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【ITニュース解説】バックアップデータの保管場所はやはり「自社」がいい? 利点と欠点を整理

2025年09月26日に「TechTargetジャパン」が公開したITニュース「バックアップデータの保管場所はやはり「自社」がいい? 利点と欠点を整理」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

バックアップデータの保管は、クラウドだけでなく自社インフラへの保管(オンサイトバックアップ)も選択肢。採用が広がるオンサイトバックアップのメリットとデメリットを整理する。

ITニュース解説

システム開発や運用において、データのバックアップは極めて重要な要素だ。なぜなら、システム障害、ヒューマンエラー、サイバー攻撃、自然災害など、あらゆる予期せぬ事態から大切なデータを守り、業務の継続性を確保するために不可欠だからだ。バックアップデータの保管場所として、外部のクラウドサービスを利用する方法が近年主流となっているが、企業の自社インフラに保管する「オンサイトバックアップ」という選択肢が改めて注目を集めている。これは、単に古い方式が回帰しているのではなく、クラウドのメリット・デメリットを理解した上で、自社の状況に最適な選択を模索する動きと言える。

オンサイトバックアップとは、企業が保有するシステムから作成したバックアップデータを、自社の施設内にあるストレージ機器やサーバーに保管する運用形態を指す。例えば、会社のサーバー室に設置された専用のバックアップサーバーやNAS(ネットワーク接続ストレージ)にデータを保存するイメージだ。これに対し、外部のデータセンターやクラウドサービスにデータを預ける方式を「オフサイトバックアップ」や「クラウドバックアップ」と呼ぶ。オンサイトバックアップの最大の特長は、データが常に自社の物理的な管理下にあるという点だ。

このオンサイトバックアップには、いくつかの明確な利点がある。まず、データ転送速度と復旧時間の速さだ。バックアップデータの保存や復旧は、社内のネットワークを通じて行われるため、非常に高速だ。大規模なデータを扱う場合でも、インターネット回線の速度に左右されず、迅速なバックアップと、万が一のシステム障害発生時にも短時間でシステムを元の状態に戻すことができる。これは、RTO(目標復旧時間:システムが停止してから復旧するまでの目標時間)を短縮し、業務停止期間を最小限に抑える上で大きなメリットとなる。次に、セキュリティとデータ主権の確保だ。データが自社の物理的な管理下にあるため、セキュリティポリシーを自社で完全にコントロールできる。データが外部に一切出ないため、情報漏洩のリスクを低減できると考える企業も多い。また、特定の業界で求められる厳しいデータ保管に関するコンプライアンス(法令遵守)要件を満たしやすいという利点もある。さらに、コスト管理の明確さも挙げられる。初期投資としてストレージ機器やサーバーの購入費用は発生するが、一度導入してしまえば、クラウドサービスのようにデータ量や通信量に応じた従量課金が発生しない。このため、ランニングコストが予測しやすく、長期的な視点で見ればコストを抑えられる可能性がある。最後に、ネットワーク依存性の低減がある。インターネット回線が不通になったり、クラウドサービス側で障害が発生したりしても、自社内でバックアップデータの管理・復旧作業を継続できる。これにより、外部環境の変化に左右されにくい安定した運用が可能となる。

一方で、オンサイトバックアップには欠点も存在する。第一に、初期投資と運用管理の負担が大きいことだ。バックアップシステムを自社で構築する場合、ストレージ機器、サーバー、バックアップソフトウェアの購入といった初期投資が必要になる。さらに、それらを設置するためのスペース、電力、空調設備なども考慮する必要がある。また、システムの導入後も、機器のメンテナンス、監視、容量管理、セキュリティ対策、トラブルシューティングなど、運用管理には専門的な知識を持つ人材と継続的な労力が必要となる。第二に、災害耐性の問題がある。オンサイトバックアップは、保管場所が自社施設内に限定されるため、火災、地震、水害といった自然災害や、社内での盗難、破壊行為など、物理的な災害に対して脆弱だ。もし自社施設が被災すれば、システムだけでなくバックアップデータも同時に失われるリスクがある。このリスクを軽減するためには、オンサイトバックアップと併せて、遠隔地のデータセンターやクラウドサービスにもバックアップデータを保管する「オフサイトバックアップ」を組み合わせる運用が不可欠となる。第三に、拡張性の限界だ。データ量が増加した場合、オンサイトストレージの容量を増やすためには、追加のストレージ機器を購入・導入する必要がある。これは、物理的な制約や予算の制約により、クラウドサービスのような柔軟かつ迅速な容量拡張が難しいことを意味する。将来のデータ増加予測が難しい場合や、急激なデータ増加が見込まれる場合には、オンサイト環境での対応が課題となることがある。第四に、物理的なセキュリティ対策の手間とコストだ。データが物理的に社内に存在するため、情報漏洩やデータ破壊のリスクを低減するには、サーバー室への入退室管理、監視カメラの設置、鍵の管理といった厳重な物理的セキュリティ対策が不可欠だ。これらを適切に実施するにはコストと手間がかかる。

オンサイトバックアップとクラウドバックアップは、それぞれに明確な利点と欠点がある。どちらが優れているという単純な答えはなく、企業の規模、業種、扱うデータの性質、セキュリティ要件、コンプライアンス、予算、そして何よりもRTO(目標復旧時間)やRPO(目標復旧時点:システム障害発生時にデータをどこまで巻き戻せるかを示す目標時点)といったビジネスの要件によって最適な選択は異なる。データ転送速度の速さ、自社での厳密なセキュリティコントロール、予測可能なコストといった点を重視する企業にはオンサイトバックアップが魅力的だ。しかし、初期投資の大きさ、運用管理の負担、災害耐性の課題、そして柔軟な拡張性の限界といったデメリットも存在する。現代のIT戦略においては、これらのデメリットを補完するために、オンサイトとオフサイト(クラウド)を組み合わせた「ハイブリッドバックアップ」の導入が一般的な傾向となっている。このハイブリッド戦略は、オンサイトの速度とコントロール、オフサイトの災害耐性と拡張性を両立させることで、より堅牢で柔軟なデータ保護を実現する賢明な選択肢となるだろう。システムエンジニアを目指す上では、それぞれのバックアップ方式の特性を理解し、企業のニーズに合わせて最適なソリューションを提案できるようになることが重要だ。

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