【ITニュース解説】OSD600 #2: Let the show begin...
2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「OSD600 #2: Let the show begin...」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
OSD600コースでRust製CLIツール開発に着手。コードをモジュール化し、安全性を重視した。他者とのコードレビューやテストを通じて、バグ発見や課題解決の経験を積んだ。レビューは非同期が主流で、建設的フィードバックの重要性を実感。Rust開発は効率的だが、初心者向けにプロジェクトを分かりやすくするのが今後の目標だ。
ITニュース解説
このニュース記事は、カナダのセネカポリテクニック大学のOSD600というコースで進められている、ひとつのプログラミングプロジェクトについて解説している。このプロジェクトは「rust-cli-tool」という名前の、コマンドラインインターフェース(CLI)から操作できるツールを開発するもので、現在まだ開発の初期段階にある。
筆者はこのプロジェクトで、主にRustというプログラミング言語を使っている。これまでの開発経験では、C++で業務用のコードを書いたり、LLVMというコンパイラ関連のプロジェクトでコードを書いたりしてきたという。Rustを選んだ理由として、以前から個人的な探求のためにRustコードを書いていた経験があることに加え、Rustが提供する「実行時の安全性」を重視している点が挙げられる。Rustは、プログラミングの間違いによって起こりがちな、プログラムが予期せぬ動作をしたり停止したりするリスクを減らす仕組みが強力な言語だ。一方で、コードを書き始めるまでには時間がかかるが、一度動けばその堅牢性は大きなメリットとなる。当初はOCamlという別の言語で書くことも検討したが、Rustですら学ぶのに時間が必要なのに、OCamlはさらに難易度が高く、他の学生がプロジェクトに貢献しにくくなるため見送った。Go言語についても触れられており、Rustがメモリ安全性のために型システムに多くの情報を持たせる一方、Goはシンプルさや読みやすさを重視するという、両者の哲学の違いが指摘されている。
プロジェクトを進める上で、筆者はコードの「モジュラリティ」と「アクセシビリティ」を非常に意識している。モジュラリティとは、コードを小さな部品(モジュール)に分けて作成することで、それぞれの部品が独立して機能するようにすることである。これにより、コード全体の見通しが良くなり、修正や機能追加がしやすくなる。アクセシビリティとは、他の開発者がそのコードを理解し、協力して開発を進めやすいようにすることであり、将来的に多くの人がプロジェクトに関わる可能性を考慮したものだ。
プログラミング開発において非常に重要なのが「コードレビュー」だ。コードレビューとは、他の開発者が書いたコードを別の開発者が確認し、問題点や改善点を指摘するプロセスのことである。筆者は、他者からのコードレビューが建設的なフィードバックをもたらし、将来のミスを防ぐのに役立つと述べている。コードレビューには「同期(sync)」と「非同期(async)」のアプローチがあるが、筆者の経験からは「非同期」が一般的だという。同期レビューは、リアルタイムで集まってコードを議論する形式だが、多くの企業ではシニア開発者が多忙であるため、非同期レビュー(各自が自分の都合の良い時間にコードを確認し、コメントを残す形式)の方が柔軟性があり、好まれる傾向にある。
他者のコードをテストしたりレビューしたりする経験は、筆者にとってまだ習得中のスキルだと語られている。自分の要求に沿ってコードを実装するのと、他者の意図を読み解き、隠れた問題を見つけることは全く異なる。効果的なコードレビューには、細部に気づく洞察力と、頭の中でコードの動作を追跡する「メンタルデバッガー」のような能力が不可欠だという。自身のコードがレビューされることについては、キャリアを通じて常に起こることであるため、特に驚きはないと述べている。
今回のレビューで発見された問題点は、パーカースという学生のリポジトリ(コードが管理されている場所)に対するもので、全体的に「些細な」ものが多かった。例えば、コードの一部が文書化されていなかったり、基本的な機能がまだ実装されていなかったり、ユーザーへのメッセージが不明瞭だったりする点だ。これはプロジェクトが開発の初期段階にあるため、よくあることである。
筆者が自分のリポジトリで受けたレビューの主な問題点は、テストの不足だった。今回の初期段階のラボではテストが必須ではなかったものの、筆者はこの指摘を受けて、プロジェクトの核となる機能について基本的なCI/CDパイプライン(継続的インテグレーション・継続的デリバリーの仕組み)とテストスイート(一連のテスト項目)を導入した。CI/CDパイプラインは、コードが変更されるたびに自動的にテストを行い、問題がないことを確認するプロセスであり、これにより新たな変更が既存の機能を壊していないかを常にチェックできる。もし他の学生がこのパイプラインで難しいエラーに直面した場合、一時的にテストの厳しさを緩めて、彼らがこのプロセスに慣れるのを助ける用意があるとも述べている。
具体的なバグ修正としては、二つの主要な問題が挙げられている。一つ目は、パターンマッチングに関連するコア機能の不具合だ。パターンマッチングとは、特定の形式に合うデータを識別する機能のことである。CLIから渡されたパターンが、ファイルやディレクトリを探索する際に正しく正規表現(特定の文字列パターンを表現するための記法)と一致しないという問題があった。これは、ファイルやディレクトリの「相対パス」を計算することで簡単に解決できた。もう一つは、「-o」というオプション機能の未実装だったことである。当初は未実装である旨を明確に伝えるべきだったが、結局既存のファイル処理基盤を利用して、このタイプの出力生成機能を実装した。現時点ではファイルのリストを表示するだけだが、次のステップではファイルの中身を適切に処理する予定だという。
筆者は、これら全ての課題を解決できたことに満足しており、Rustでの開発は非常に楽しく、新鮮な体験だと語っている。特に、Rustのエコシステム(開発環境全体)が提供する優れたツール群、例えば「Cargo」というパッケージマネージャー(必要なライブラリやツールを管理する仕組み)の利便性を高く評価している。Cargoを一度使うと、C++のように手動で依存関係をインストールする手間には戻りたくないと述べている。
この一連のテストとレビューのプロセスを通して、筆者は二つの重要な目標を達成したいと考えている。一つは、Rustという言語の専門性が高いため、自身のプロジェクトが他の人にとって貢献しやすいものにする難しさを認識していることだ。Rustのエコシステムに慣れていない人でも、気軽にプロジェクトに参加しやすくすることが、コースでの成功にとって非常に重要だと考えている。