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【ITニュース解説】Automatically Backing Up a GitHub Repository to S3 with GitHub Actions

2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Automatically Backing Up a GitHub Repository to S3 with GitHub Actions」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

GitHub ActionsでGitHubリポジトリをAWS S3へ自動バックアップする方法が公開された。GitHubだけに依存せず、重要なコードを安全に保管するワークフローを簡単に導入できるテンプレートも提供されている。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、日々の開発活動でGitHubのようなバージョン管理サービスを使うことは必須だが、そこに保存している大切なコードのバックアップはどのように考えているだろうか。この記事では、GitHubに預けているコードを、Amazon Web Services (AWS) のストレージサービスであるS3に自動的にバックアップする方法について解説している。これは、GitHubだけにコードの保管を頼るのではなく、万が一の事態に備えて複数の場所にバックアップを持っておくことの重要性から生まれた取り組みだ。

筆者は、コードのバックアップの重要性を説く記事を読んだことがきっかけで、自身のバックアップシステム構築を決意した。一般的なバックアップ方法として、自分のパソコンに定期的にバックアップを取る方法もあるが、パソコンが常に稼働しているとは限らない。そこで、いつでもどこでも実行できるオンラインかつサーバーレスな方法、つまりサーバーを管理することなくサービスとして利用できる方法を探した結果、GitHub Actionsのスケジュール機能に目をつけた。GitHub Actionsは、GitHub上でソフトウェア開発のワークフローを自動化するための機能で、特定のイベント(例えば、コードのプッシュや指定した時刻)をトリガーにして様々な処理を実行できる。この機能を活用することで、人間の手を介さずに定期的なバックアップが可能になる。

具体的なバックアップの仕組みは、いくつかのステップから構成される。まず、GitHub Actionsが設定されたスケジュールに従って起動する。次に、バックアップ対象となるGitHubリポジトリをgit clone --mirrorというコマンドを使って複製する。この--mirrorオプションは、通常のリポジトリのクローンとは異なり、コミット履歴、ブランチ、タグ、リファレンス(参照情報)など、リポジトリのすべての情報を完全にコピーする特殊な方法だ。これにより、後から元のリポジトリを完全に復元できる状態のコピーが手に入る。

複製されたリポジトリ情報は、その後、git bundleコマンドによって一つのバンドルファイルにまとめられる。バンドルファイルは、Gitリポジトリ全体を一つのファイルとしてパッケージ化したもので、これを持ち運んだり、別の場所に保存したりすることで、簡単にリポジトリを復元できるようになる。最後に、このバンドルファイルをAWS S3バケットにアップロードする。AWS S3は、インターネット上で利用できる、非常に信頼性が高くスケーラブルな(容量や負荷に応じて柔軟に拡張できる)オブジェクトストレージサービスで、大切なデータを安全に保存するのに適している。これにより、GitHubに問題が発生した場合でも、S3に保存されたバックアップからコードを復元できる体制が整う。

このバックアップシステムで何が保存されるかというと、リポジトリの完全なコミット履歴はもちろん、すべてのブランチやタグの情報、そしてリポジトリのリモート設定や参照情報といった、コードに関する根幹的な情報が含まれる。これらは、万が一の際にコードの状態を完全に再現するために不可欠な要素だ。一方で、Issue(課題管理)、Pull Request(コード変更の提案)、プロジェクト管理、ディスカッション、GitHub Actionsの実行履歴、Wikiページ、GitHub Pagesで公開している静的ファイル、さらにはブランチ保護ルールのようなリポジトリの設定はバックアップの対象外となる。これらはコード本体というよりは、リポジトリの運用に関連する情報や、別の形で管理可能な情報であることが多いため、今回のバックアップの範囲からは外されている。

このシステムを構築する過程で、いくつかの技術的な課題も発生したようだ。一つは、AWSのコマンドラインツールであるawscliのインストールに関するものだ。GitHub Actionsが実行される環境である「GitHubホスト型ランナー」には、実はawscliがすでにプリインストールされているため、ワークフロー内で改めてインストールしようとするとエラーになったという。これは、利用する実行環境の標準構成を事前に確認することの重要性を示している。

もう一つの課題は、GitHub Personal Access Token(PAT)を使った認証だった。リポジトリにアクセスするための認証方法として、筆者は当初、よりきめ細やかな権限設定が可能な「Fine-grained Personal Access Token」を試したが、認証に失敗した。最終的には、より広範囲の権限を持つ「Classic Token」で、かつリポジトリへのアクセス権限(repoスコープ)を付与することで問題を解決した。これは、API連携の際には、利用するAPIやツールの要求する認証方法と権限を正しく理解し、設定する必要があることを示唆している。また、この認証の問題解決には、GitHub CopilotというAIプログラミングアシスタントが、問題の原因や修正案を提示してくれて非常に役立ったという。AIツールが開発作業の効率化に貢献する良い例だ。

筆者は、自身の環境でこのバックアップシステムが問題なく動作することを確認した後、他の開発者にも役立ててもらいたいと考え、これをテンプレートリポジトリとして公開することを決めた。これは、自身の開発実績を示すポートフォリオの一部にもなり、さらには今回のブログ記事のネタにもなるという、複数のメリットを兼ね備えた行動だった。より多くの人が利用しやすいように、ワークフロー内のコメントは英語で記述され、READMEファイルも日本語と英語の両方で提供されている。また、MITライセンスを付与することで、誰もが自由に利用、改変、配布できるようにしている。

今後の展望としては、自身のリポジトリでしばらく運用を続けながら、ユーザーからのフィードバックを収集する計画だ。そして、AWS S3のライフサイクルポリシーを活用したストレージコストの最適化も検討している。ライフサイクルポリシーとは、S3に保存したファイルの一定期間経過後の自動的なストレージクラス変更(より安価なストレージへの移動)や、自動削除などを設定できる機能で、これにより運用コストを効率的に管理できるようになる。

このプロジェクトは、筆者が英語のブログ記事を読んだことをきっかけに始まり、以前に学んだGitHub Actionsを使った別のプロジェクトの知識と結びつくことで、具体的な成果として形になった。異なる知識や経験が意外な形でつながり、新しいものを生み出すことの価値と楽しさを教えてくれる事例だ。GitHub Actions、GitHub Copilot、AWSといった複数の技術を組み合わせて一つのシステムを構築する過程は、きっとシステムエンジニアを目指す人々にとっても、学びと喜びの多い経験となるだろう。このように、楽しみながら小さなツールを作り、それが他の誰かの役に立つ可能性を秘めていることは、開発者にとって大きなモチベーションとなる。

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