【ITニュース解説】Manual Testing in Modern Software Development: Techniques, Examples, and the Future in the Age of AI.
2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Manual Testing in Modern Software Development: Techniques, Examples, and the Future in the Age of AI.」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AI時代も、ソフトウェア品質保証には人間の直感や創造性を活かす手動テストが重要だ。探索的・回帰テスト、境界値分析、デシジョンテーブルなど多様な技法を使い、バグを見つける。AIが定型業務を担う一方、手動テストはユーザビリティや戦略的判断など、人間にしかできない領域でAIと協調し、その価値を維持する。
ITニュース解説
現代のデジタル社会において、ソフトウェアはあらゆるビジネスの中心にある。モバイルバンキングアプリ、Eコマースプラットフォーム、医療システムなど、ソフトウェアの信頼性はユーザーの信頼に直接影響するため、その品質を保証する上でソフトウェアテストは極めて重要な役割を果たす。
自動テストが広く普及しているが、人間の直感、創造性、判断力を適用できる手動テストは、依然としてその重要性を保っている。機械が完全に再現できないこれらの側面は、手動テストの価値を際立たせるものだ。
手動テストは、テスターが自動化ツールを使わずにテストケースを実行する、人間の労力に依存するテスト手法である。ここでは、広く使われる手動テストの技法を紹介する。
探索的テストは、テスターが事前に用意されたテストケースに従うのではなく、システムを学びながらテストを行う手法だ。テスターは自身の創造性とドメイン知識を活用して、予期せぬバグを発見する。例えば、フードデリバリーアプリで、ユーザーが注文し、途中でキャンセルし、その後すぐに再注文すると何が起こるかを探るようなシナリオが考えられる。このような、文書化されていない振る舞いを発見するのに探索的テストは非常に有効だ。
アドホックテストは、非公式かつ非構造的なテストで、時間がない場合や、テスターが直感に基づいてバグを発見しようとするときに行われることが多い。例えば、Eコマースサイトの配送先住所欄にテスターがランダムに絵文字を入力し、アプリがクラッシュするかどうかを試すことで、潜在的な脆弱性を露呈させるかもしれない。
スモークテストは「ビルド検証テスト」とも呼ばれ、新しいビルドやリリースがデプロイされた後、アプリケーションの主要な機能が正しく動作するかを迅速に確認する。例えば、銀行アプリの新しいバージョンを展開した後、ログイン、口座残高の表示、送金といった基本的な機能がまだ使えるかどうかを素早くチェックする。これらの主要な機能に問題があれば、それ以上の詳細なテストは中断される。
回帰テストは、新しい変更が既存の機能を壊していないことを確認するための手法である。例えば、ある小売ウェブサイトが新しい「後払い」機能を導入したと仮定する。この場合、回帰テストでは、製品検索、カートへの追加、支払いゲートウェイといった既存の機能が引き続き問題なく動作するかを再確認する。
ユーザー受け入れテスト(UAT)は、製品開発の最終段階で行われるテストであり、エンドユーザーや顧客が、製品がビジネス要件に合致しているかを検証する。例えば、病院が新しい患者管理システムを導入した際、医師や看護師が実際にそれを使って、予約のスケジューリング、記録の更新、患者履歴へのアクセスが期待通りにできるかをテストする。
統合テストは、異なるモジュールやシステムが連携してスムーズに動作するかどうかを確認する。例えば、旅行予約プラットフォームでは、フライト予約モジュール、ホテル予約モジュール、支払いゲートウェイが適切に統合されている必要がある。もし、フライトとホテルを一緒に予約する際に問題が発生すれば、統合テストはその問題点を浮き彫りにする。
手動テストの技法には、より体系的なアプローチもある。その一つが境界値分析(BVA)だ。これはブラックボックステストの一種で、入力値の全範囲ではなく、「境界(エッジ)」の入力値に焦点を当てる。欠陥は入力範囲の「端っこ」で発生しやすいという考えに基づいている。例えば、大学の出願フォームで学生の年齢を18歳から25歳まで受け付ける場合、有効な入力値(18, 19, 25)だけでなく、無効な入力値(17, 26)もテストする。具体的には、下限の境界値として17, 18, 19を、上限の境界値として24, 25, 26をテストケースとする。このように境界値をテストすることで、少ないテストケースで多くの欠陥を発見できるため非常に効率的だ。銀行のオンラインクレジットカード申請で、最低給与額が25,000円、最高額が200,000円の場合、24,999円、25,000円、25,001円、199,999円、200,000円、200,001円といった値をテストする。この手法は効率的でテストケースを削減し、重要なポイントで高い欠陥検出率を誇るが、テキストフィールドのような非数値的な検証には適さないという限界がある。
もう一つの体系的な技法がデシジョンテーブルテストである。これは、複数の条件が異なるアクションにつながる場合に用いられる。デシジョンテーブルテストは、起こりうるすべての条件の組み合わせを網羅的にテストすることを保証する。例えば、ログインシステムを考える。「ユーザー名が正しいか」「パスワードが正しいか」「アカウントがアクティブか」という条件に対し、それぞれの真偽の組み合わせが、「ログイン成功」「エラーメッセージ表示」「アカウント無効表示」といった異なるアクションにつながる。デシジョンテーブルを作成することで、テスターはどのような条件の組み合わせも漏らすことなくテストできる。保険アプリの保険料計算のように、年齢層、病歴、喫煙習慣といった複数の条件に基づいて保険料が決まる場合でも、この手法によりすべてのルールが正確に検証される。
人工知能(AI)と機械学習(ML)の台頭により、自動テストは飛躍的に進歩した。AIツールはテストケースを自動で生成したり、欠陥を予測分析したり、回帰テストを高速に実行したりできるようになった。しかし、AIが手動テストを完全に置き換えることはない。AIは反復的なタスクを高速化する一方で、人間の直感を欠いている。例えば、アプリケーションがユーザーフレンドリーであるかというユーザビリティの判断は、人間でなければできない。また、探索的テストにおける人間の創造性、つまり予期せぬシナリオを試す能力は、AIには再現できない。テスターはビジネス要件やユーザーの感情を理解するが、AIはそのような文脈的な理解を持つことが難しい。顧客サービスにおけるチャットボットが良い例だ。AIチャットボットは多くの一般的な問い合わせに対応できるが、フラストレーションを感じている顧客が怒りのメッセージを送ってきた場合、共感的に状況を処理できるのは人間のエージェントである。同様に、テストにおけるAIは強力だが、最終的な判断やクリエイティブな側面には人間が必要とされる。
未来は「人間とAIの協業」であると考えられている。AIは定型的でデータ集約型のタスクを処理し、手動テスターは戦略策定、ユーザビリティテスト、倫理的な側面に関するテスト、そして創造性を要する分野に集中する役割分担が進むだろう。
結論として、手動テストはソフトウェアの品質保証において今後も不可欠な役割を担い続ける。探索的テスト、回帰テスト、ユーザー受け入れテストといった技法は、現実世界でのソフトウェアの信頼性を確保する上で重要だ。また、境界値分析やデシジョンテーブルテストといった構造的な手法は、エッジケースや複雑なビジネスルールを効率的にカバーするのに役立つ。