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【ITニュース解説】AWSのサーバレス「AWS Lambda」と「AWS Fargate」の違いとは?

2025年09月08日に「TechTargetジャパン」が公開したITニュース「AWSのサーバレス「AWS Lambda」と「AWS Fargate」の違いとは?」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

AWS LambdaとAWS Fargateは、アプリケーションのデプロイに特化したAWSのサーバレスサービスだ。本記事は、この二つのサービスが具体的にどう異なり、それぞれが持つ特徴を比較して解説する。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す初心者にとって、クラウド技術は避けて通れない分野だ。特にAmazon Web Services(AWS)は多くの企業で利用されており、その中の「サーバレス」という考え方は非常に重要になる。サーバレスとは、開発者がアプリケーションのコードを書くことに集中し、そのコードを動かすためのサーバー(OSやミドルウェアのインストール、パッチ適用、スケーリングなどの運用管理)を意識する必要がなくなる技術概念を指す。つまり、インフラの管理から解放され、より効率的に開発を進められるメリットがある。AWSには、このサーバレスを実現する代表的なサービスとして「AWS Lambda」と「AWS Fargate」が存在する。これらはどちらもアプリケーションをデプロイし実行するためのサービスだが、その特性には大きな違いがあるため、それぞれの特徴を理解し、適切な場面で使い分けることが肝要だ。

まず、AWS Lambdaについて説明する。Lambdaは、イベント駆動型のコンピューティングサービスだ。これは、特定のイベントが発生したときにだけコードが実行されるという特徴を持つ。例えば、S3バケットにファイルがアップロードされたとき、データベースに新しいデータが書き込まれたとき、HTTPリクエストを受け取ったとき、あるいはタイマーによって定期的に、といった多様なイベントがトリガーとなり、開発者が事前に作成した関数(コードのまとまり)が実行される。Lambdaの実行単位は「関数」であり、開発者は特定のタスクを実行する短いコードを記述し、それをLambdaにデプロイする。この関数は通常、数秒から最大15分という比較的短い時間で処理を完了するように設計される。Lambdaの大きな利点は、リソースの自動的なスケーリングだ。イベントが大量に発生すれば、Lambdaは自動的に複数の関数インスタンスを起動し、処理を並行して実行する。イベントがなければ、何のインスタンスも起動せず、コストは発生しない。課金は、関数の実行回数、実行時間、そして割り当てたメモリ量に基づいて行われるため、使った分だけ支払うという非常に効率的なコストモデルを持っている。主に、APIのバックエンド処理、データ変換処理、ファイルアップロード時のサムネイル生成、IoTデバイスからのデータ処理、チャットボットの処理など、短時間で完結する特定のタスクを実行するのに適している。

次に、AWS Fargateについて解説する。Fargateもサーバレスコンピューティングの一種だが、Lambdaとは異なるアプローチを取る。Fargateは、コンテナ化されたアプリケーションを実行するためのサービスだ。コンテナとは、アプリケーションとその実行に必要なすべての環境(コード、ランタイム、システムツール、ライブラリなど)を一つのパッケージにまとめたもので、どこでも一貫した動作を保証する技術である。Fargateを利用すると、開発者はDockerなどのコンテナイメージを作成し、それをFargateにデプロイするだけで、サーバーのプロビジョニングやパッチ適用、スケーリングといったインフラ管理の心配なく、コンテナを実行できる。従来のAWS Elastic Container Service(ECS)やAWS Elastic Kubernetes Service(EKS)でコンテナを動かす場合、通常はEC2インスタンスという仮想サーバーを事前に起動し、その上でコンテナを管理する必要があったが、FargateはそのEC2インスタンスの管理をAWSに任せることで、真の意味でのサーバレスを実現する。Fargateは、ウェブアプリケーション、マイクロサービス、長時間のバッチ処理など、継続的に稼働する必要があるアプリケーションや、比較的長時間実行されるアプリケーションのホスティングに非常に適している。Lambdaのような実行時間の制限は実質的にない。課金は、アプリケーションに必要なvCPU(仮想CPU)とメモリのリソースを予約し、それが稼働している時間に対して発生する。

AWS LambdaとAWS Fargateの最も根本的な違いは、その「実行単位」と「管理レベル」にある。Lambdaは「関数」を最小実行単位とし、非常に短い時間で完了する特定のタスクに特化している。開発者はコードだけを用意すればよく、ランタイム環境やOSの管理は完全にAWSに委ねられる。一方Fargateは「コンテナ」を最小実行単位とし、アプリケーション全体や複数のサービスをまとめたものを実行するのに適している。開発者はコンテナイメージを作成する必要があるが、そのコンテナ内部のランタイムやOSの構成は開発者が自由に決定できる。しかし、そのコンテナを動かす基盤となるサーバーの管理はAWSが行うため、EC2インスタンスを直接管理する手間は省ける。

実行時間の観点では、Lambdaには最大15分という制限があるが、Fargateにはこのような実質的な制限はないため、長時間の処理や常時稼働が必要なサービスはFargateが適している。課金モデルも異なる。Lambdaは「イベントが発生してコードが実行された分だけ」課金される従量課金モデルが徹底されている。Fargateは、コンテナが稼働している間、予約したリソースに対して課金が発生するため、Lambdaよりも継続的なコストが発生しやすいが、その分、実行時間の制約を受けずに安定したサービスを提供できる。

どちらのサービスを選ぶかは、開発しようとしているアプリケーションの特性によって決まる。もし、HTTPリクエストやファイルアップロードといった特定のイベントに応じて短時間で処理が完結するような、いわゆる「イベント駆動型」のバックエンド処理やデータ処理を実装したいのであれば、Lambdaが優れた選択肢となる。これにより、非常に細かい単位でのコスト最適化と高いスケーラビリティを享受できる。一方、従来のウェブアプリケーションや、複数のマイクロサービスを組み合わせて構成されるシステム、あるいは長時間稼働するバッチ処理など、コンテナ化された環境で柔軟なランタイムやライブラリの管理が必要で、継続的な稼働が求められる場合には、Fargateが適している。これにより、サーバー管理の負担を軽減しつつ、コンテナのポータビリティと柔軟性を活用できる。

結局のところ、LambdaとFargateはどちらもサーバレスという大きな目標を共有しながらも、それぞれ異なるユースケースと要件に対応するために設計されている。システムの要件を正確に理解し、それに見合ったサービスを選択することが、効率的でコスト効果の高いシステムを構築する鍵となる。

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