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【ITニュース解説】オンサイトとクラウドの“いいとこ取り” 「ハイブリッドバックアップ」4種

2025年09月29日に「TechTargetジャパン」が公開したITニュース「オンサイトとクラウドの“いいとこ取り” 「ハイブリッドバックアップ」4種」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

データバックアップは自社インフラ(オンサイト)かクラウドかだけでなく、両方を組み合わせる「ハイブリッドバックアップ」がある。これは、それぞれの良い点を活かし、データを効率的に保護する方法だ。記事では、その具体的な4種類の組み合わせ方を紹介する。

ITニュース解説

バックアップは、システム運用において最も重要な要素の一つだ。データは企業の生命線であり、何らかの障害やトラブルによって失われてしまえば、業務が停止し、大きな損害を被る可能性がある。コンピュータシステムの故障、ソフトウェアの不具合、人為的なミス、サイバー攻撃、そして地震や火災といった自然災害まで、データ消失のリスクは常に存在する。これらのリスクに備え、データを安全に保管し、いざという時に元の状態に戻せるようにする仕組みがバックアップなのである。

バックアップデータの保管場所を考えるとき、大きく分けて二つの選択肢がある。一つは「オンサイト」と呼ばれる自社インフラ内にデータを保管する方法、もう一つは「クラウド」と呼ばれるインターネット経由で提供される外部のデータセンターにデータを保管する方法だ。

まず、オンサイトでのバックアップについて見てみよう。これは、自社のオフィスやデータセンター内に、バックアップ用のサーバーやストレージを用意し、そこにデータを保存する方法だ。この方法の最大のメリットは、データの管理を完全に自社で行える点にある。データがどこに保存されているか、誰がアクセスできるかといった物理的なセキュリティを自社でコントロールでき、安心感がある。また、バックアップや復旧の速度が非常に速いという利点もある。ネットワークを介さずに、ローカル環境で直接データを転送できるため、大量のデータを短時間でバックアップしたり、システムを元の状態に戻したりすることが可能だ。しかし、デメリットも存在する。バックアップ用の機器やソフトウェアの導入には初期費用がかかり、その後の運用やメンテナンスも自社の担当者が行う必要があるため、専門知識を持った人員と手間がかかる。また、オフィスやデータセンターが被災した場合、バックアップデータも同時に失われるリスクがあるため、災害対策としては不十分だ。

次に、クラウドでのバックアップについて説明する。これは、Amazon Web Services (AWS) や Microsoft Azure といったクラウドサービス事業者が提供するストレージサービスを利用し、インターネット経由でデータを保存する方法だ。クラウドバックアップのメリットは多岐にわたる。まず、物理的な機器の購入や設置が不要なため、初期費用を抑えられる。また、ストレージ容量が必要に応じて柔軟に増やせるため、データ量の変化にも対応しやすい。運用やメンテナンスはクラウドサービス事業者側が行うため、自社の運用負担を大幅に軽減できる点も魅力だ。さらに、クラウドサービスは複数のデータセンターにデータを分散して保存する仕組みを持っていることが多く、特定の場所で災害が発生してもデータが失われるリスクが低い。まさに災害対策としては非常に有効な手段と言えるだろう。しかし、デメリットも存在する。データのバックアップや復旧はインターネット経由で行われるため、ネットワークの速度や安定性に依存する。大量のデータを扱う場合、オンサイトと比較して時間がかかる可能性がある。また、データのセキュリティやプライバシーについては、クラウドサービス事業者のセキュリティ対策に委ねることになるため、事業者の選定には慎重な検討が必要だ。

このように、オンサイトとクラウドにはそれぞれ一長一短があり、どちらか一方を選ぶだけでは、すべてのリスクに対応しきれない場合がある。そこで登場するのが、「ハイブリッドバックアップ」という考え方だ。これは、オンサイトとクラウドの両方の良い点を組み合わせることで、それぞれの欠点を補い、より堅牢で柔軟なバックアップ体制を構築しようとするアプローチである。

