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87キーボード(ハチジュウナナキーボード)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

87キーボード(ハチジュウナナキーボード)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

87キーボード (ハチジュウナナキーボード)

英語表記

87-key keyboard (ハチジュウナナキーキーボード)

用語解説

87キーボードとは、一般的にフルサイズキーボードから数字入力用のテンキー部分を省略したコンパクトなキーボードのことを指す。その名前の通り、キーの総数が87キー前後に集約されているのが特徴であり、テンキーレスキーボードという呼称も一般的である。フルサイズキーボードが通常104キーから108キー程度のキーを持つことと比較すると、約15%から20%程度のキーが削減されている。この削減は主にキーボードの右側に配置される独立した数字入力キーパッドに集中しており、メインのタイピングゾーン、ファンクションキー、カーソルキー、特殊キー(Home, End, PgUp, PgDn, Del, Insなど)はそのまま保持されている場合が多い。システムエンジニアやプログラマーといった職業において、特に効率的なコーディング作業や開発環境の構築を目指すユーザーから高い評価を得ている。デスクスペースの有効活用や、マウス操作との連携向上といったエルゴノミクス(人間工学)的なメリットが大きく、現代のPC作業環境に合わせた合理的な選択肢として広く普及している。

87キーボードの最も顕著な特徴は、フルサイズキーボードの右側に位置する数字入力用のテンキーが排除されている点にある。この削除により、キーボード全体の横幅が大幅に短縮される。例えば、一般的なフルサイズキーボードの横幅が約45cm程度であるのに対し、87キーボードでは約36cm前後まで短縮されることが多い。この横幅の短縮は、PC作業における複数の利点をもたらす。一つ目の大きなメリットは、デスク上の占有スペースが減少することである。これにより、限られたデスクスペースを有効活用でき、書類や他のデバイスを置く余裕が生まれる。特に、システムエンジニアが複数のモニターや多くの周辺機器を使用する環境では、デスクスペースの確保は重要となる。二つ目のメリットは、マウスを操作する右手とキーボードの間の距離が短縮される点である。フルサイズキーボードでは、テンキーがあるために右手は体の中心からやや右にずれた位置でマウスを操作することになりがちだが、87キーボードでは右手を体の中心に近い位置に置くことができる。この姿勢の変化は、肩や腕、手首への負担を軽減し、長時間の作業においても疲れにくいエルゴノミクス的な効果をもたらす。マウスへの手の移動距離が短縮されることで、タイピングとマウス操作の切り替えがスムーズになり、作業効率の向上にも寄与する。

キー配列に関しては、テンキーが削除されている点を除けば、メインのアルファベットキー、数字キー(上段)、記号キー、ファンクションキー(F1〜F12)、カーソルキー(上下左右)、そしてHome, End, PgUp, PgDn, Del, Insといった特殊キー群はフルサイズキーボードと同様の配置を維持しているのが一般的である。これにより、フルサイズキーボードに慣れているユーザーでも、87キーボードへの移行時に大きな学習コストを払うことなく、スムーズに順応できるという利点がある。ただし、JIS配列(日本語配列)とUS配列(英語配列)では、キーの数自体は87キー前後で共通していても、一部の記号キーの配置やEnterキーの形状、かな文字の有無といった点で違いが見られるため、選択時には注意が必要である。JIS配列の87キーボードは、通常、日本語入力に必要な「半角/全角」キーや「変換」「無変換」キーなどが配置されており、US配列ではこれらのキーが存在せず、よりシンプルなキー配置となる。システムエンジニアの中には、プログラミングにおいて使用頻度の高い記号が打ちやすい、キー数が少なくキーキャップの選択肢が多いといった理由から、US配列を好む者も少なくない。

87キーボードのデメリットとしては、やはりテンキーの欠如が挙げられる。会計処理や数値データの大量入力、Excelのようなスプレッドシートソフトウェアでの作業など、頻繁に数字を打ち込む業務においては、独立したテンキーの有無は作業効率に大きく影響する。このような用途で87キーボードを使用する場合、キーボード上段の数字キーを使うか、Fn(ファンクション)キーなどとの組み合わせでテンキー機能を利用する、あるいは別途USB接続の外付けテンキーを用意するといった対策が必要となる。しかし、システムエンジニアのプログラミング作業においては、数字キーを使用する機会は変数名の一部や特定の定数、行番号の指定などで比較的限定的であり、メインのタイピングゾーンにある上段の数字キーで事足りる場合が多い。そのため、テンキーの欠如がプログラミング作業のボトルネックとなることは稀である。むしろ、前述の省スペース性やマウス操作との連携向上といったメリットが、プログラミングにおける生産性向上に寄与すると考えられる。

結論として、87キーボードは、テンキーを省略することでコンパクト化とエルゴノミクスを追求し、特にシステムエンジニアのような専門職にとって、作業環境の最適化に大きく貢献するキーボードである。フルサイズキーボードからの移行も容易であり、デスクスペースの有効活用、マウス操作との連携向上による疲労軽減、そしてプログラミング作業における効率化といった多角的なメリットを享受できる。一方で、大量の数字入力が必要な特定の業務には向かない可能性もあるが、そうしたデメリットを上回る利点が、多くのプロフェッショナルに選ばれる理由となっている。キーボードの種類は、使用者の作業内容や個人の好みに大きく左右されるが、87キーボードはそのバランスの取れた設計思想により、多様なニーズに応える汎用性の高い選択肢として、今後もIT業界において広く利用され続けるだろう。

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