう配慮している。

このツールは完成したわけではなく、開発者は今後の方向性について広く意見を求めている。例えば、これを「Webコンポーネント」として発展させる案がある。Webコンポーネントは、フレームワークに依存せずに再利用可能なUI部品を作成するための標準技術であり、これを用いれば、より簡単にツリーコンポーネントをカスタマイズして利用できるようになるだろう。あるいは、再びVue.jsやReactといった特定のフレームワーク専用のコンポーネントとしてパッケージ化し、各エコシステム内での利便性を高める道もある。また、プログラムからツリー生成機能を呼び出せるように「API」を提供するという選択肢も考えられる。これにより、他のアプリケーションやスクリプトから動的にツリーデータを生成し、利用することが可能になる。このように、一つのシンプルなアイデアから生まれたツールが、コミュニティからのフィードバックを得ながら、さらに多様な形で発展していく可能性を秘めている点は、ソフトウェア開発の面白さそのものを体現していると言えるだろう。

関連コンテンツ

【ITニュース解説】I've built a collapsible ASCII tree generator | いっしー@Webエンジニア