OCI(オーシーアイ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
OCI(オーシーアイ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
オープンクラウドインターフェース (オープンクラウドインターフェース)
英語表記
Oracle Cloud Infrastructure (オラクル クラウド インフラストラクチャ)
用語解説
OCIは、Oracle Cloud Infrastructureの略称であり、米国に本社を置く大手IT企業であるOracle社が提供するクラウドコンピューティングサービスである。Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP) と並ぶ主要なクラウドプロバイダーの一つとして数えられ、特に高い性能、堅牢なセキュリティ、そして優れたコスト効率を特徴とする「第2世代クラウド」として位置づけられる。OCIは、インターネットを介して、仮想サーバー、ストレージ、ネットワーク、データベースといった多様なITリソースをオンデマンドで提供し、ユーザーはこれらのインフラを自社で構築・運用する手間とコストを削減できる。既存のOracle製品との親和性が非常に高いことも、OCIの大きな特徴である。
OCIが提供するサービスは、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)とプラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)の領域を中心に展開される。IaaSの核となるのは、コンピュートサービスである。このサービスでは、仮想マシン(VM)インスタンスや物理サーバーを占有するベアメタルインスタンスを選択できる。ベアメタルインスタンスは、高性能なCPU、NVMe(Non-Volatile Memory Express)SSDストレージ、およびRDMA(Remote Direct Memory Access)対応ネットワークを組み合わせることで、極めて低いレイテンシーと高いスループットを実現する。これは、大量のデータを高速に処理する必要があるデータベースや、科学技術計算、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)といった、特に高い性能を要求されるワークロードにおいて大きなメリットとなる。
ストレージサービスは、用途に応じてブロックストレージ、オブジェクトストレージ、ファイルストレージを提供する。ブロックストレージは、コンピュートインスタンスに接続される永続的なストレージで、データベースやアプリケーションのデータ領域に適しており、高いIOPS(Input/Output Operations Per Second)とスループットを発揮する。オブジェクトストレージは、非構造化データを保存するためのスケーラブルなストレージであり、データの耐久性が高く、バックアップ、アーカイブ、ビッグデータ分析のデータレイクなどに活用される。ファイルストレージは、NFS(Network File System)プロトコルを介して複数のコンピュートインスタンスから共有利用できるため、分散アプリケーションやコンテンツ管理システムに適している。
ネットワーキングサービスの中核は、VCN(Virtual Cloud Network)である。VCNは、ユーザーが論理的に分離されたプライベートな仮想ネットワークをOCI上に構築する機能を提供する。VCN内にはサブネットを定義し、ルートテーブルやゲートウェイを設定することで、オンプレミスのネットワークと同様に柔軟なネットワーク構成が可能である。セキュリティ機能としては、ファイアウォール機能を持つセキュリティリストや、特定の仮想NIC(Network Interface Card)に対するトラフィック制御が可能なネットワークセキュリティグループ(NSG)を提供し、多層的なネットワークセキュリティを確保する。また、FastConnectなどの専用接続サービスを利用すれば、オンプレミス環境とOCIを高速かつセキュアに直接接続できるため、ハイブリッドクラウド環境の構築も容易である。
OCIの最大の差別化要因の一つが、堅牢なデータベースサービスである。Oracle Database Serviceでは、フルマネージド型のOracle Databaseをクラウド上で利用できるため、ユーザーはデータベースのインストール、パッチ適用、バックアップといった煩雑な運用管理作業から解放される。特に「Oracle Autonomous Database」は、機械学習の技術を駆使して、データベースのプロビジョニング、パッチ適用、バックアップ、チューニング、セキュリティ保護など、すべての運用タスクを完全に自律的に行う画期的なサービスである。これにより、人為的なミスを排除し、運用コストを大幅に削減しながら、常に最適なデータベース性能と高いセキュリティを維持できる。Autonomous Databaseには、OLTP(Online Transaction Processing)ワークロードに特化したAutonomous Transaction Processing(ATP)と、データウェアハウスワークロードに特化したAutonomous Data Warehouse(ADW)の二種類がある。
これらの主要サービスに加え、OCIはデータ統合、アナリティクス、機械学習、IoT(Internet of Things)、コンテナサービス(Oracle Container Engine for Kubernetes)、サーバーレス機能(Oracle Functions)など、広範なPaaSサービスも提供しており、アプリケーションの開発からデプロイ、データ分析まで、幅広いITニーズに対応する。
OCIの利用は、特に既存のOracle製品を利用する企業にとって多くのメリットをもたらす。高い性能と信頼性を持つインフラストラクチャは、ミッションクリティカルなシステムや大規模なデータ処理にも対応し、基幹業務システムのクラウド移行を強力にサポートする。また、Oracle独自の料金モデルや、オンプレミスで所有するOracleライセンスをOCIに持ち込むことができる(BYOL: Bring Your Own License)制度は、特定のワークロードにおいて他社クラウドと比較して優れたコストパフォーマンスを発揮する場合がある。セキュリティは、物理インフラ層からネットワーク、コンピュート、ストレージ、データベースに至るまで、設計段階から多層防御が組み込まれており、企業の情報資産を堅牢に保護する。
総合的に見て、OCIは、既存のOracleシステムをクラウドへ移行したい企業、高性能なデータベースやHPC環境を求める企業、あるいは、より優れたコストパフォーマンスと堅牢なセキュリティを追求する企業にとって、非常に有力なクラウドプラットフォームの選択肢となる。
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