Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】SOLID Principles Unseen Questions with Answers Explained: Intermediate to Expert-Level

2025年09月08日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「SOLID Principles Unseen Questions with Answers Explained: Intermediate to Expert-Level」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

オブジェクト指向設計の基本「SOLID原則」について、応用力を試すための解説付き多肢選択問題を紹介。保守しやすく拡張性の高いコードを書くスキルを、基礎から一歩進んだレベルで学べる。

ITニュース解説

オブジェクト指向プログラミングを学ぶ上で、避けては通れない重要な設計原則群に「SOLID原則」がある。これは、ソフトウェア開発の世界で長年にわたり指針とされてきた5つの原則の頭文字を並べたものであり、高品質で変更に強く、理解しやすいソフトウェアを構築するための基礎となる考え方だ。多くの開発者がこの5つの原則の名前は知っているが、その本質を理解し、複雑な状況で適切に適用できるかどうかが、初心者と熟練者の分かれ目となる。理論的な知識だけでなく、実践的な問題を通じてその理解度を試すことが、スキル向上には不可欠である。ここでは、システムエンジニアを目指す初心者のために、SOLIDの各原則をその目的とともに解説する。

最初の「S」は、単一責任の原則(Single Responsibility Principle)を指す。これは、一つのクラスやモジュールが持つべき責任は一つだけであるべき、という原則だ。ここでいう「責任」とは、ソフトウェアが変更される理由と捉えることができる。例えば、ユーザー情報を管理するクラスが、ユーザー情報の保持だけでなく、データベースへの保存や画面表示用のデータ生成まで担っていると、三つの異なる変更理由を持つことになる。データベースの仕様、画面の表示形式、ユーザー情報の項目、いずれかが変わるたびにこのクラスを修正する必要がある。単一責任の原則に従い、「ユーザー情報を持つクラス」「データベースとやり取りするクラス」「表示データを生成するクラス」と役割ごとに分割すれば、一つの変更が他に予期せぬ影響を与えるリスクを減らし、コードの可読性と保守性を大幅に向上させることができる。

次に「O」は、開放/閉鎖の原則(Open/Closed Principle)である。ソフトウェアのエンティティは、拡張に対しては開いていて、修正に対しては閉じていなければならないという考え方だ。これは、新しい機能を追加する際に、既存の正常に動作しているコードを書き換えるべきではないことを意味する。既存コードの修正は、新たなバグを生む危険性がある。この原則を守るには継承やインターフェースといった仕組みを活用する。例えば、様々な割引計算を行うシステムで、定額割引に加えて定率割引を追加する場合を考える。割引計算を行う元のクラスを直接修正するのではなく、割引処理の「インターフェース(共通の型)」を定義し、各割引クラスがそれを実装するように設計する。これにより、将来新しい割引が追加されても、既存コードに手を加えず、新しいクラスを追加するだけで機能拡張が可能になる。

「L」は、リスコフの置換原則(Liskov Substitution Principle)を表す。これは、プログラム内で親クラスのオブジェクトが使われている箇所は、その子クラスのオブジェクトに置き換えても、プログラムの振る舞いが変わってはならない、という原則だ。言い換えれば、子クラスは親クラスの「約束事」を破ってはならないということである。この原則が破られる典型的な例として、「長方形」クラスとそれを継承した「正方形」クラスが挙げられる。長方形は幅と高さを独立して設定できるが、正方形は幅と高さが常に等しい。もし正方形クラスが長方形を継承し、幅を設定すると高さも自動的に変わるように実装した場合、長方形として扱われることを期待しているプログラムの動作を壊してしまう可能性がある。このような継承はリスコフの置換原則に違反しており、継承を使うべきではないサインとなる。この原則は、継承関係を正しく構築し、多態性が意図通りに機能することを保証する。

「I」は、インターフェース分離の原則(Interface Segregation Principle)だ。これは、クライアント(インターフェースを利用する側のクラス)に、自身が利用しないメソッドへの依存を強制すべきではないという原則である。多機能なクラスのために、多くのメソッドを持つ一つの巨大なインターフェースを作るのではなく、クライアントのニーズに合わせて、より小さく具体的な複数のインターフェースに分割することが推奨される。例えば、印刷、スキャン、FAXの機能を持つ複合機を操作するためのインターフェースがあったとする。もしこれら全てのメソッドが一つのインターフェースに含まれていると、印刷機能しか必要としないクライアントも、スキャンやFAXのメソッドに依存してしまう。将来FAX機能が変更された場合、無関係なクライアントも影響を受ける可能性がある。インターフェースを「印刷機能」「スキャン機能」のように分離すれば、クライアントは本当に必要な機能にのみ依存すればよくなり、システム全体の結合度を下げ、変更への耐性を高められる。

最後の「D」は、依存性逆転の原則(Dependency Inversion Principle)である。これは、上位の抽象的なモジュールは、下位の具体的な実装モジュールに依存すべきではない、という考え方だ。代わりに、両方のモジュールが抽象(インターフェースや抽象クラスなど)に依存すべきであるとされる。通常、プログラムは高レベルの処理が低レベルの処理を呼び出すため、自然と上位が下位に依存する構造になりがちだ。しかしこの原則は、その依存関係を「逆転」させる。例えば、アプリケーションが特定のデータベース(例:MySQL)に直接アクセスするコードを書いている場合、アプリケーションはMySQLという具体的な実装に強く依存している。将来データベースをPostgreSQLに変更したくなった場合、アプリケーションの多くの箇所を修正する必要がある。依存性逆転の原則に従い、「データベース操作」という抽象的なインターフェースを定義し、アプリケーションはそのインターフェースに依存するように設計する。そして、MySQL用のクラスとPostgreSQL用のクラスがそれぞれそのインターフェースを実装すれば、データベースの切り替えは実装クラスを差し替えるだけで済み、アプリケーション本体への影響を最小限に抑えることができる。これにより、コンポーネントの再利用性やテストの容易性が向上する。

これらSOLIDの五つの原則は、単独で機能するものではなく、互いに密接に関連し合っている。これらの原則を意識して設計・実装することで、コードはより柔軟で、堅牢で、保守しやすいものになる。紹介された記事が提示するように、これらの原則の定義を暗記するだけでは不十分であり、様々なシナリオを想定した応用問題に挑戦することで、その真価を深く理解することができる。開発現場では、どの設計がどの原則に合致し、あるいは違反しているのかを判断し、より良い構造へと改善していく能力が求められる。初心者の段階からSOLID原則を学び、自分のコードに適用しようと試みることは、将来的に大規模で複雑なシステムを扱うための強固な土台を築くことにつながるだろう。

関連コンテンツ

【ITニュース解説】SOLID Principles Unseen Questions with Answers Explained: Intermediate to Expert-Level | いっしー@Webエンジニア