【ITニュース解説】Copilot Studioで作成したエージェントをSharePointにサイドパネルとして設置する。
2025年09月15日に「Qiita」が公開したITニュース「Copilot Studioで作成したエージェントをSharePointにサイドパネルとして設置する。」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Copilot Studioで作成したAIチャットボットを、SharePoint Onlineにサイドパネルとして設置する手順を解説。社内利用促進のため、チャットボットを企業の情報共有基盤に組み込む方法を初心者にも分かりやすく紹介している。
ITニュース解説
この解説は、Microsoftが提供するAIチャットボット作成ツールであるCopilot Studio(コパイロットスタジオ)で開発したエージェント(チャットボット)を、企業内の情報共有基盤であるSharePoint Online(シェアポイントオンライン)に、利用しやすいサイドパネルの形式で組み込む方法を説明した記事の内容を紐解く。システムエンジニアを目指す初心者にとって、複数のクラウドサービスを連携させて実用的なビジネスソリューションを構築する具体的な手法が理解できるだろう。
まず、Copilot Studioについて説明する。これは、プログラミングの専門知識がなくても、視覚的なインターフェースを使ってAIチャットボットを簡単に作成できるツールだ。ここで「エージェント」という言葉が使われているが、これはCopilot Studioで作成された、ユーザーからの質問に自動で応答するチャットボットそのものを指す。企業においては、社員からのよくある質問に答えたり、社内システムと連携して情報を提供したりするなど、様々な形で業務効率化に貢献することが期待されている。
次に、SharePoint Onlineについて解説する。これはMicrosoft 365の一部として提供されるクラウドサービスで、企業が文書やファイルを共有したり、チームで共同作業を行ったりするためのウェブサイトや情報ポータルを簡単に構築できるプラットフォームだ。多くの企業で、社内ポータルや部門間の情報共有サイトとして活用されている。この記事のテーマである「サイドパネルとして設置する」とは、SharePointのウェブサイト画面の右端や左端に、常に表示される小さな領域(パネル)としてチャットボットを埋め込むことを意味する。これにより、ユーザーはSharePointで作業をしている最中でも、画面を切り替えることなく、いつでもチャットボットに質問を投げかけられるようになるため、情報へのアクセスが非常にスムーズになる。
チャットボットをSharePointに設置する最大の目的は、社内利用における利便性を大幅に向上させることにある。例えば、社員が特定の規程を探したり、休暇申請の方法を調べたりする際に、SharePointのサイト内で直接チャットボットに質問すれば、必要な情報に素早くたどり着ける。これは、情報検索にかかる時間を削減し、社員の生産性向上に直結する重要な取り組みだ。
しかし、単にチャットボットをウェブページに埋め込むだけでは、企業利用においていくつかの課題が発生する。特に重要なのが「認証」の問題だ。企業内で利用されるチャットボットは、誰が利用しているかを特定し、そのユーザーに応じた適切な情報を提供したり、セキュリティを確保しながら他のシステムと連携したりする必要がある。もしユーザーがチャットボットを利用するたびにログインを求められるようでは、せっかくの利便性が損なわれてしまう。
この課題を解決するために、「シングルサインオン(SSO)」という認証技術が用いられる。シングルサインオンとは、一度ログインするだけで、関連する複数のサービスやアプリケーションに再ログインすることなくアクセスできる仕組みのことである。今回のケースでは、SharePoint Onlineにログインしたユーザーが、追加の認証なしでチャットボットも利用できるようにすることを目指す。
記事では、このシングルサインオンを実現するための具体的な技術的アプローチが示されている。その手順は次のようなものだ。
まず、Microsoft Azure Active Directory(現在のMicrosoft Entra ID)という、企業内のユーザーアカウントやアプリケーションの認証・認可を管理するサービスにおいて、チャットボットをSharePointに組み込むための「アプリケーション」を登録する。この登録により、チャットボットはMicrosoft 365の他のサービスと連携するための正規の「ID」を持つことになる。さらに、このアプリケーションに対して、必要なAPI(Application Programming Interface)へのアクセス権限を付与する。APIとは、異なるソフトウェア同士が安全に情報をやり取りするための規約や窓口のようなもので、これによりチャットボットがSharePointや他のMicrosoft 365サービスから必要な情報を取得したり、機能を利用したりできるようになる。
次に、この認証プロセスをSharePoint上で円滑に進めるための実装が必要になる。記事では、GitHubで公開されている「SharePointSSOAp...」というサンプルコードの活用が示唆されており、これはSharePoint上で動作するカスタムアプリケーションを開発するためのフレームワークであるSharePoint Framework(SPFx)を利用している可能性が高い。SPFxを用いることで、SharePointの標準機能だけでは実現できないような、より高度な機能やユーザーインターフェースを独自に構築できる。
シングルサインオンの具体的な流れとしては、SharePoint上に配置されたカスタムWebパーツ(SPFxで開発されたアプリケーションの一部)が、Microsoftの自動化ツールであるPower Automateと連携して、現在SharePointを利用しているユーザーの認証トークンを取得する。この認証トークンは、ユーザーが正当な利用者であることを証明する電子的なチケットのようなものだ。その後、このトークンをCopilot Studioで作成したチャットボット(通常はウェブページに「iframe」というHTML要素を使って埋め込まれる)に、セキュリティを考慮した方法で渡す。チャットボットはこのトークンを受け取ることで、ユーザーがすでにSharePointで認証済みであることを認識し、改めてログインを求めることなく、そのままチャットサービスを開始できるようになる。
このような仕組みを構築することで、社員はSharePointの画面を開けばすぐにAIチャットボットを利用でき、日々の業務における情報検索や問い合わせにかかる時間と手間を大幅に削減できる。システムエンジニアを目指す者にとって、この事例は、ローコード開発ツール、クラウドサービス、認証技術、そしてAPI連携といった、現代のシステム開発に不可欠な要素がどのように組み合わされて実用的なソリューションを生み出すのかを学ぶ絶好の機会となる。個々の技術要素を理解するだけでなく、それらを組み合わせてより大きな価値を創造するという視点は、将来のキャリア形成において非常に重要なスキルとなるだろう。実際に手を動かしてこの連携を試すことで、Microsoft 365エコシステムにおけるアプリケーション開発の基礎、認証メカニズム、そしてローコード・ノーコードツールの実践的な活用方法に関する深い知識と経験を得ることができる。