【ITニュース解説】What’s More Important for Placements: Projects or Competitive Programming?
2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「What’s More Important for Placements: Projects or Competitive Programming?」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
エンジニアの就職活動では、競技プログラミングとプロジェクト開発の両方が重要だ。競技プログラミングはコーディング試験で問われる問題解決能力を、プロジェクトは実践的な開発スキルを証明する。志望企業に合わせ、両方をバランス良く進めることが内定への鍵となる。
ITニュース解説
システムエンジニアとしての就職を目指す際、多くの学生が「競技プログラミング」と「プロジェクト開発」のどちらに時間を使うべきかという問題に直面する。これらは技術力を示すための二つの主要な方法だが、それぞれに異なる利点があり、目指すキャリアによってその重要度も変わってくる。
まず、競技プログラミングについて解説する。これは、LeetCodeやCodeforcesといったプラットフォーム上で、アルゴリズムやデータ構造に関する問題を制限時間内に解く、いわば頭脳のスポーツである。その目的は、与えられた課題に対して、計算量やメモリ使用量の観点から最も効率的なプログラムを迅速に記述することにある。就職活動において競技プログラミングが重要視される主な理由は、多くのIT企業の採用選考、特に一次選考で課されるコーディングテストに直結するからだ。GoogleやAmazonに代表されるような、世界的な製品開発型企業では、候補者の基礎的な問題解決能力や論理的思考力を測るために、データ構造とアルゴリズムに関する深い知識を問う傾向が強い。競技プログラミングの訓練を積むことで、これらのテストで求められる思考の速さや正確性、そして効率的なコードを記述する能力を養うことができる。高いレーティングやコンテストでの実績は、履歴書上で自身の高い能力を客観的に示す指標ともなり得る。ただし、競技プログラミングに没頭するあまり、実務からかけ離れたパズル解きに終始してしまう可能性や、膨大な学習時間が必要になるという側面も考慮する必要がある。
次に、プロジェクト開発の重要性について説明する。これは、学んだプログラミング知識を応用して、Webアプリケーションやモバイルアプリ、AIチャットボットなど、実際に機能するプロダクトを自らの手で作り上げる活動を指す。作成したプロジェクトは、GitHubなどのプラットフォームでソースコードを公開し、どのような技術を使い、どんな課題を解決したのかをREADMEファイルに明記することで、自身のポートフォリオとなる。プロジェクト開発が評価されるのは、それが実践的な開発スキルを直接的に証明するものだからだ。特定の技術スタック、例えばReactやNode.jsといったフレームワークを使いこなせる能力や、データベースの設計、API連携といった実務に近い経験は、即戦力を求める企業、特にサービス提供型企業やスタートアップにとって非常に魅力的である。また、個人またはチームで一つのプロダクトを完成させた経験は、面接において大きな強みとなる。「この機能を実装するためにこのような工夫をした」「開発中に発生したこの問題をこう解決した」といった具体的なエピソードは、単なる知識だけでなく、主体性や粘り強さ、課題解決能力をアピールする絶好の機会となる。ただし、誰でも作れるような簡単なアプリケーションでは他の候補者との差別化は難しく、独自性や完成度の高いプロジェクトを生み出すには相応の時間と計画が求められる。
では、どちらを優先すべきか。これは、志望する企業の種類によって戦略を変えるのが賢明である。前述の通り、製品開発型の大手IT企業を目指すのであれば、選考の初期段階を突破するために競技プログラミングの比重を高めるのが効果的だ。学習時間の7割を競技プログラミングに、3割をプロジェクト開発に充てるような配分が考えられる。一方、特定の技術を用いてサービスを開発する企業や、少数精鋭で開発を進めるスタートアップを志望する場合は、プロジェクト開発の比重を高め、6割程度の時間を割いて実践的なスキルを磨くことが内定への近道となるだろう。
最も理想的なのは、どちらか一方に偏るのではなく、両方をバランス良く進めることだ。これら二つは対立するものではなく、相互に補完し合う関係にある。例えば、まずは競技プログラミングを通じてデータ構造とアルゴリズムの基礎を固める。そして、その知識を活かして、開発するプロジェクトの処理を最適化したり、より高度な機能を実装したりする。このように、理論と実践を往復することで、より深く、かつ応用力の高い技術力を身につけることができる。具体的な学習計画としては、毎日1〜2問の競技プログラミングの問題を解く習慣をつけ、週末や空いた時間を利用してプロジェクト開発を進める、あるいはハッカソンに参加して短期間で集中的にプロダクト開発と問題解決の両方を経験する、といった方法が有効だ。
結論として、競技プログラミングはコーディングテストという最初の関門を突破するための「鍵」であり、プロジェクト開発は開発者としての総合力と将来性を示す「切り札」と言える。就職活動というゴールを見据えた時、この二つの武器をバランス良く磨き上げることが、自身の可能性を最大限に広げ、希望するキャリアを実現するための最も確実な道筋となるだろう。