【ITニュース解説】My First Open Source Code Review Experience
2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「My First Open Source Code Review Experience」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
初めてオープンソースのコードレビューを経験した筆者の学び。CLIツールのレビューを通じ、ドキュメントの不備、インストール時の課題、ライセンスの重要性を発見した。自身のプロジェクトでもユーザー体験や多様なエラー処理の考慮が不足していたと認識。良いOSSは機能だけでなく、多角的な配慮が必須だと痛感した。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す皆さんにとって、ソフトウェア開発の世界は広大だが、その中でも「オープンソース」という言葉を耳にする機会は多いだろう。オープンソースとは、その名の通り、プログラムの設計図であるソースコードが一般に公開されており、誰でも自由に見たり、使ったり、改良したりできるソフトウェアのことだ。多くのソフトウェアはオープンソースの恩恵を受けており、世界中の開発者が協力し合うことで日々進化している。
今回紹介する記事では、ある開発者が初めて「コードレビュー」という作業を体験した話が書かれている。コードレビューとは、他の人が書いたプログラムのコードを読んで、問題がないか、より良くできる点はないかなどを確認する重要なプロセスだ。この経験を通じて、開発者がどのような学びを得たのか、初心者にも分かりやすく解説していこう。
筆者がレビュー対象として選んだのは、「repo-snapshot」というCLIツールだ。CLIツールというのは、マウスでクリックするようなグラフィカルな操作ではなく、コマンド(命令文)を入力して操作するタイプのプログラムのこと。このrepo-snapshotは、プログラムのファイルを管理する場所である「リポジトリ」の構造やファイルの内容を、人間が読みやすいテキスト形式に変換してくれる便利なツールだという。
レビューを進めるにあたり、筆者は「同期的なアプローチ」を採用した。これは、一つずつ段階的に確認を進めていく方法のことだ。具体的には、まずそのソフトウェアが法的に正しく使われているかを確認する「ライセンス遵守」、次に使い方を説明した「ドキュメント」、実際にプログラムが意図通りに動くか試す「機能テスト」、そしてプログラム自体の書き方の問題点を探す「コード品質」という順番で確認していった。 なぜ同期的なアプローチを選んだかというと、筆者はこの方法だと異なる問題点同士のつながりをすぐに見つけられると考えたからだ。例えば、プログラムの設定ファイルに書かれたライセンス情報が、実際に含まれているライセンスファイルや説明書と違っている場合、それらをすぐに照らし合わせて確認できる。もしバラバラに確認していたら、こうした関連性を見落としてしまうかもしれない。
レビューの過程で、筆者はいくつかの予期せぬ発見をした。特に印象的だったのは、プログラムをインストールする最初の段階でつまづいたことだ。READMEという、プロジェクトの概要や使い方を説明するファイルに書かれたインストール手順に従ったところ、すぐにエラーが出てしまったという。「pnpmというコマンドが見つかりません」というエラーメッセージだ。
これは、READMEが、ユーザーがすでにpnpmというパッケージ管理ツールをインストールしていることを前提としていたからだった。多くの開発者が使うnpmというツールは、開発環境であるNode.jsと一緒にインストールされることが多い。しかし、pnpmは別にインストールが必要なツールであり、READMEにはその説明が書かれていなかったのだ。
このことは、新しいユーザーがこのツールを使おうとしたときに、すぐに大きな壁となって立ちはだかることを意味する。せっかく良いツールでも、使うための最初の一歩でつまずいてしまっては、誰も使ってくれないだろう。この経験は、ドキュメントの質がユーザー体験にどれほど重要かを示すものだ。
さらに、このコードレビューの経験は、筆者自身のプロジェクトにも大きな影響を与えた。実は、筆者の別のプロジェクトもレビューを受けており、そこで「エラーハンドリング」の改善が必要だというフィードバックがあったのだ。エラーハンドリングとは、プログラムが予期せぬ問題に遭遇した際に、適切に対処して停止したりせず、ユーザーにわかりやすい形で問題を伝えたり、回復したりする仕組みのことだ。 具体的には、シンボリックリンク(別のファイルやフォルダへのショートカットのようなもの)、権限がないためにファイルにアクセスできない状況、非常に大きなファイルを扱う場合など、筆者が当初は想定していなかった様々な「エッジケース」(特殊な状況や例外的な条件)を考慮する必要があることに気づかされた。 これは、ソフトウェアが「ハッピーパス」(何の問題もなくスムーズに動作する理想的な状況)だけでなく、どんな予期せぬ事態にも対応できる、つまり「ロバスト」(頑丈で安定している)であることの重要性を強く認識するきっかけとなった。ただ動けばいいというだけでなく、あらゆる状況で適切に振る舞うことが、良いソフトウェアには求められるのだ。
このように他者のオープンソースプロジェクトをレビューする経験は、筆者にとって非常に教育的だったと記事は締めくくっている。自分の書いたコードが動くことだけに集中しがちだが、ユーザーが実際にどのようにそのソフトウェアを使うのか、ドキュメントは分かりやすいか、そして法律的な側面であるライセンスは適切に扱われているか、といった多くの視点に注意を払うことの重要性を痛感したという。 優れたオープンソースプロジェクトは、単に機能するコードがあるだけでなく、ユーザー体験、ドキュメントの品質、そして法的な遵守といった、多岐にわたる細部への配慮が必要なのだ。システムエンジニアを目指す皆さんも、将来的にソフトウェア開発に携わる際には、ぜひこの筆者の経験を参考に、コードを書くこと以外の様々な側面にも目を向けてほしい。それが、真に価値のあるソフトウェアを生み出す第一歩となるだろう。