【ITニュース解説】UK tender alerts after Brexit: Contracts Finder vs Find a Tender
2026年10月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「UK tender alerts after Brexit: Contracts Finder vs Find a Tender」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
英国の公共入札情報はBrexit後、『Find a Tender』(高額案件)と『Contracts Finder』(低額案件)の2サービスに分かれた。これら両サービスはオープンなAPIを提供しており、プログラミングにより入札情報を効率的に取得・活用できる。
ITニュース解説
イギリスが欧州連合から離脱したことで、英国の公共事業入札情報の公開方法に大きな変化があった。かつて欧州全体の入札情報が掲載されていたTED(欧州電子調達データベース)には、2021年初頭から英国の入札情報が掲載されなくなった。現在、英国の公共事業入札情報は、主に二つの政府系サービスによって提供されている。
一つは「Find a Tender(ファインド・ア・テンダー)」、もう一つは「Contracts Finder(コントラクト・ファインダー)」である。これらのサービスは、契約の規模によって主に使い分けられる。Find a Tenderは、以前TEDに掲載されていたような高額な契約案件を扱っている。これに対しContracts Finderは、主にイングランド地方の比較的小規模な案件を中心に掲載しており、入札情報だけでなく、すでに契約が締結された案件の情報や、市場調査のための情報提供依頼なども含まれる。
システムエンジニアを目指す初心者がこれらの情報を活用する場合、どちらか一方だけをチェックしていると、自身のビジネスチャンスを逃す可能性がある。例えば、従業員数名の小規模なITコンサルティング会社であれば、Contracts Finderでより多くの案件を見つけられる可能性が高い。一方で、大規模な施設管理会社が数年契約の大きなプロジェクトを狙うなら、Find a Tenderを主に利用することになるだろう。このように、自身の専門分野や事業規模に応じて、適切なサービスを選ぶことが重要だ。
これら二つのサービスは、いずれもオープンなAPI(Application Programming Interface)を提供している。APIとは、プログラムからデータにアクセスするための仕組みであり、これにより、手動でウェブサイトを閲覧する代わりに、プログラムを使って自動的に入札情報を取得できる。データはOCDS(Open Contracting Data Standard)JSONという標準形式で公開されており、Open Government Licence v3.0の下で利用可能だ。このライセンスは、データの出所を明記すれば商用利用もできることを意味し、APIキーも不要であるため、比較的簡単に利用を開始できる点がメリットだ。
ただし、APIを利用する際にはいくつかの注意点がある。Find a TenderのAPIは、短時間に大量のリクエストを送ると「HTTP 429 Too Many Requests」というエラーを返すことがある。この場合、レスポンスに含まれる「Retry-After」ヘッダーに示された秒数だけ待ってから、再度リクエストを送る必要がある。Contracts FinderのAPIも同様に、過度なリクエストに対しては「HTTP 403 Forbidden」というエラーを返す。ドキュメントには、このエラーを受け取った場合は5分間待つように指示されている。
また、Contracts Finderの検索フィードでは、入札の締め切り日時が、個別の案件詳細ページに記載されている日時と数時間ずれている場合があるため注意が必要だ。締め切り日は入札において非常に重要な要素であるため、確実に正確な情報を得るには、検索フィードではなく個別の案件詳細エンドポイントから締め切り日を取得するべきである。
APIの検索機能には限界があり、現状では日付と入札の「ステージ」(例えば、公開中や落札済みなど)でしか直接フィルタリングできない。キーワード、CPVコード(製品やサービスを分類するための共通調達語彙コード)、金額などでのフィルタリングは、APIから取得したデータを自身のプログラムで処理して行う必要がある。APIエンドポイントの例としては、Find a Tenderではhttps://www.find-tender.service.gov.uk/api/1.0/ocdsReleasePackages?stages=tender&updatedFrom=2026-10-14T00:00:00&limit=100のようにアクセスし、Contracts Finderではhttps://www.contractsfinder.service.gov.uk/Published/Notices/OCDS/Search?stages=tender&publishedFrom=2026-10-14T00:00:00&limit=100といった形式で利用できる。取得したデータが複数ページにわたる場合、links.nextというフィールドに次のページのURLが含まれているので、それを使ってページング処理を進める。入札の締め切り日はtender.tenderPeriod.endDateフィールドに、推定される契約金額はtender.valueフィールドに含まれている。
驚くことに、これらのサービスで毎週公開される新規の入札案件は、それぞれ数十件程度と比較的少ない。この程度の量であれば、すべての入札情報を定期的に取得し、自分のパソコンやサーバーでフィルタリングや分析を行うことも十分に現実的な選択肢となるだろう。
もし、このようなAPIを直接扱ったり、データの取得・管理のためのシステム(「配管」と表現されることもある)を自分で構築したりする手間を省きたい場合、既存のツールを活用する方法もある。「UK Public Tenders Tracker」というApify Actorがその一例だ。これは、両方のサービスから入札情報を検索し、キーワード、CPVコードのプレフィックス、金額、地域、締め切り日などでフィルタリングできる。さらに、前回の実行以降に新規または変更された情報だけを取得できる機能も備わっており、日次のメール通知やスプレッドシートへの自動更新などにも便利に活用できる。このツールは、1件の入札情報あたり0.004ドルの費用で利用でき、月額制のサブスクリプションは不要である。出力されるデータのフィールドは、TEDのデータ形式と似ているため、英国とEU両方の入札情報を一つのスプレッドシートで管理することも可能になる。
これらの情報は、システムエンジニアを目指す初心者にとって、公共データの取得と活用、APIの利用、データ処理といった実践的なスキルを学ぶ良い機会となるだろう。