【ITニュース解説】Oracle株急騰でラリー・エリソン会長がイーロン・マスクを抜いて世界一の富豪に、OracleはOpenAIと3000億ドルのクラウドコンピューティング契約を締結
2025年09月11日に「GIGAZINE」が公開したITニュース「Oracle株急騰でラリー・エリソン会長がイーロン・マスクを抜いて世界一の富豪に、OracleはOpenAIと3000億ドルのクラウドコンピューティング契約を締結」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
クラウドコンピューティング大手のOracleが、AI企業のOpenAIと約5年間で3000億ドル規模の契約を結んだ。OracleはOpenAIに計算能力を提供し、その結果、Oracle会長ラリー・エリソン氏は世界一の富豪となった。AIを支えるITインフラの巨大さが分かる事例だ。
ITニュース解説
IT業界に激震が走るニュースが報じられた。データベースやクラウドコンピューティングサービスを提供する巨大企業Oracleが、人工知能(AI)研究開発の最先端を行くOpenAIと、およそ3000億ドル(日本円で約44兆2000億円)という巨額のクラウドコンピューティング契約を締結したというものだ。この契約により、Oracleの株価は急騰し、同社の共同創設者であるラリー・エリソン会長は一時的に世界のトップ富豪に躍り出た。このニュースは、現代のIT業界におけるクラウドコンピューティングとAIの重要性を浮き彫りにしている。
まず、Oracleとはどのような企業なのだろうか。Oracleは、長年にわたり企業向けのデータベースソフトウェア市場で圧倒的なシェアを誇ってきたIT企業である。企業が日々生成する膨大なデータを効率的に管理し、分析するための基盤を提供してきた実績は非常に大きい。しかし、近年では、企業のITインフラが自社でサーバーを構築・運用するオンプレミス型から、インターネット経由でコンピューター資源を利用するクラウドコンピューティングへと移行するトレンドが加速している。Oracleもこの流れに対応し、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」というクラウドサービスを提供し、企業向けの高度なクラウドソリューションを展開している。OCIは、高性能なコンピューティング能力と、Oracleが培ってきたデータベース技術との連携を強みとしている。
次に、OpenAIについて見てみよう。OpenAIは、近年その名を世界中に轟かせたAI研究開発企業だ。特に、人間のような自然な文章を生成する大規模言語モデル(LLM)である「GPT」シリーズや、対話型AIサービス「ChatGPT」の開発で知られている。これらのAIモデルは、膨大な量のテキストデータを学習することで賢さを身につけるが、その学習プロセスには途方もない量の計算資源、つまりコンピューターの処理能力が必要となる。AIモデルの学習や、実際にユーザーからの質問に答える推論処理には、高性能なCPUやGPUが大量に必要とされ、その規模は一般的な企業が自社で賄えるレベルをはるかに超えている。
今回の契約の核心にある「クラウドコンピューティング」とは何だろうか。これは、自社でサーバーやネットワーク機器といったITインフラストラクチャを物理的に保有することなく、インターネットを通じて、必要な時に必要な分だけ、他社が提供するコンピューター資源(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク帯域など)を利用できるサービスモデルを指す。企業は、初期投資を抑えつつ、急な需要の変化にも柔軟に対応してリソースを増減できるという大きなメリットがある。例えば、OpenAIのように、AIモデルの学習時だけ一時的に莫大な計算能力が必要となる場合でも、クラウドサービスを利用すれば、必要な期間だけ高性能なサーバーを借りることができ、コストを最適化できる。
OpenAIがOracleと契約した3000億ドルという金額は、IT業界の歴史の中でも類を見ない規模だ。これは、OpenAIが今後5年間にわたって、Oracleのクラウドサービスから計算能力を調達するために支払う費用とされる。この巨額の契約が意味するのは、OpenAIが今後もAI技術の発展とサービス展開に非常に大きな投資を続ける計画であること、そしてそのための計算資源の需要が天文学的なレベルにあるという事実だ。
では、なぜOpenAIは、既存の主要なクラウドプロバイダー(例えばMicrosoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)など)ではなく、OracleのOCIを選んだのだろうか。OpenAIはこれまで、主要な投資元であるMicrosoftのAzureを主要なクラウド基盤として利用してきた経緯がある。しかし、AI技術の進化とサービスの急拡大に伴い、OpenAIが必要とする計算能力はもはや単一のクラウドプロバイダーだけでは賄いきれないレベルに達していると推測される。また、競合との関係性も影響している可能性がある。OpenAIはMicrosoftとの関係が深いが、ビジネス戦略上、他のクラウドプロバイダーも活用することで、特定のベンダーへの依存度を下げ、リスクを分散させる狙いもあるだろう。OracleのOCIは、その高性能と、他社に比べてコストパフォーマンスに優れている点が評価されている。特に、AIの学習に不可欠なGPUインスタンスの提供能力やネットワーク性能において、OCIがOpenAIの厳しい要求を満たした可能性が高い。
この契約は、今後のIT業界、特にクラウドコンピューティングとAIの分野に大きな影響を与えるだろう。クラウド市場におけるOracleの存在感を一気に高めるとともに、AI開発競争が激化する中で、高性能なクラウドインフラがますます重要な戦略的資源となることを明確に示した。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このニュースは、現代のITサービスがどのように構築され、運用されているか、そして今後の技術トレンドがどこに向かっているのかを理解するための貴重な手がかりとなる。クラウドコンピューティングの知識とスキルは、もはやITエンジニアにとって必須の教養であり、AI技術がどのようにインフラと結びついて機能しているのかを学ぶことは、将来のキャリアを形成する上で極めて重要となるだろう。OracleとOpenAIのこの歴史的な契約は、技術の最前線で何が起こっているのかを示す、明確な道標と言える。