ハイブリッドバックアップの具体的な組み合わせ方はいくつかある。一つの代表的なパターンは、まず日々の業務で発生するデータのバックアップを高速なオンサイト環境で行い、日常的な復旧のニーズに応えるというものだ。そして、そのオンサイトに保存されたバックアップデータを、さらにクラウド上にもコピーして保管するという二重構造にする。この方法だと、普段はオンサイトで迅速にデータを復旧できるため、業務への影響を最小限に抑えられる。もしオンサイト環境が災害などで利用できなくなった場合でも、クラウドに最新のバックアップデータがあるため、そこからデータを復旧させ、事業を継続することが可能になる。これは「3-2-1ルール」というバックアップ戦略の基本原則(データのコピーを3つ、異なる媒体に2つ、オフサイトに1つ保管する)にも合致する考え方で、非常に信頼性が高い。

別のパターンとしては、特定の種類のデータ、例えば高速なアクセスが求められる重要なデータや、頻繁に更新されるデータをオンサイトに置き、それ以外のアクセス頻度の低いアーカイブデータや、長期保存が必要なデータをクラウドに保管するという方法もある。このようにデータの性質に応じて保管場所を使い分けることで、ストレージコストを最適化しつつ、必要なデータへのアクセス速度を確保できる。例えば、直近の業務で使うファイルはオンサイトに、数年前の古い契約書データはクラウドに、といった具合だ。

さらに、クラウドを主軸としてバックアップを行うパターンも考えられる。日常のバックアップをまずクラウド上で行い、そのバックアップデータの一部または全体を、必要に応じてオンサイトのストレージにキャッシュとして一時的に保存しておく、というものだ。これは、クラウドの柔軟性や拡張性を享受しつつ、特定の状況下で高速なローカル復旧が必要な場合に備えることができる。たとえば、ネットワーク障害でクラウドへの接続が一時的に途絶えても、オンサイトのキャッシュから直近のデータを復旧できる可能性がある。

また、災害復旧(DR: Disaster Recovery)の観点からハイブリッドバックアップを構築することもある。オンサイトで運用中のシステム全体のバックアップイメージを定期的にクラウドに転送し、万が一の災害時にはクラウド上でシステムを立ち上げ直す「DR as a Service (DRaaS)」というサービスを利用する形だ。これにより、自社環境が完全に停止しても、クラウド上で代替システムを稼働させ、事業の継続性を確保できる。これは、システム全体の復旧にかかる時間を大幅に短縮し、事業への影響を最小限に抑えることを目的としている。

ハイブリッドバックアップを採用することで得られるメリットは大きい。まず、データの耐障害性が格段に向上する。オンサイトとクラウドという二つの異なる環境にデータを保存することで、どちらか一方に障害が発生しても、もう一方からデータを復旧できる可能性が高まるため、データ損失のリスクを大幅に低減できる。次に、復旧速度の最適化が図れる。頻繁に復旧が必要なデータはオンサイトから高速に、災害時など緊急性が高い場合はクラウドから復旧、といったように、状況に応じて最適な復旧方法を選択できるため、システムのダウンタイムを短縮し、業務再開までの時間を最小限に抑えられる。最後に、コストの最適化も期待できる。全てのデータを高価なオンサイトストレージに保存するのではなく、アクセス頻度や重要度に応じてオンサイトとクラウドを使い分けることで、全体のバックアップコストを抑えることが可能になる。

ハイブリッドバックアップを検討する際には、自社で扱っているデータの種類、データ量、どれくらいの時間でどこまでデータを戻せる必要があるか(RPO: Recovery Point Objective)、そしてシステムをどれくらいの時間で復旧できる必要があるか(RTO: Recovery Time Objective)といった要素を明確にすることが重要だ。また、データのセキュリティ要件や法規制への対応、そして予算も考慮に入れる必要がある。最適なハイブリッドバックアップ戦略は、企業の規模や業務内容、データの特性によって異なるため、これらの要素を総合的に判断し、自社に最適な組み合わせを見つけることが求められる。

バックアップは、一度設定すれば終わりというものではない。システムやデータ量、業務内容の変化に合わせて、定期的にバックアップ戦略を見直し、改善していくことが不可欠だ。ハイブリッドバックアップは、現代の複雑なIT環境において、データの安全性と事業の継続性を確保するための強力な手段となる。システムエンジニアを目指す者として、このような多層的なデータ保護の考え方を理解し、実践できることは非常に重要なスキルとなるだろう。

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