【ITニュース解説】Why I’m Switching to Parquet for Data Storage
2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「Why I’m Switching to Parquet for Data Storage」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Parquetは、大規模データの保存に最適なファイル形式だ。CSVなどと比べ、データ検索を高速化し、データ容量を大幅に削減できる。また、データの構造を正確に扱うため、データレイクでの効率的な管理や分析を可能にする。システム開発のデータ活用に必須の技術だ。
ITニュース解説
Parquetファイルとは、大規模なデータを効率的に保存し、分析するのに非常に適したデータ保存形式である。システムエンジニアを目指す上で、大量のデータを扱う場面は非常に多く、このParquetファイルはデータストレージの現代的な選択肢として注目されている。
このファイル形式がなぜ優れているのか、その主な理由は四つある。第一に「シンプルさ」、第二に「高速なクエリ」、第三に「コンパクトなストレージ」、そして第四に「スキーマとメタデータへの対応」である。これら一つ一つが、大規模データ処理におけるParquetの強力な利点となる。
まず「シンプルさ」について。Parquetファイルの扱いは非常に直感的で、Pythonのpandasのような一般的なデータ処理ライブラリを使えば、簡単に読み書きができる。例えば、多くの人が馴染みのあるCSVファイルをParquet形式に変換する場合でも、数行のPythonコードで完了する。これは、複雑な設定や専門知識を必要とせず、すぐにParquetを導入できることを意味する。
次に「高速なクエリ」である。これはParquetの最も重要な特徴の一つであり、その秘密は「カラム型ストレージ」という構造にある。一般的なCSVファイルが行ごとにデータを保存するのに対し、Parquetは列ごとにデータを保存する。例えば、タイムスタンプ、シンボル、終値という三つの列を持つデータがあったとして、CSVが行ごとに三つの情報をまとめて保存するのに対し、Parquetはタイムスタンプの情報をすべてまとめて保存し、次にシンボルの情報をすべてまとめて保存するといった形式をとる。この構造により、特定の列のデータだけが必要な場合、Parquetはその列のデータだけを効率的に読み込むことができる。CSVのようにファイル全体をスキャンする必要がないため、データ取得の速度が格段に向上する。SparkやDuckDBといった現代のデータクエリエンジンは、Parquetのカラム型ストレージを最大限に活用し、不要なデータチャンクをスキップして必要な情報のみを高速に処理する。
三つ目の利点は「コンパクトなストレージ」だ。Parquetは高い圧縮率を持つように設計されており、同じデータをCSV形式で保存するよりも少ない容量で保存できる。これを可能にするのは、データの特徴に応じた様々なエンコーディング技術である。例えば、整数データはテキストではなくバイナリ形式で保存することでバイト数を減らす。文字列データの場合、同じ文字列が何度も出現するときは、一度だけ保存し、あとはその位置を示すインデックスで参照する「辞書エンコーディング」という手法を用いる。また、同じ値が連続して出現する場合には、その値と出現回数を記録する「実行長エンコーディング」なども利用する。これらの技術を組み合わせることで、データの冗長性を排除し、ストレージ容量を大幅に削減する。
最後に「スキーマとメタデータへの対応」は、特にデータレイクを構築する上で不可欠な要素となる。データレイクとは、様々な種類の膨大な生データをそのままの形で一元的に保存するシステムのことで、その中に「データ沼」を作らないために、データの構造や内容を明確にすることが重要となる。Parquetファイルは「スキーマアウェア」、つまりデータがどのような構造をしているか(データの設計図)を内蔵している。このスキーマには、各カラムの名前、データ型(整数、浮動小数点数、文字列、タイムスタンプなど)、NULL値が許されるかどうか、さらにはデータが階層構造を持っているかといった情報が含まれる。利用者はこのスキーマを自分で定義することも可能で、データの整合性を保ちやすくなる。さらに、Parquetファイルは豊富なメタデータもサポートする。これはデータそのものではなく、データに関する追加情報(例えば、行数、カラム数、データ型、圧縮方法、各カラムの最小値・最大値など)のことである。これにより、ファイルの内容を実際に開いて読み込むことなく、そのデータが何であるか、どのような特性を持つかを把握できる。利用者はカスタムのメタデータを追加することもでき、データのソース、処理パイプライン、含まれるトークンの種類など、特定のビジネス要件に応じた情報を付加できる。
これらの特性を持つParquetファイルは、S3のようなオブジェクトストレージに保存された場合、現代のデータクエリエンジンで直接クエリを実行できる。例えば、特定の期間やシンボルに合致するデータだけをオブジェクトストレージから直接取得する、といったことが可能になる。これは、大規模なデータレイク環境において、柔軟かつ効率的なデータ分析を実現するために非常に強力な機能である。
結論として、Parquetは単なるファイル形式の一つではない。これは、データをコンパクトに保存し、高速にクエリを実行できる、そしてデータの構造と詳細情報を明確に持つことができる、現代のデータ処理に完璧に適合したストレージ形式である。パフォーマンス、ストレージ効率、そして長期的なスケーラビリティを重視するシステムを構築するなら、Parquetの採用は賢明な選択と言えるだろう。